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掲示版 付録:チャべス氏の戦い ベネズエラ・キューバ同盟を恐れるのは誰だ?
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/820.html
投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 7 月 29 日 22:06:07: ilU7eLmFtsv5I
 

(回答先: 注目すべき今後の南米電波戦争:「チャベス主導テレスル」vs「ブッシュ主導新TV局」 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 7 月 29 日 20:29:11)

2005年07月01日
ベネズエラ・キューバ同盟を恐れるのは誰だ?
http://agrotous.seesaa.net/article/4770333.html#more
リンクは記事原文へのリンク以外は訳者による

ベネズエラ・キューバ同盟を恐れるのは誰だ?
〔Who's Afraid Of Venezuela-Cuba Alliance:Original Article in English/ZNet原文〕

ジェーン・フランクリン〔Jane Franklin〕:2005年3月14日

長い間、中南米で、全ての市民に無料の医療〔健康に関わる医療のこと。いわゆる保健医療〕を提供する国は、ひとつしかなかった。現在は二つになった。両国政府は保健医療を基本的な人権とみなしている。よって、保健医療に恵まれているキューバと、石油に恵まれているベネズエラは、両国の市民にとって利益となるよう、物々交換の取り決めを交わした。これは有益な自由貿易の、重要な歴史的実例のように見受けられる。誰が異議を唱えられるだろうか?

この同盟によってかなり当惑させられた様に見えるのは、例えば、コンドリーザ・ライス〔Condoleezza Rice〕だ。昨年10月にピッツバーグ・トリビューン・レビュー〔The Pittsburgh Tribune-Review〕の編集委員会との間で行われたインタビューで、当時、国家安全保障担当大統領補佐官だったライスは、ウゴ・チャベス〔Hugo Chavez〕大統領を「本当の問題」と呼んだ。彼女は、「彼はフィデル・カストロ〔Fidel Castro〕との接触を続けるし、中南米政治に影響を及ぼす為の、最後の試みをカストロに与えているかもしれない。」なぜ彼女はそんなに警戒しているのだろう?

同じインタビューの中で、彼女はソ連と比べ、ロシアを賞賛した。「経済において驚くべきことが起きている、」進歩の「顕著な」例に言及しながら、彼女は熱狂した。「プーチン〔Putin〕は人々に、保健医療費は自分で払わなければならないと伝えている。」多くの人が十分な保健医療費を支払う余裕のないアラバマ州出身のコンドリーザ・ライスは、成長し企業エリートの一員となり、トランスアメリカ〔Transamerica〕, チャールズ・シュワッブ〔あるいはシュワブ;Charles Schwab〕, そしてヒューレット・パッカード〔Hewlett Packard〕等の巨大産業の重役になった。彼女の上司、ジョージ・W・ブッシュ、と他の彼の閣僚と同じように、彼女は石油産業に投資をしていて、シェブロン・コーポレーション〔Chevron Corporation〕を通して、ベネズエラの石油に直接的利害がある。1995年、シェブロンがカラカス〔Carcas:ベネズエラの首都〕で20−30年の期間、ボスカン〔Boscan〕重質油田を運営する合意に調印したのと同じ年、にシェブロンは社の最大の石油タンカーに、重役役員の名前を付けた。〔その名も、〕コンドリーザ・ライス。2001年にライスが国家安全保障担当大統領補佐官になった後、露骨な関連性を避けるため、シェブロンはこのタンカーを改名した。

1995年のオイル・タンカー嬢は、現在国務長官であり、全ての国に対する米国政策施行を受け持っている。彼女が、ベネズエラ経済を一時的に荒廃させた、2002年の石油ストライキ〔いわゆるゼネスト:この事件についてはこのサイトの02年12月02日−2月03日を参照〕の様な、反チャベス活動を熱心に支持するのも当然だ。それと同時に、ハバナ〔キューバの首都:Havana〕とカラカス間の同盟がブッシュ政権に対して、大きな驚愕を与えるのも驚きではない。自由貿易問題を取り上げてみよう。ここ数十年、ハバナは、国際通貨基金(IMF)の様なワシントンの貿易体制に管理されることと、それに必然的に伴う国内福祉の引き下げや対外責務の増加を拒んできた。1985年にキューバは、中南米の責務危機についての会議を開き、代表らが責務国と債権国の関係の再構築を呼びかけたが、無駄に終わった。そしていま、キューバと違い、IMF の様な国際的な金融機関に所属しているにも拘らず、ベネズエラはこの財務束縛に抵抗する協力者になった。

ワシントンが押し付けようとしている、米州自由貿易地域〔あるいは米州自由貿易圏:FTAA〕に譲歩する替わりに、ベネズエラとキューバは米州ボリバル代替統合構想(ALBA)〔Bolivarian Alternative for the Americas〕――ベネズエラ出身のシモン・ボリバル〔Simon Bolivar〕とキューバ出身のホセ・マルティ〔Jose Marti〕の事業の、21世紀における継続としての、中南米諸国の統合という努力――に着手した。〔2004年〕12月14日、フィデル・カストロ大統領とウゴ・チャベス大統領は、「両国の社会的、経済的な必要性に最も一致する、物資と奉仕の交換」を含めた、「統合過程に向けた」広範囲に及ぶ協定に調印した〔この調印については下記のサイトの項目7)参照〕。

