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カナダを知らない米国人と、金で買えるアメリカ大使 [暗いニュースリンク]
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/860.html
投稿者 white 日時 2005 年 7 月 31 日 20:35:54: QYBiAyr6jr5Ac
 

□カナダを知らない米国人と、金で買えるアメリカ大使 [暗いニュースリンク]

 http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/07/___2b82.html

07/31/2005

カナダを知らない米国人と、金で買えるアメリカ大使

フロリダの地方新聞The Ledger紙の2005/06/30付社説を全文翻訳して以下に掲載。この記事には2つのポイントがある。カナダとアメリカの関係悪化と、海外駐在アメリカ大使という役職の問題である。

アメリカよりもカナダへの帰属を希望する人が多いといわれるヴァーモント州を除外すれば、アメリカ国民は総じて隣国カナダについてあまり関心を持っていないが、そうした米国側の事情がカナダ国民をしばしば困惑させている。
タイム誌の表紙を飾った極右アイドルのアン・カルター。ちなみに、彼女が書いた最新コラムは盗作であった事実が暴露されている。こんな怪しい『政治批評家』の書いた書物が次々とベストセラーになってしまうのだから、アメリカの右傾化は相当奥が深いのである。ところで、一連のカナダに対する攻撃の成果として、彼女は昨年トップのブッシュ大統領を抑えて、カナダ喜劇人の主催する『世界一の愚か者』大賞に選ばれた。

特に、米国内のブッシュ支持層はカナダを常に敵国扱いしている。例えば「同じ大陸に居られるだけでも有難く思いなさい!」等のカナダ攻撃で知られるアメリカ極右のトップアイドル、アン・カルター(コールター)は、イラク侵攻に同意しないカナダを批判し、カナダのテレビで以下の発言をした(ビデオ):

「昔のカナダは我が国にとってサイコーの同盟国だったのよ。だってカナダはベトナム戦争に派兵したでしょう?ベトナムはサダム・フセインよりも危険でまとめ難い国だったかしら?」
もちろん、のちに彼女も誤りを認めたとおり、カナダ政府はベトナム戦争に戦闘員を派兵したことはない。(とはいえ、ベトナム戦争当時、血気盛んなカナダ人3万人ほどが、自ら志願して国境を渡り米国兵士としてベトナムに行ったのは事実である。ベトナム戦争当時、脱走兵に悩むアメリカ政府は、カナダ人志願兵達に社会保障番号まで与えたが、カナダ人兵士への医療保障は拒否した。戦傷を負ったカナダ人兵士は、ベトナムからカナダへ悲痛な状態で帰還し、その後公に語られることもなかった。こうした歴史事実を元に、アンは「カナダ人がベトナムで戦ったのは事実でしょ!」と苦しい言い訳をしているが・・・)

総じて穏健・寛容で知られるカナダ国民も、アン・カルターやビル・オライリーに代表される米保守層の、誤解に基づくカナダ批判に対しては辟易しているらしく、例えば在米カナダ大使フランク・マッケンナ氏は、米保守派放送網フォックス・ニュースのカナダ攻撃に対して必死の対抗PR活動を展開している。


金で買えるアメリカ大使

駐カナダ米大使に限らず、ブッシュが任命する在外米国大使達は、外交官としての資質がほとんどないということで評判だ。例えばブッシュが2001年に任命した駐フランス米大使ハワード・リーチ氏はフランス語が全く話せなかったが、フロリダで投資ビジネスを行うこの億万長者は、2000年度に37万6,859ドルを個人名義でブッシュ選挙チームに寄付した。ブッシュ任命の合衆国大使としては、それで充分な資質となるわけである。

今年初旬に、新たにブッシュ大統領から駐ドイツ米大使に任命されたオハイオ州の実業家ウィリアム・ティムケン・ジュニアは、外交経験がなくドイツ語も全く話せないが、2004年のブッシュ再選キャンペーンに個人名義で20万ドル寄付し、さらに彼の経営する会社は悪名高きブッシュ大統領2期目就任イベントに25万ドルを寄付している。これまた合衆国大使の資質充分である。

先週、駐ポルトガル米大使に任命されたアル・ホフマンはフロリダの実業家で、ブッシュに30万ドル寄付した人物。先月新たに駐イギリス米大使に任命されたロバート・タトル氏は、カリフォルニア州で自動車販売業を営む人物で、無名で売れない俳優レーガンが失業中に同氏から中古車を買った縁で、レーガン政権時に大統領補佐官となった有名人だ。

同じくカリフォルニア州で金融業を営むロナルド・スポグリは、新たに駐イタリア米大使に任命されたが、彼はハーバード・ビジネス・スクール時代のブッシュの級友であった。タトルとスポグリの両氏は、共にブッシュ再選キャンペーンに10万ドル以上寄付している。

合衆国大使のポジションが金で買える?まあ、驚くには値しない。大統領選挙の際、共和党陣営はブッシュ再選キャンペーンへの寄付を募るため「ブッシュに個人献金すれば大使の座を約束する」と堂々宣伝しているし、ブッシュほど露骨でないにしろ、クリントン政権時代にも同様の「政府ポジション大売出し」が行われている。

日本の投資家達も、面倒な国内企業買収よりは、アメリカ政府ポジションの買収を考えたほうが投資効率が良いと気づく日がくるかもしれない。


え?カナダ?(Uh-Oh, Canada?)

