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拉致家族を悪く言う人たちへ 天木
一言だけ言わせてください。
おそらくこれから述べる事は私のコラムを愛読している人たちと考え方が違うことになると思います。しかし私はこの考え方を堅持します。この私の考え方に賛同してくれる人こそ私をもっとも良く理解できる人です。
増元さんや拉致家族救済の人たちのことを悪く言う人がいます。それは間違いです。勿論拉致連絡会で活動をしている人たちの中にはさまざまな政治的思惑や背景を持った人たちがいるかもしれません。そんなことには私は関心はありません。拉致被害者の家族の人たちは真の犠牲者であり、我々日本国民は何があっても彼らを支援してあげるべきだということを言いたいのです。
彼らの言動が時として刺激的になるのは残念ですが、それとても私は理解します。それほど彼らには救いの手がないのです。いくら叫んでも小泉首相は保身の為に動きません。国民は冷淡です。しかし考えて見てください。もし自分の愛する家族があのような形で拉致されしかもここまで事実がハッキリしているのに何もできないなんて。私なら彼ら以上に激しく叫ぶでしょう。拉致事件の放置ほど非人道的なことはない。一つだけ残念な事は、彼らが経済制裁ばかりを求めていることです。経済制裁では問題の解決にはならないばかりか、国民の支持を失います。彼らが責めるべき相手は、もはやパフォーマンスは終わったといわんばかりに、拉致被害者救済にまったく冷淡になってしまっている小泉首相その人なのです。小泉首相が本当に拉致救済をかんがえているのいなら、心穏やかに毎日を過ごす事は出来ないはずです。あの男は最初から拉致救済など本気で取り組む考えはなかったのです。私は今すぐにでも拉致家族救済連絡会のメンバーになって色々と話したいという気持ちがありますが、これまで何もしてこなかった私がしゃしゃり出て何を今更と思われるのがオチでしょうからためらいがあります。しかし助言したいことは一杯です。
それからもう一つ、小泉訪朝で五人帰ってきたのはよかったとか、平壌宣言を評価するという事を言う人がいる。旧社会党や共産党とそれに近い人たちです。たとえカンサンジュなども盛んにそのような事を言っている。しかし私はまったくそうは思わない。訪朝がなければ5人すら帰ってこなかったし、国交正常化を進めることはいいことでしょう。しかしもし本当の意味で国交正常化を行おうとしているリーダーが日朝関係を進めていたならば、時間がかかったかもしれないが拉致問題も国交正常化も本来の形で解決する目処が立っていたに違いないと私は確信しています。小泉首相という政治家がそういう資格のない人間であることは靖国参拝で見られる如く明らかでしょう。むしろあのようないかさまな交渉で手を打とうとして失敗した為にどうしようも無くなってしまった。一刻も早く役者を変えて再出発しまければならないのです。
それから田中均が最近やたらにテレビに出るようになった。彼のお友達の田原総一郎に出してもらっているのでしょう。もうすぐ外務省を辞めてテレビに出て活躍する目論見が見え透いています。しかし彼がテレビの前でいくら平和やアジアの友好を強調してみたところでそれは言い訳にしか過ぎません。私は元同僚のあそこまで厚顔な振る舞いを見るにつけ憤りよりも悲しさを覚える。
それからもう一つ、この拉致問題に関連して在日韓国人の人権のことや日本の軍部による強制連行の話が持ち出されます。こういう事をいうから話がややこしくなるのです。人権や過去の責任は勿論大切な事です。しかしそれらはいずれも日本の為政者に投げかける責任であって、拉致家族には何の責任もありません。日本政府が過去を正しく清算してこなかったからこそ拉致という不幸な事が起こったのならばそれこそ日本政府は二重の意味で責任がある。拉致被害者もまたそのような日本政府の誤った政策の二重の意味での被害者であるわけです。
もっとも私は過去の日本政府の間違いと拉致問題を結びつけるつもりはありません。拉致はいかなる意味でも最も残酷な人権侵害でありいかなる理由であっても許されるものではない。それに様々な記録を読めば読むほど、金日成、金正日体制下の北朝鮮は悪い政権です。朝鮮総連が日本でどの様な事をしてきたか、事実を知れば知るほど許せない。要するにこの問題は戦後の外交史、政治史の負の遺産であり、与党、野党を含めた政治家、官僚などの利権や思惑や政治的駆け引きや不作為の罪の結果。ここまでもつれてしまった問題なのです。そしていつも切り捨てられるのは最も弱い立場の人間なのです。「10名やそこらの人間の為に国交正常化を進められなくてよいのか」という外務官僚の言葉にすべてが集約されています。
私がこの国の指導者であるのなら今すぐ金正日に会いに行き、国民の見ている前で拉致問題を解決する為にあらゆる話し合いをします。どうして解決できないのか、解決の為に何が欲しいのか、それを日本の国民の為に問いだ出します。飲める条件は何でも飲みます。しかし不合理な要求であればそれを公表し、どちらが正しいか世界に訴えます。
外交などというものは決して難しいものではない。国民に情報を公開し、国民と共に進めていけば怖いものは何も無い、相手もそれを一番恐れているのです。
残念ながら小泉首相や官僚はその逆を意識的に行っています。出来るだけ事実を隠し、自分たちだけ有利な立場に立ってごまかそうとしているのです。だからこそメディアの役割が重要なのです。
正しいことやっていればおのずと道は開かれます。
拉致家族の皆様に何の力にもなれないことを申し訳なく思います。経済制裁を叫ぶのではなく、小泉首相に解決を迫ること、小泉首相では解決できないから新たな指導者に仕切り直しをするよう求めること、これを拉致家族に伝えたいと思うのです。
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