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レバノン総選挙、反シリアへ状況一変 中東民主化に影響
レバノン北部のトリポリで19日、Vサインを示すハリリ派の支持者=AP
レバノン総選挙(定数128)は19日の第4回投票の結果、2月に暗殺されたハリリ元首相の次男サード氏(35)が率いる反シリア連合が議会で単独過半数を制する可能性が強くなった。親シリア派が議会の3分の2を押さえていた選挙前と比べ、政治状況は一変する。変化を求めるレバノン国民の意思が選挙を通じて政治に反映されたことは、今後の中東民主化にも影響しそうだ。(カイロ=川上泰徳)
サード氏は選挙期間中、一貫して「変革」を訴えた。19日、北部の中心都市トリポリでの集会では「治安機関が国の運命を支配する体制を変革しようとする我々の戦いは、決戦を迎える」と演説した。
ハリリ派の躍進は、元首相の暗殺をきっかけに噴き出した「杉革命」と呼ばれる反シリア世論のうねりが、初めて現実政治の変化につながったことを意味する。
ただし、ハリリ派が主張するのは穏健な改革だ。サード氏は内戦からの復興を担った父の事業を受け継ぎ、経済を軸とした改革を進めると見られる。シリアとは「対等の協調関係の維持」を主張する。
一方、選挙直前に亡命先から帰国した反シリア強硬派の元国軍司令官ミシェル・アウン氏(70)が率いる勢力は、21議席を得た。イスラム教シーア派政党のヒズボラなど親シリア派も35議席を確保している。両派がハリリ派を間にはさんで、鋭く対立するだろう。
レバノン総選挙は、近隣の中東諸国の政治改革の歩みの遅さを浮き彫りにすることにもなった。
6月初めに開かれたシリアのバース党大会で、アサド大統領は多くの古参のメンバーを引退させ、新指導部を発足させた。だが、バース党一元支配を見直すような具体的な政治改革には踏み出さなかった。
アサド大統領は政治改革より経済改革を優先する方針を打ち出している。しかし、非民主的な政治体質は経済開放の足を引っ張る。隣国レバノンが今後、欧米とのパイプを太くしていけば、シリアは孤立化することにもなりかねない。
中東民主化の焦点として国際社会の注目を集めるエジプトは5月下旬、大統領選挙で複数候補を認める憲法改正をした。しかし、ムバラク大統領の政権与党が議会の9割以上を占める中、「立候補には250人の議員の推薦を必要」と規定するなど、実質的に対立候補を排除する内容だ。
国民の意思が議会に反映するレバノンとの違いが際だっている。
http://www.asahi.com/paper/international.html