The Ledger紙2005/06/30付社説

今週水曜日のオタワにて、新任の駐カナダ米大使デビッド・ウィルキンス氏は、ポール・マーティン首相の下に挨拶に訪れた。カナダ国民もウィルキンス氏との再会を喜んでいるかもしれない。ウィルキンス氏にとって、カナダに来るのは30年ぶりのことであるという。

数週間前に、カナダCBCテレビのインタビューで、ウィルキンス氏はカナダに一度だけ、1970年代の中期に来た事があると回答した。その際にはナイアガラの滝周辺を訪問したと、同氏はインタビュアーに答えていた。

カナダの他の都市に行ったことはと問われたウィルキンス氏は、一箇所も具体的な地名を挙げなかった。さらに促されると、陸軍基地勤務時代に「インディアナ州の奥の方」に行ったことがあると答えたあと、「インディアナ州の上だったかな」と答えた。

CBCニュースは、58歳のウィルキンス氏が、サウスカロライナ州での集会でスタンディング・オベイションを受けたと報道していた。ウィルキンス氏は同州で25年勤務し、最後の10年は下院議員として過ごしている。報道によれば、ウィルキンス氏は聴衆に対して、「友人であり隣国であるカナダに駐在する合衆国の大使として」推薦されたと話した。

CBCニュースの記者は「5分間の演説で、ウィルキンス氏がカナダについて触れた部分はそれだけでした」と加えた。

合衆国にとって最大の貿易相手国へ大使として赴く人物にとって、あまり有望な始まり方とはいえないだろう。ウィルキンス氏は外交の経験は全くなく、彼の故郷であるサウスカロライナ州に対するカナダの影響力も、彼自身にはピンとこなかったらしい。

しかし、カナダ大使館の2003年度の統計によれば、カナダとサウスカロライナ州間の貿易活動は、同州の6万9,000人の雇用を支えているのである。

2003年だけをみても、毎日1,000万ドル相当の製品がサウスカロライナ州とカナダの間で取引されている。同年、サウスカロライナ州は海外向け商品の22%をカナダに輸出しているが、これはカナダが同州にとって2番目に大きい貿易市場であることを示している。

フロリダ州にとっても、カナダは重要である。大使館によれば、フロリダ州とカナダの貿易によりフロリダ州で28万9000人分の雇用が維持されている。2003年度に、カナダはフロリダ産農産物を5億2,800万ドル分購入しており、さらにフロリダ産オレンジジュースと濃縮果汁製品を1億2,600万ドル分購入している。

他にも、2003年度にフロリダ州に訪問したカナダ国民は180万人を超え、14億ドルの経済効果を同州にもたらしている。

国務省で2週間のブリーフィングを受けたウィルキンス氏が、カナダの報道陣に対し「知れば知るほど感心させられる」と語ったのも無理はないのである。

カナダ国民は、ウィルキンス氏がカナダの軟材業界を「不公正貿易を行っている」と批判した件を注視している。(サウスカロライナ州は軟材業が盛ん)また、ウィルキンス氏が2003年度の「レンジャー」、つまりブッシュ大統領再選キャンペーンに20万ドル以上の個人献金を行った人物であることも指摘されている。80年代から90年代にかけて、同氏はジョージ・H・W・ブッシュ氏の代理人として活躍している。昨年度は、ブッシュ再選キャンペーンの州代表を務め、2000年度にはサウスカロライナ州ブッシュ選挙チームの共同委員長を務めていた。

カナダ全般に関する知識不足は明白であるにしても、まだ希望はある。例えば、ウィルキンス氏はおおらかな人物で、南部特有の魅力の持ち主だ。前駐カナダ米大使のポール・セルッチ氏とは好対照であろう。セルッチ氏は、カナダが合衆国のイラク侵攻に反対し、ミサイル防衛システムに加盟しなかった件でカナダを批判していた。

一方で、カナダ政府関係者の一部は、ウィルキンス氏がホワイトハウスに近い人物であり、大統領が耳を貸す相手であると見なしている。前ミシガン州知事で、クリントン政権時には駐カナダ米大使を務めたジェイムズ・ブランチャード氏によれば、ウィルキンス氏の政治的背景には「カナダ側の必要とする資質があるよ」とのことである。最も重要なことは、「大統領と通じている」ことであろう。

ウィルキンス氏にとって、前途にある任務は決して易しいものではない。ピュー・リサーチセンターが最近行った世論調査によれば、カナダ国民の59%は合衆国に対して肯定的な見方をしている。しかし2002年度には、その数字は72%だったのだ。

2002年当時、カナダ国民の5人中4人が、アメリカ主導のテロとの戦いを支持していた。今では、それを支持するカナダ国民は半分以下である。

たぶん、ウィルキンス氏はそうしたカナダ世論を変えられるだろう。あるいは、指名直後のウィルキンス氏がカナダCBCラジオ放送で話した内容に、カナダ国民は執着するかもしれない。インタビュアーはこう聞いた:「愉快な事が好きそうな方ですね。カナダに関するあなたの知識をちょっと聞いていいですか?・・・メープル・シロップの原産地は何処でしょう?」

ウィルキンス氏は答えた:「上院で指名が承認され次第、その質問に回答できると期待していますよ。」

かくして、ウィルキンス氏は議会承認された。もしかしたら米国務省は、彼に回答を教えている最中かもしれない。
(以上)

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