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(回答先: イラクを放棄しそうなアメリカ 田中宇の国際ニュース解説 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 17 日 02:30:37)
イラク首相、イラン訪問 対米絡み、綱渡り外交
イラン・イラク・米国の三角関係
【カイロ=川上泰徳】イラクのジャファリ首相が16日、イランを訪問した。イラク首相の訪問は80年代のイラン・イラク戦争以来。ジャファリ首相にとっては、対米協調姿勢を示した6月下旬の訪米に匹敵する重要性を持つ。対立する米国とイランに挟まれての綱渡り外交の始まり、とも言える。
イラクではイランと関係が深いイスラム教シーア派主導の新政府が発足し、関係正常化は時間の問題と見られていた。
テヘランのイラク大使館は「首相が3日間滞在し、イラン側首脳と2国間関係について協議する」と明らかにした。イラクの深刻な電力不足への支援とともに、90年の湾岸危機の時にイラクからイランに避難した戦闘機や旅客機の返還問題も課題の一つという。
6月初めには、イラクのジバリ外相とドレイミ国防相がイランを訪問。AFP通信によると、ドレイミ国防相は「旧フセイン政権がイランに対してしたことへの許しを請うために来た」と語り、関係正常化を正面に掲げていた。
両国は昨年9月に外交関係を再開したが、当時のアラウィ前首相が1度イラン訪問を予定したものの結局実現せず、本格的な正常化はまだ進んでいない。ジャファリ首相も関係正常化を掲げて、「経済関係と治安協力」を中心課題とする。
イラクでは、ジャファリ首相が率いるダワ党やシーア派の最有力政党のイスラム革命最高評議会(SCIRI)が旧政権時代にイランから支援を受けてきた。両組織が主導する移行政府へのイランの影響力が強まることに対し、イラク国内には反発の声がある。6月下旬のイラン大統領選挙の際、アラウィ前首相が率いるイラク国民合意(INA)の幹部の一人は「イランには選挙や外交とは別の隠れた顔があり、表向きはイラクへの国内政治には介入しないと言っても、隠れた部分が、イラクに介入し、民主化をつぶそうとする」と警戒感を語った。
「隠れた顔」というのは、イランの宗教勢力が操る治安情報機関の動きのことだ。ダワ党やSCIRIが長年にわたって対イラク工作の手足だった、との不信感はイラクで根強い。イラク戦争後は「イランやその友好国であるシリアの情報機関が、米国によるイラクの戦後体制の構築を妨げるために、反米武装勢力を支援しているのでは」との見方も強まっている。
ジャファリ首相はブッシュ大統領との会見で、「いまは撤退の時ではない」と米軍の駐留延長を求める発言をした。一方で、治安維持もイランの協力なしには実現しない。米軍と協調しつつ、米国主導の世界秩序に反発するイランとも協力関係を探る、という難しい外交を強いられることになる。
http://www.asahi.com/paper/international.html