ひとつの事例は識字能力だ。「両国は互いに協力し、また他の中南米諸国と連携して、発展途上国〔原文はthird countries〕における文盲を撲滅する」(第5条)。「Si se puede」(はい、出来ます〔Yes I can〕)として知られるキューバの教育方法は、ベネズエラにおける識字能力を急速に高めていて、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、モザンビーク、ニュージーランド、ニカラグア、ナイジェリア、そしてペルーを含んだ他の諸国でも既に用いられている。ジョージ・ブッシュが世界にもたらしたいと主張している、民主主義を生み出すことに、これ以上貢献するものがあるだろうか? 真の民主主義に必須の識字能力の拡大を、ワシントンは反対するべきなのだろうか?

「発展途上国における文盲を撲滅する」目標は、ブッシュ政権に恐怖を与える。昨年10月に行われたあのインタビューで、ライスはウゴ・チャベスを止める「鍵」となるのは、「彼を監視し、彼に警戒し、彼に圧力をかけるため、あの地域に総動員すること」だ、と述べた。「私たち単独ではできない...だが、OAS(米州機構〔Organization of American States〕)」は多くを行える」と彼女は説明した。11月20日、ライスの国務省への道が開けた事をうけて、ワシントン・ポスト紙は「ベネズエラに気を付けろ〔Watch Venezuela〕」と題した社説で、チャベスを孤立させるライスの計画は「賢い政策だろう」と助言を与えた。

しかし、時すでに遅し。12月に、ベネズエラは、所属国の間に自由貿易区域を構築する目的をもつ、南米連合〔South American Union〕(または南米国家共同体〔South American Community of Nations〕)創設を活気付けた。そのメンバーは、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、とベネズエラである。この統合の主要な表象は、中南米のことを中南米から放送するテレビ放送網、テレスル〔Telesur〕である。

1月に新しい職に就いたライス国務長官は、自身の計画に忠実に、この統合を破壊することにすぐに着手した。国務省は、ベネズエラ・コロンビア間の論争において、中南米の指導者達をチャベスに対抗するよう総動員するために、彼らに書簡を送った。誰もこの国務省の呼びかけに回答しなかった。米国の圧力はまったく助けにならないことを証明し、対立を悪化させた。アルバロ・ウリベ〔Alvaro Uribe〕・コロンビア大統領が協力を要請したのは、他でもないフィデル・カストロだった。カストロはフェリペ・ペレス・ロケ〔Felipe Perez Roque〕外務大臣をカラカスに送った。ブラジルとペルーも仲介にでた。しかしウリベが公に述べたように、カラカスでウリベがチャベスと会談した時、平和裏な結果を最終的に決定付けたのは、カストロの協力だった。皮肉にも、首尾よく仲介することができたキューバは、ピッグス湾〔the Bay of Pigs〕に続く、キューバ政権転覆の別の試みである、マングース作戦〔Operation Mongoose〕の過程で、中南米諸国をキューバに対抗させるワシントンの総動員の一環として、1962年に追放されて以来、OASのメンバーですらない。

ブッシュ政権高官とメディアはウゴ・チャベスとフィデル・カストロに対する攻撃を拡大した。1月18−19日の上院の公聴会における冒頭陳述で、ライスはキューバを「圧政国家〔outpost of tyranny〕」と呼んだ。キューバが国務省のテロリスト国家の名簿に依然として載っているにもかかわらず、「テロ国家」というレッテルは、その恐怖を誘発する効果を失っているのかもしれない。誰一人としてキューバがテロの脅威だということを、理性的に解釈することはできないだろう、特にキューバの医療制度が細菌テロの遮蔽であるという、ジョン・ボルトン〔John Bolton〕の2002年の主張が、完全に覆された後には。ということで、国務省はもっともらしい専門語として「圧制」を使っている。なぜならフィデル・カストロは米国が承認する種類の選挙、1901年に米国占領下――1月のイラク選挙に相当する――で行われたような選挙で選任されていないのだから。

カストロが議会選に立候補していた1952年に、ワシントンが選挙を中止させ、憲法の停止をさせ、フルヘンシオ・バティスタ〔Fulgencio Batista〕将軍の独裁政権を就任させることとなるクーデターを支援した事などは、どうでもいいのだ。1996年のヘルムズ・バートン法〔Helms-Burton Law:正式名称はキューバ解放と民主連帯法(the Cuban Liberty and Democratic Solidarity Act)〕によって、フィデル・カストロ(と彼の弟ラウル)がキューバの選挙に立候補することは、米国では認められていない事などは、どうでもいいのだ。

