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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050725k0000m030091000c.html
23日に判明した英警察官によるブラジル人誤射事件。英警察当局が一般市民を誤って射殺する大失態を引き起こした背景には、厳重な警戒を尻目に2度目のテロを許したことで、市民の不安を一刻も早く解消しようとした焦りがあったようだ。あいまいな情報のまま危急の対応を迫られる対テロ捜査の困難さも象徴する。【ロンドン山科武司】
7日のテロ発生直後、ブレア首相をはじめ捜査当局は、テロを予兆する「情報はなかった」と強調した。だが、その後に情報機関などの「合同テロ対策センター」が事件1カ月前にテロの危険性を指摘するリポートを提出していたことが判明。判断ミスが指摘された。
捜査でも拙速が目立った。7日のテロ実行グループの拠点・英中部リーズに住んでいたエジプト人化学者を「爆発物製造に関与した」と身柄拘束に動いた。容疑者の携帯電話に化学者の自宅電話番号があったからだ。しかし、英国では原則、個人ではなく住家に番号が与えられる。登録されていた番号は、化学者が住む以前の人物の名前で、化学者は事件と無関係だった。
7日のテロ後、捜査当局は連日、駅や停留所に警察官を配備し爆薬を探る「探知犬」も動員した。それでも2回目のテロを許した。英捜査当局と情報機関の幹部はテロに関する「情報が不足していた」ことを認めた。
22日にテロ容疑者と間違われ誤射されたブラジル人のジメネゼスさん(27)の場合、21日のテロの遺留品にあった住所録で判明した住所のアパートを警察官らが張り込み、外出したジメネゼスさんを追跡した。英スカイテレビは「住所が誤っていた可能性がある」と指摘した。近くに住むアームステッドさん(65)は「捜査官は地域に住まず、市民の顔を知らないから情報を得にくい」と言う。
英捜査当局は、自爆テロ犯が爆発物を起爆させようとした時など「危険が迫った」時はテロ犯を即時に射殺する方針で、誤射事件を起こした特殊銃撃部隊員らもそれに従った形だ。
しかし追跡中にジメネゼスさんが路線バスに乗るのは容認したとされ、なぜバス乗車前に捕捉しなかったのか対応の遅れが問題となりそうだ。
特殊銃撃部隊員が私服だったことが悲劇を招いた可能性もある。隊員らはTシャツにジーンズの「ぶっきらぼうな若者姿」(タイムズ紙)で、ジメネゼスさんは、急に銃を取り出した不審な男たちをギャング団と間違えたかもしれない。
毎日新聞 2005年7月24日 21時52分