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□独初の女性首相目指すメルケル氏 個人的人気はいま一つ… [産経新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050901-00000009-san-int
独初の女性首相目指すメルケル氏 個人的人気はいま一つ…
対米関係など指導力未知数
【ベルリン=黒沢潤】投票日(十八日)まで二十日を切ったドイツ総選挙で、最大野党のキリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)の優位は揺らいでおらず、アンゲラ・メルケルCDU党首(51)が同国史上初の女性首相となる可能性が高まっている。だが、同党首の個人的人気は今一つで、対米関係の改善をはじめとする新政権の重要課題にもどれだけ指導力を発揮できるか未知数の部分も多い。
最新の世論調査によれば、CDU・CSUの合計支持率は、シュレーダー首相率いる社会民主党(SPD)の支持率に13ポイントの差を付けており、政権交代が実現する公算が大きい。ただ、党首の個人的な支持率では、シュレーダー首相を一時、逆転したメルケル氏も今では再び、5ポイントの差を付けられ、苦しんでいる。
メルケル氏は、冷徹な政治姿勢から「鉄の女」と呼ばれた英元首相にちなんで、「ドイツ版サッチャー」とも称されているものの、カリスマ性はまだ帯びてはいない。
旧東ドイツ出身の科学者ながら、統一ドイツで環境相を務めた経歴などもあって、旧東独国民にとっての親近感も薄い。
国会などでの演説も、「退屈」と評されがちで、「メディア宰相」「演壇上のマイスター」などの異名を取るシュレーダー首相には遠く及ばないというのが独メディアの一致した見方だ。
メルケル氏は、米国との協調を重視する「大西洋主義」を掲げ、自身、二〇〇三年のイラク戦争開始直前に米国を訪問、戦争支持を訴えたほか、七月下旬には、外交専門家のCDU幹部をホワイトハウスに派遣、冷戦時代に築いた「独米関係」の復活を強調している。
メルケル氏が首相に就任した暁には、シュレーダー首相による激しい反イラク戦争姿勢ゆえ冷えきっている対米関係の改善が最重要課題となる。問題は、メルケル氏の外交上の資質や手腕は試されていないという点だ。
戦後、西ドイツの歴代首相経験者には、強烈な指導力を発揮したアデナウアー首相や、オストポリティク(東方外交)を推進したブラント首相、東西ドイツ統一を成し遂げたコール首相など逸材がひしめいている。そのことも、メルケル氏に「軽量級」(外交筋)といった評判が付きまといがちな背景の一つといえる。
同氏の支持率伸び悩みには他の要因もある。盟友、CSUのシュトイバー党首が八月、旧東独国民を「ばか者」呼ばわりする“舌禍事件”を起こしたほか、CDUがメルケル氏の愛称、「アンジー」にひっかけ、ローリング・ストーンズのヒット曲「アンジー」を集会で無許可で流したことも問題化し、同氏の足を引っ張る形となっている。
こうした中、メルケル氏は「選挙後」への準備を着々と進めている。
財務相候補には、財政学者のパウル・キルヒホーフ連邦憲法裁判所元判事を指名。同氏は所得税の最高税率(現在42%)の25%への引き下げを訴える改革論者で、39%への引き下げが公約のCDU内部では異論も強いものの、この人事は「欧州の重病人」とも呼ばれるドイツ経済の再建に向けた“意気込み”を表したとして注目されている。
先週には、独産業連盟(BDI)などの経済団体代表やダイムラークライスラーなどの有力企業幹部とも会い、明確な支持を取り付けている。
(産経新聞) - 9月1日3時58分更新