ウゴ・チャベスは1998年に選任され、2000年(ブッシュが連邦最高裁判所によって選任されたのと同じ年)に59.5パーセントの票を受け再当選した。2002年には、ワシントンに支援され、米国メディア、特にニューヨーク・タイムズ〔New York Times〕、が喝采を浴びせたクーデターの2日後に、彼は民衆の手で権力に復帰させられた。2004年には、チャベスは、ジミー・カーター〔Jimmy Carter〕元大統領を含めた国際監視団に監視された信任投票に勝利した。ところが、上院の公聴会で、OASに「民主的に選任されていたとしても、民主的に統治しない指導者」の責任を問うよう望むと発言した時、ライスは選任されたベネズエラ政府を公然と脅迫した。

米国による選任された政府の転覆は、少し例を挙げれば、ブラジル、チリ、ドミニカ共和国、そしてハイチ等において示された様に、別に目新しいことではない。現在ベネズエラは土地改革を実行に移しており、〔それは〕1954年のCIAによるグアテマラの選任された政府転覆を引き起こした問題そのものである。タイミングよく、上院情報委員会〔Senate Intelligence Committee〕における2月16日の証言で、ポーター・ゴス〔Porter Goss〕CIA長官は、「カストロの支援の下、反体制派を標的にし、あの地域で干渉するため、チャベスは厳密に言えば合法的な戦術を使い、彼の権力を強化している」という理由で、ベネズエラを「2005年の潜在的な一触即発地帯」に挙げた。

米国の他の「政権転換〔regime change〕」の方式は、暗殺であり、これは、ほんのつかの間、数人の連邦儀会議員があえて、米国対外及び国内政策のいくつかの殺人的な行いを正すため試みた、ベトナム戦争後の、1975年の上院特別情報委員会〔Senate Select Intelligence Committee:チャーチ委員会〕の公聴会によって記録されている。言うまでもなく、フィデル・カストロは頻繁に標的となった。2月23日のOASに対する辛らつな演説で、ベネズエラのアリ・ロドリゲス〔Ali Rodriguez〕外相は言った。

「私たちの政府に対する非難の馬鹿らしさは、私たちを当惑させないだろう、もし、そのような主張がなされた時には、遅かれ早かれ、攻撃が続くと立証するおびただしい事実がなければ...それはアジェンデ〔Allende:1970−1973チリ大統領〕に起き、それはドミニカ共和国で起き、それはグアテマラと他の数え切れない事例で起きた事だ。同じ理由により、私たちは諜報機関からの、大統領――ベネズエラの民衆の注視の的になる度に正当化されてきたのと同じ人――の殺害に関する情報を聞き流すわけにはいかない。」

ロドリゲスは米州機構憲章〔OAS Charter〕の第1条に、OASは「当憲章によって明白に与えられた以外には権限を持たず、当憲章のいかなる条項も加盟国の内政法域に入る事柄に干渉する権限を与えるものではない」と記されている事に言及した。

彼は、十分に敬意を表しながら、OAS加盟国に対し、ベネズエラは「民主主義の基本的構成要素として、社会的公正の必要性を強調」したいと述べた。外相は「変えられない現実として貧困を持つ、ベネズエラのような国における民主主義は、国の大多数に参加する機会を与えることに懸かっている。貧困に打ち勝つことが、政府の第一の存在理由となるのです。」

貧困に打ち勝つことを、第一の存在理由とみなす政府を持つことを、心に描いてみるといい。キューバが私たちの国防に対する脅威でないのが明白な今、なぜワシントンはキューバに対抗するのか? と人々は度々聞く。ライスはキューバを「圧制国家」と呼ぶが、真の理由はキューバが、すがる思いで保健と教育を必要とする、世界中の人々に模範を示すからである。フィデル・カストロは人々に「保健医療費は自分で払わなければならない」と言うことを拒む。そして今、キューバと協力して、ウゴ・チャベスがベネズエラで模範を実行に移し始めた。

キューバの医師達が世界に違いをもたらしている今、私たちの時代の大難問――世界中にいる、保健医療も識字力も持たない数百万の人々――に対処する気のない人々の間に、キューバの模範に対する危惧が増大している。ウォールストリート・ジャーナル〔The Wall Street Journal〕の先任論説欄記者であり、カストロとチャベス両者に対する声高な反対者の一人である、メリー・アナスタシア・オグラディー〔Mary Anastasia O'Grady〕は、2月18日のホンジュラスからのコラムで、1988年にハリケーン・ミッチが、既に貧困に苦しめられていた国に大惨事をもたらした時、キューバは350人の医師をホンジュラスに派遣した、と報じた。オグラディーはキューバの医師達がホンジュラスの人々の面倒を見るために残り、600人のホンジュラスの人々が、帰国した時に治療を供給する為に、キューバで医学を学んでいるのではないか、と心配している。オグラディーはキューバの医師らを、「柔らかな洗脳、最近ベネズエラで起きたような、政治的機会が訪れた時に、準備が出来ているようにする為の、一種の貧しい地方の土地の耕し、の潜在能力を」持つ「フィデルの歩兵」と呼ぶ。良識のある人間には、キューバの保健医療を提供する能力と、保健医療を提供する為にキューバと協力するベネズエラの熱心さは、別の潜在性を提供する。利己的でない協力という人間の潜在能力を。

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