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が、やはりアメリカの真似に相違ない。「二頁増大ラディオ(その後の表記は「ラヂオ」)版の特設」に先駆けたことなどは、商売上手の自慢にはなっても、教養人からは見下されたものである。
好戦的な戦争報道は、最も積極的に奨励された。「売れる」からである。読売は、満州事変がはじまると、それまでは控えていた夕刊の発行に踏み切った。正力は、その決断に際して、めずらしく夜も寝られないほど悩んだというが、いかにも正力らしく、人員増なしの「読売魂」の強要による業務量倍加であった。拡大された紙面は、当然、「満蒙の権益を守れ」という好戦的な怒号で埋めつくされるようになった。もちろんそのころには、戦争協力報道は読売だけのことではなくなっていた。
正力以後、最初は社説もなおざりにされ、出たり出なかったりだった。象徴的な「社説」として注目すべきなのは、一九三一年(昭和6)一一月二六日からの常設で復活した時の最初のものである。
その社説の題は、しかも、まるで官報そのまま、「強く正しく国策を遂行せよ」であった。満州事変以後の日本を非難する国際世論への猛反撃である。「日本の権益は武力によってでも確保しなければならない」とし、「国際連盟の問題についても、日本の主張が通らなければ脱退もやむを得ない」という趣旨の主張であった。
翌年の一九三二年(昭和7)一二月一九日には、さらに進んで、おなじ趣旨の文章が、「満州国の独立」を支持する「共同宣言」に発展する。この「共同宣言」は、読売だけではなく、全国で一三二の新聞に掲載された。現在のガリヴァー広告代理店、「電通」の前身、「日本電報通信社」を筆頭とする大手メディア挙げての「共同宣言」である。この恐るべき大手メディアの共犯による罪状は、意外に世間に知られていないので、以下、全文を紹介しよう。ただし、漢字の一部は当用漢字に改め、当用漢字がないか現在通用しないものは、ひらがなに代える。
「共同宣言
満州の政治的安定は、極東の平和を維持する絶対の条件である。しかして満州国の独立とその健全なる発達とは、同地域を安定せしむる唯一最善の途である。東洋平和の保全を自己の崇高なる使命と信じ、かつそこに最大の利害を有する日本が、国民を挙げて満州国を支援するの決意をなしたことは、まことに理の当然といはねばならない。いな、ひとり日本のみならず、真に世界の平和を希求する文明諸国は、ひとしく満州国を承認し、かつその成長に協