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『亜空間通信』1059号(2005/07/22)
【ロンドン爆発の暴力的悪循環を諭し欧米政治学の祖マキァウェルリ「流血を見ず」変革の事例考察】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
7月7日の七夕に縁起でもないロンドン爆発事件が発生し、またもや暴力的傾向の悪循環が続いている。
私は、季刊『真相の深層』で、かねてからの構想、『カール・マスクスの大罪』の連載をはじめたが、その掲載誌、季刊『真相の深層』05夏6号の冒頭の舌代には、「9.11事件以後の暴力の連鎖を見るにつけ、暴力革命の思想的な武器、その反動としての暴力支配の口実を提供する『カール・マスクスの大罪』への批判の重要性は、ますますます明らかになってきた」と記した。
今また、ロンドン爆発事件が発生し、この想いは、ますます募る。批判の理論的な根拠としては、5世紀前のマキァウェルリに見習って、古今東西の実例を比較検討しなければならない。奇しくも私は、9.11事件の3ヶ月前に、以下の日記風の文章を記していたのである。
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/turedure-1-6.html
随時追加「編集長日記風」
木村愛二の生活と意見
2001年6月分
6.20.(水)
ヨーロッパでは政治学の祖とされるマキァウェルリは「流血を見ず」に変革の事例を考察
[中略]
いわゆる「世直し」の歴史について、ヨーロッパでは政治学の祖とされる500年前のマキァウェルリは、『ティトゥス・リーウィス初篇10巻論叢』第3巻の中に、非常に短い「第7章」を設け、「自由から隷属状態へ、また隷属状態から自由へと変革するに当って、あるときは流血を見ず、あるときはその苦しみを受けるというのは、どうしてそうなるものなのか」を、実例を挙げて考察している。同書の日本語訳には、岩波文庫の『ローマ史論』と中央公論刊、『世界の名著』所収「政略論」がある。
要点を言うと、「危害を加えて」変革した場合には、「敵討ちをするのは理の当然」であり、「国民全体の合意によって成立した」場合には、政体が変わっても流血を見ないということである。
このマキァウェルリの考察以後に、王の首を刎ねた革命には、イギリスの清教徒革命、フランス革命、ロシア革命があり、いずれも血みどろの崩壊の道を辿った。中国革命では、日本が偽満州の傀儡に利用した元・皇帝を殺さなかったので、少しは、 裸の猿の歴史が、穏やかになるかもしれない。
[中略]
私が直接読んだカール・マルクスの文章の中には、マキァウェルリは出てこなかった。旧ソ連が崩壊した直後、当時は私も加盟し、企画部員とか運営委員とかをやっていた日本ジャーナリスト会議 (JCA) が、いわゆる社会主義に関する連続の市民集会を開いたので、そこに出てきた「マルクス経済学」の教授に、この二人の関係を質問した。
ところが、その教授は、まるで、この関係を知らなかった。質問と意見交換の時間だったので、参加者が答えてくれて、どうやら、マルクスの書簡集の中に、言及があるらしいことが分かった。
ヨーロッパの政治学と経済学の関係など、もっと広い視野からの見直しが必要であろうが、少年老い易く学成り難し。
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だが、果たして、裸の猿の暴力的な闘争本能の抑制が、理性的な研究で成し遂げられるものかどうか、甚だ疑問とするところである。
以上。
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