★阿修羅♪ > 戦争72 > 627.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
日米世論調査 米への懸念がにじむ
'05/7/25
日本国民の過半数が、米国政府は「信頼できない」と不信感を示している−共同通信社とAP通信社による日米合同世論調査の結果で、ブッシュ政権の「一国主義」的な外交・安全保障戦略への懸念が、にじみ出た。イラク問題などで米国への追随を強めてきた小泉政権とは対照的な「意思表明」である。
調査は今月初めに行われ、米国政府を「信頼できない」とする回答が52%を占めた。イラクのクウェート侵攻を機に始まった湾岸戦争直後の一九九一年の同種調査と比べると対米不信感は26ポイント高い。
米、英軍によるイラク先制攻撃と、その根拠にしたイラクが大量破壊兵器を保持しているとの主張に作為があった点が影響している。ブッシュ政権が、しゃにむに進めてきた強大な武力を背景に世界をコントロールしようとする「一国主義」的な外交・安保戦略への異議である。
それはイラクへの自衛隊派遣などを進めた小泉政権にはね返る。不信派では小泉政権の対応について「全く支持しない」「あまり支持しない」の合計が66%に達する。
加えてブッシュ政権は、対テロ戦争などへの備えとして小型核兵器の開発、使用もちゅうちょしない構えを示している。このままいけば、世界はいったいどうなるのか。「破滅」への懸念が、日本国民の間に強まっているとしても不思議でないだろう。
「米政府に不信感」と答えた人たちの内訳が興味深い。男女別にみると男性48%に対して女性は56%にもなる。年代別では、最も不信感が強いのは二十代で若者ほど強いようだ。中でも二十代女性は67%と三人に二人の割合だ。ただ不信感を持つ人たちの間でも、米国に親しみを感じている人が55%あった。
一方、米国民からみて日本政府を「信頼できる」と回答した人は59%。九一年の同種調査の53%を上回った。また全年代で信頼派が多数で、日本への親近感は高い。牛肉問題を除けば日米間に大きな経済的対立がなく、対日感情は良好とみていいだろう。
両国民の多くは、互いに親しみを感じている。にもかかわらず、日本で米政府への嫌悪感が広がっているのは不幸なことだ。小泉政権がパートナーとしてブッシュ政権に平和的安全保障への助言、意見を怠った結果と受け止めることもできよう。
今回の調査では、核兵器による先制攻撃について日本国民は82%が「将来も正当化されるようになるとは思わない」と回答。米国民も69%がそう答えた。
「ブッシュの戦略」は明確に否定されている。両国民がいわば草の根から政府に申し立てていくこと、特に日本側から強めていくことによる平和再構築の道は、閉ざされていないと思う。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200507250046.html