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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050725k0000m030089000c.html
【ロンドン山科武司】ロンドン警視庁は23日、21日のテロ事件に絡み誤って射殺された男性がブラジル人電気技師(27)だと発表した。同庁は謝罪したものの、自爆テロ犯を射殺する方針は維持すると表明した。今後のテロ事件捜査やテロ再発防止策への影響は避けられそうにない状況だ。
男性は3年前から合法的に英国に住むジェアンシャルレス・ジメネゼスさん。同庁などによると、特殊部隊員が22日午前9時過ぎ、テロ事件に絡んで監視中だったロンドン南方のアパートから出てきたジメネゼスさんの尾行を始め、路線バス乗車後も追跡した。
午前10時前にバスから地下鉄ストックウェル駅に向かったジメネゼスさんに職務質問しようとしたところ、ジメネゼスさんが突然走り出した。隊員3人が追いかけ、地下鉄車両に逃げ込んだジメネゼスさんの頭部を5回撃った。
ブレア警視総監は24日「すべての責任がある」と謝罪する一方、部隊員を「瞬時に難しい判断を下した」と擁護。自爆テロ犯の疑いがある人物を射殺する方針は「正しい」と述べた。テロ実行犯4人について「海外に出たと信じる理由はない」と、国内潜伏中との見方を示した。
ブラジルのアモリン外相は「国民は事件に衝撃を受けた」とストロー英外相に調査を求めており、外交問題に発展する可能性もある。
24日付英オブザーバー紙などは二つのテロ事件の実行犯グループが、英ウェールズ地方の急流下りツアーで接触した可能性があると報じた。21日のテロ現場に残されたリュックサックにツアーへの参加記録があった。7日のテロ実行犯とされる人物も参加していた。 ◇「英政府のミスの犠牲になった」…いとこのペレデイラさん
【ロンドン小松浩、藤好陽太郎】殺されたジメネゼスさん(27)はリオデジャネイロの北の町出身。3年前から電気技師としてロンドンに住んでいた。友人も多く陽気な人だったという。
一緒に住むいとこのペレデイラさんは「彼は警察に追われるようなことは何もしていない。謝罪だけでは不十分だ。彼は英政府のミスの犠牲になった」と怒り心頭の表情だった。英ミラー紙によると、ジメネゼスさんは友人と追いかけごっこをしていて、私服警官の追跡をその一部と間違ったのではないか、との親族の見方を伝えた。
英語が堪能で、警察の指示が理解できなかった可能性はない。厚着をしていて爆発物所持を疑われたことにも、知人は「ロンドンの気候は急に冷え込むことがある」と話す。21日の2度目のテロの時、一緒にいた友人はBBCに「地下鉄が混乱するからオートバイを買おうかな、と彼は話していた」と語る。
ロンドンに来る前は銃撃事件が多いサンパウロのスラム(貧困地区)に住んでいたことから、銃に過剰に反応したのではとの声もある。
射殺される直前のジメネゼスさんを地下鉄車内で目撃した女性、クリストさん(26)は「彼は何度も止まれと警告されたのに止まらなかった」と証言する。「自爆テロだったらどうするのか。撃たれてもしようがなかったのでは」と話した。
毎日新聞 2005年7月24日 21時48分 (最終更新時間 7月25日 0時29分)