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7月25日―メディアを創る
NHKの番組変更騒動の真相が明らかになってきた
今年1月12日付の朝日新聞が、「NHKが、政治家の圧力で、旧日本軍の従軍慰安婦を扱った特集番組の内容を変更した」と報じて大騒ぎになった。この騒動は、安倍、中川両議員によるNHKへの政治介入があったかどうかという本来の問題が、NHKと朝日新聞のどちらの言い分が正しいかという泥仕合にすり替えられ、曖昧なままに忘れ去られていった。
それから半年、最近の新聞で二つの興味深い記事を見つけた。その一つは、7月22日付の毎日新聞が報じる、東京高裁に提出されたNHK幹部の陳述書についての記事である。すなわち、この番組の制作に協力した市民団体「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」は、「政治家の圧力で内容が改変された」と、NHKなどに損害賠償の訴訟を起こしていたのであるが、その控訴審で、NHK幹部5人が東京高裁に陳述書を提出していたのだ。
毎日新聞が報じるこれら幹部の陳述書は生々しい。伊東律子元番組制作局長の陳述書では、海老沢前会長秘書から電話で呼ばれた伊東元部長が、「なんだか騒がしいようだな。この問題はいろいろな意見があるからな。なにしろ慎重にお願いしますよ」と海老沢会長に言われ、「ご迷惑をかけて申し訳なく思っています。現場も慎重に扱っています」と答えていることが明らかにされている。そして伊東局長はその直後、海老沢会長と話したことを松尾武元放送総局長に伝え、番組内容を松尾局長と話し合った結果、元慰安婦の証言シーン削除などを決めて部下に指示したという。
一方国会対策などを担当していた野島直樹元総合企画室担当局長の陳述書はこうだ。NHKは毎年NHK予算が国会に提出される前後の1、2月ごろ、与野党の衆参議員のうち総務委員会や放送通信関係部会に所属する約450人に個別に予算や事業計画を説明するのであるが、その際本件について、「NHKが女性国際戦犯法廷を番組で特集する話を聞いているが、どうなっているのか」、「予算説明の際は必ず話題にされるから、きちんと説明できるように用意しておいたほうがいい」などと古屋圭司衆院議員などから言われたという。そのため、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」事務局長を務めていた安倍晋三自民党幹事長代理へ松尾局長とともに説明に行ったと認めている。
もう一つの記事は、25日付の朝日新聞の記事である。朝日新聞は、「読者の皆様へ」と呼びかけて、「・・・読者の様々なご指摘を受け止め、取材についても検討を続けてきました。(事件)発端の報道から半年を経たのを機に、番組改変問題とその取材過程について、改めてご報告します」と、新聞の2ページを割いて詳細に記述したのだ。この中で朝日新聞は、中川議員と松尾局長は放送前に面会したのか、中川、安倍両議員は松尾局長を呼び出したのか、朝日の取材は結論ありきの強引な誘導だったのか、松尾局長と朝日の記者は取材記事に関する調整の話をしたのか、などの点について、検証している。
これらの記事からNHKが政治的意図をもって番組内容を変更した事は明らかになった。問題はそれが政治的圧力によるものかどうかである。
NHKは直ちに、「新事実の提示がない。政治家の圧力による番組変更の構図がより明確になったとする朝日の主張は理解できない」と応じた。
圧力をかけたと安倍、中川議員が認めるはずは無い。NHKがいまさら圧力を受けて変更したと認めるはずは無い。何が圧力なのかは当事者の心象の問題であるからどうとでも言える。だからこの話はいつまでたっても平行線である。
しかしこの二つの記事は、常識のある一般国民から見たら、政治家の意向に沿う形でNHKが番組を変えたことを明らかにしているのである。そもそも国会で毎年予算を通してもらうNHKである。そのために毎年政治家一人一人に説明をいっていることを認めているNHKである。それだけでもNHKは中立性をとっくに捨て去っていると言える。
その際に政治家の中に注文をつけるものがいたとすればどうだ。その注文を聞き入れないと面倒なことになるから聞き入れる。これは官僚経験のある私がすべての官僚の習性として目撃してきたことだ。官僚が政治家の圧力を受け入れるのにNHKの職員が受け入れない筈はない。NHKは安倍、中川の意向を汲み取って番組を変えたのである。
サマワは大丈夫か
よりによってイラクでもっとも安全な地域を選び、あらゆる防備を尽くし、危ない行動を控え、おまけに地元住民やオランダ、英国、豪州の軍隊に守ってもらい、やることといえば資金をふんだんに使って地元住民の歓心を買うようなサッカー遊びや盆踊り。これでどうしてわが自衛隊が危険な目にあうというのだ。私はサマワの自衛隊が被害を受けることはないと思ってきた。いまでもそう思う。一般の受け止め方と違って、私はサマワの自衛隊に犠牲者がでれば、「その犠牲を無駄にするな」と号令をかけてますます小泉首相が強硬な政策を取るということにはならず、必ず小泉首相は責任を取らねばならなくなると思っている。小泉首相もそう思っているに違いない。だからこそ、安全に万全を期すように指示しているのだ。
しかしここに来てサマワがきな臭くなってきた。それはロケット弾が頻繁に打ち込まれたり、走行中の自衛隊の車列が被害にあったというだけではない。サマワの日本友好協会のアンマル・ヒデル会長が、「日本人との付き合いを止めなければ殺す」と脅迫を受けたため日本友好協会を解散したという記事を24日の東京新聞で知ったからだ。
26日の日刊ゲンダイは悪化するサマワの反日感情をもっとリアルに報じている。「22日には日本友好協会会長のアンマル・ヒデル氏の経営する宝飾店にデモ隊が90人押しかけ、『日本に心を売った裏切り者』と脅かされる騒ぎもあった」のだ。ヒデル氏は、自衛隊との交流行事を開催して市民とともに宿営地を頻繁に訪問していたという。おそらく日本政府から手当てが支給されていたのであろう。宣伝塔、広報マンの役割をさせられていたのだ。しかしその彼が、『無理やり子供たちを自衛隊の前で躍らせている』と批判されていたという。自衛隊の都合の為に、金をえさにイラク人を手なずけ、その結果イラク人同士を離反させることにさせたとしたら、日本政府の罪は深い。そう思っていたら、24日の深夜、そのヒデル氏の経営する宝飾店が爆破されたという事を知った(25日産経新聞夕刊)。
イラクの自衛隊は復興援助どころか、サマワに災いをもたらしているのだ。その自衛隊もいよいよ危なくなってきたと私は思い始めてきた。
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