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07/03/2005
ブッシュ政権危機がまたひとつ:CIA工作員名の漏洩元はカール・ローブ
カール・ローブ大統領上級顧問は、国家機密漏洩で訴追される可能性がきわめて高くなった。
CIA工作員リーク事件---元米外交員ジョセフ・ウィルソンの妻、バレリー・プラムがCIA職員であることが米政府内の何者かによって3人のジャーナリスト(ボブ・ノヴァック、ジュディス・ミラー、マット・クーパー)に漏洩された国家機密漏洩事件---の裁判で、マット・クーパー記者の雇い主である米タイム社が、政府側の漏洩元(情報源)を記した取材メモを連邦大陪審に引き渡す事態となったが、早くもその真相が漏れ始めた。
以前から噂されていたとおり、ホワイトハウス側の漏洩元の1人は、カール・ローブ大統領上級顧問であった。MSNBCの政治アナリストであるローレンス・オドネル氏と、ニューズウィーク誌記者マイケル・イシコフ氏が、ローブが漏洩元の1人であることを確認したと報道されはじめている。
この工作員漏洩事件の捜査で最も奇妙だったのは、実際にCIA工作員名を記事に書いたボブ・ノヴァク(保守派の大物ジャーナリスト)が、今まで追求を免れていたことだった。しかしそのノヴァクも、裁判に出頭して情報源を明かす決心をしたとテレビで語っていた。ブッシュ政権ベッタリのノヴァクも、世論の批判に耐えられなかったというわけだ。
結局のところ、事件の全体像は、被害者の夫であるジョセフ・ウィルソン元駐ガボン米大使の語っていた内容を裏付けたことになる。つまり、イラクの大量破壊兵器情報の件で、ブッシュ政権が情報操作を行っていたと批判したウィルソン氏に復讐するために、大統領の側近カール・ローブが、ウィルソン夫人の身に危険が及ぶ可能性のある国家機密を友人のボブ・ノヴァックに漏らして、ブッシュ政権批判を封じようとしたわけだ。
クーパー記者の保護のためにタイム社が捜査側に取材メモを明かすという事態は、ローブとノヴァックにとって計算違いだったのかもしれない。二人の記者を収監して事件はお終い!というわけにはいかなくなったのだ。ホワイトハウス側の事件捜査に対する圧力が充分に効果を発揮しなかった理由は、おそらくワシントンの風向きが変わったせいだろう。つまり、カール・ローブは向かい風に向かって唾を吐いてしまったのである。
さて、カール・ローブが機密漏洩をした際、ブッシュ大統領はローブの行為を黙認したといわれている。ブッシュは自分への追求に怯えて、個人的に政府外の弁護士まで雇っているという。ブッシュ家お抱え弁護士ジェームズ・ベイカーはサウジ王家とのビジネスで忙しくて、落ち目になった親友の弁護までは手が回らない。そのサウジ王家も、王位継承をめぐり政変の兆しがある。(在米サウジ大使でブッシュ家の盟友、バンダル“ブッシュ”王子はすでに辞職し帰国すると発表している)焦るホワイトハウスは国民の目を逸らせるためにイランとの暗い過去を持ち出しているが、これもブッシュにとって得策ではない。ブッシュ父の絡むオクトーバーサプライズ事件とそれを発端とするイラン・コントラ事件に再び注目が集まってしまうからだ。
まさしく、ブッシュは泥沼にはまり込んでいる。