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米国のプロパガンダはいかにして神話を創り出すか
悪のスーパーヒーロー、アブ・ムサブ・アル・ザルカウイ
善のスーパーヒーロー、ジョージ・ブッシュを引き立てるため、米国のプロパガンダは悪のスーパーヒーローを創り出した。まずビンラーデン、次いでザルカウイだ。ルーマニアのジャーナリスト、ウラジミール・アレックスは、どちらも堕天使であると指摘する。一度神話が出来上がると、同盟国の野蛮さを悪魔祓いするにはあまりにもブザマな事件の責任を彼に押し付けるのだ。
マイケル・チョスドフスキー(Michel Chossudovsky)は、《The Pentagon’s New Terrorist Mastermind》と題された記事で、米国の情報機関と対スパイ活動のエージェントが、昔から彼ら特有のテロリスト組織を設立していたと書いている。一連の《イスラム教徒》の組織が、常時、秘密の計画に従って、米軍の出動を正当化する最も都合のよい機会を作り出すために活動してきたし、今も活動している。チョスドフスキーによれば、この組織は常に人間の体の二本の腕のように、右腕が動き出す条件を左が創るよう正確に機能している。そこで、すべてを調整する《頭脳》が存在する。
いかにして米国は《イスラム・テロリスト》運動を創立したか?それはジミー・カーターの国防担当顧問だったズビグニュー・ブレジンスキーが、『ヌーヴェルオブセルヴァトゥール』紙の1998年1月のインタビューでしゃべっている。それはスクープだった。CIAのアフガニスタンへの介入は、1979年のソヴィエトの侵攻より前だった。彼は言う。《歴史の定説によれば、1980年以後、CIAはムジャヒディンの活動を支援した、すなわち1979年12月24日のソ連軍の介入の後である。ところが今日まで秘密にされてきたことだが、事実はまったく異なる。1979年7月3日、カーター大統領は、カブールの親ソヴィエト体制に反抗する人たちを援助するための最初の秘密指令にサインした》目的はソヴィエトの軍隊と経済にとっての《ヴェトナム》を創り出すことだった。この秘密プランの一環として、米国はパキスタンの隣りの様々な国と大陸から連れてきた数千人のイスラム教徒に財政援助し、訓練を施し、たっぷり武器を与えた。権威ある雑誌 Covert Action Quaterlyは、最近冊で2001年9月11日の出来事とテロリズム現象の変遷についての要約を出版したが、その中で懸念すべき総括を書いている。カーター政権はアフガニスタンとイランに《イスラム組織》を創った。レーガン政権はそれをスーダンの《イスラム組織》との有害な協力関係に広げた。ブッシュ・シニア政権はアフガニスタンとスーダンの《イスラム組織》との協力を強化した。一方クリントン政権は、アルバニア、アルジェリア、ボスニア、チェチェン、イラク、そしてリビアの《イスラム組織》を支援した。
地政学的に見て、ウサマ・ビンラーデンはブッシュ大統領の最良の《友達》だった。ビンラーデンがいなかったら、ブッシュに何ができただろうかと、30年の秘密活動の経験をもとに『ルビコン河を渡って』(Crossing the Rubicon)を書いたマイケル・C・ルッパート(Michael C. Ruppert)は問う。著者の結論は遠くまで行く。《ビンラーデンはCIAの、米国政府の、そしてウォール街のエージェントであったし、今も常にあり続ける》これが、もっとも追われているテロリストがなぜ決して捕まらないのかを説明するものだ。しかし、2003年1月以来、もう一つの国際テロリズムの神話が現れた。それまで誰もが知らなかったアブ・ムサブ・アル・ザルカウイと称する神話である。一体このザルカウイとは何者か。
ザルカウイが国際舞台に登場したのは米国のイラク侵攻の6週間前である。国連安保理におけるコリン・パウエル国務長官の演説によれば、《皆さんの注意を引きたいこと、それはイラクとテロ組織アルカイダを結ぶコネクションです。― イラクは現在、ウサマ・ビンラーデンの仲間であるアブ・ムサブ・アル・ザルカウイに指揮されているテロ組織を国内に滞在させています》―― こうして一人の男、ミステリアスなザルカウイは突然スーパー・テロリストとして押し出されたのである。
だがコリン・パウエルは、国連で重要なことを二つ言い《忘れた》。ザルカウイとその組織《アンサール・アル・イスラム》はサダムフセインに反対していたことと、もう一つは、米国は主にクルド人が住んでいる(そして当時《アンサール・アル・イスラム》の拠点があった)イラク北部の基地を壊滅させることに何ら関心を持っていなかったということである。なぜなのか?
一体、至るところで起きている様々で複雑なテロや人質事件が、たった一人の指示で行なわれるなんてことが信じられるだろうか。オーストラリアの日刊紙 The Age は興味ある推測を進める。《アル・ザルカウイは存在しない》と。フィクションの人物であると。The Age は、匿名だが、米軍の心理作戦を担当するある将校の証言を報告している。《私は、ザルカウイが存在し、イラク内の各テロ行為の主役であるとノンポリや平凡な犯罪者があちこちで主張するように、彼らに1万ドルまで払った》
現在、新たな議論がネオコンの内部で起きている。アル・ザルカウイはイランから財政援助を受けているというのである!この国がワシントンから《悪の枢軸》のリストに置かれていると固執される理由だ。このように《アル・ザルカウイの期間》は終わっていないようだ。この幽霊テロリストは今度はイランに対して使われる可能性がある。
http://www.reseauvoltaire.net/article.php3?id_article=17481&acte=1122259000