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恐怖を煽り、「イスラム」を悪魔化し、警察力強化を叫ぶ英国各紙
(写真は爆破された?バスの内部・・・らしい)
http://images.thetimes.co.uk/TGD/picture/0,,215591,00.jpg
少々量が多くなりますので、各新聞の内容はそれぞれのUrlから入ってお読みください。
7月22日付の英国タイムズ紙は下記の記事を掲載しています。
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http://www.timesonline.co.uk/article/0,,22989-1704073,00.html
'It was like a ghost town, just a 26 bus, nothing else'
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この中で、「爆破された?」26番のバスが緊急停車した場所の向かいに住んでいる男性の「恐怖の証言」が書かれています。一部を訳します。
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「まるでゴーストタウンだった。26番のバス以外、何も無かった」
【前略】
彼はその地域から逃げることができると考えて急いで服を着た。しかしアパートの建物から離れようとしたときに、一人の同じアパートの住人が、警察が、みんな窓から離れてできる限りアパートの裏側に回りアパートから離れてはいけない、と言ったと彼に語った。
『私は「どうして警察は私にそれを言わなかったんだろう」と考えていました。そしてすぐにいくつかの棚を窓のところに立てかけ道に面するすべての部屋のドアを閉めました。私は別の窓から外をのぞきバスの上階座席の後ろ側にリュックサックがあるのを見ました。何かの物体が、ちょうどパッドを入れた封筒から出た詰め物のように、リュックの外に飛び出していました。
私はそれが小さな爆弾なのかそれとも私のアパートを吹き飛ばす大きな爆弾なのか、あるいはひょっとして何かの危険な化学物質を吐き出す汚い爆弾なのか、全く解りませんでした。私は怖くなり、心を落ち着かせようと思って何人かの住人たちと話をするために部屋から出ました。そこには引きつったような笑いであふれていました。』
【後略】
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イヤー、なかなか盛り上げてくれますねぇ。そりゃ確かに怖いよ。スペインでもETAのテロで、私が住むところから2,3キロ離れた私がしょっちゅううろつく場所で爆破でビルの窓ガラスがムチャクチャに壊れたとか警察官が銃殺されたとか、いろいろありました。15年程前にはバルセロナの中心街にあるデパートが爆破されて客が多数死んでいますし、「スペイン名物テロリスト!テロが怖くてスペインに住んでられるか!」と強く出たいところですが、やっぱりイヤですよ。でもその恐怖感が導く先のことを考えるともっと怖い。狼だ!の声に追い立てられてトラの口に入っていくみたいなものだ。
また次のBBCニュースでは、
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http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4705933.stm
Urgent hunt for London attackers
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ロンドン市警察のイアン・ブレア卿の次の言葉が記事の横に目立つ形で引用されています。
『明らかにその意図は殺すことであったに違いない。あなた方はこれを他の意図と取り違えてはならない。』
言うこと無しでしょう。
この記事によると、爆弾はもっと大きかったのだが、起爆装置だけが働いて爆破にまで至らなかった、ということです。4つともかい?? 素敵なオトギバナシもあったもんだ!!
で、7月22日付ガーディアンの解説記事ですが、
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http://www.guardian.co.uk/attackonlondon/comment/story/0,16141,1534014,00.html
Comment:In the name of God
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『神の名において』ときました。これには次のような副題が付いています、
『ブレアはなだめて言い紛らした。死のカルトが再び攻撃した今、彼は公衆の生活から宗教を追い出さなければならない。』
この記事はイスラムだけでなく、キリスト教、ユダヤ教、シーク教などの狂信的なグループについて「平等に」危険なものとして告発しています。また確かにこの記事の中身をよく読むと、穏健なグループについてはもちろん非難していませんが、記事作者であるPolly Toynbeeは市民社会における啓蒙主義的な価値感(Enlightenment values)の擁護を訴えているように思えます。(「啓蒙主義」というと日本人には少々わかりにくいでしょうが、こんな訳を作ったものが悪いんで、宗教を否定し理性の光で物事を判断する主義、ということです。)しかしこんな事件の後で、今まで散々「イスラム・テロ!」「アルカイダ!」「自爆攻撃!」の流れが作られた後で、しかも多くの人々は題名と副題くらい、せいぜい第1段落くらいしか読みませんから、連想ゲームで即座に「イスラム」が脳裏に浮かぶでしょうね。そしてブレアに「市民社会から宗教を追い出せ」を迫る、ということは、現在英国で最も集団として宗教が浸透しているグループがイスラム教徒であることが明らかですから、もうこの副題の『死のカルト』が直接に何をイメージさせようとしているか、は明白でしょう。
その上でガーディアンとタイムズは共に、警察が容疑者を逮捕するのにもっと大きな権力を必要としている、と書き立てています。特にガーディアンは、見出しの副題で、警察が容疑者の3ヶ月の留置とウエッブサイトへの捜索を必要としている、と大きく書いています。
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http://www.timesonline.co.uk/article/0,,22989-1703816,00.html
Police want more powers to detain terrorist suspects
http://www.guardian.co.uk/attackonlondon/story/0,16132,1533917,00.html
Police ask for tough new powers
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こうやって警察国家体制をまず英国に作り上げていこうとしているようです。もっともスペインではこのような警察体制はもっと進んでいます。何せフランコ時代の国家警察と国家警備隊(GC)が、ちょっと規則を変えただけで、ほとんど無傷で残っていますので。
先日来ブレアは盛んに「危険なイデオロギー」を強調しています。冷戦時代の「アカの危険なイデオロギー」に続く「テロの危険なイデオロギー」ですか。
(参照)
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/427.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 7 月 21 日 10:11:36
「対テロ世界戦争」のロードマップ【マドリッド・アジェンダ】(全文和訳)