★阿修羅♪ > 戦争71 > 594.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
6月27日―メディアを創る
彼らを苦しめているのは誰か
27日の朝日新聞、「水平線/地平線」において、北川学という記者が次のような記事を書いていた。
「北朝鮮を脱出して日本で暮らしていた平島筆子さん(66)が北朝鮮に戻ってから約2ヶ月。日本に70−80人いると見られている脱北者に深い動揺が広がっている・・・
『彼女を通じて私のことが当局に知れたらどうしよう。万が一、子供たちが処罰されたら・・・』。そう語るのは、平島さんと時々、近況を語り合っていた女性脱北者の金田さん(仮名)だ。お互いに北朝鮮に残してきた子供の事を話題にしては、『いつか会えるよ』と慰めあう仲だった・・・
北朝鮮に戻った平島さんが記者会見で『43年間暮らしてきた共和国(北朝鮮)が私の故郷です』と語ったと聞いた時、金田さんは直感した。『当局に言わされている』。『家族が待っている自分の家に帰るべきだ』と呼びかけたことを、『まるで北朝鮮の広告塔だ』とも思った・・・
今年3月、東京で生活保護を受けながら一人暮らしをしていた平島さんに、(私―筆者は)会ったことがある。『子供たちと日本で暮らせたら一番いいんですけどね』と目に涙を浮かべていた。『43年間を取り戻したい。もったいない人生でした』。その言葉にうそはなかったのではないか。今でもそう思う。
平島さんを知る男性の脱北者は言う。『北朝鮮は必ず脱北者を割り出し、家族を使って戻るよう説得にかかるだろう。第2、第3の平島さんが出てくるのは時間の問題だ』
拉致問題や核問題で日朝関係は行き詰まっている。脱北者たちの苦悩が晴れるのは一体いつのことだろうか。」
私はこの記事を読んでめまいを覚えるほどのやりきれなさを感じた。そして暑さの中で座り込みをするしか術のない拉致不明者の家族の絶望的な苦しみと悲しみに思いを馳せた。ここまで苦しめられている人々が目の前にいる。ここまで基本的人権を否定された人々が助けを求めて、この日本で生きている。それを我々は眺めているだけだ。
彼らを苦しめているのは誰か。もちろん北朝鮮政権だ。その政権に協力する朝鮮総連だ。しかし彼らの非道を許してきたのは誰なんだ。かつて北朝鮮を理想の国と崇め奉ったイデオロギー政党の政治家。政権維持に北朝鮮を利用した多くの保守政治家。その行き着く先の小泉首相。政治家に追従する官僚や警察。利権にうごめく者たち。拉致問題を娯楽番組の話題づくりの道