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もう、十年近くまえの事ですが、かつて進駐軍にかなり協力していたことのある人から進駐軍の日本に対しての「犯罪」について聞かされたことがあります。
この人の名誉のために言っておきますと、彼は日本を裏切る目的や自分の利益の為に協力を考えて行動したのではないのです。戦前に米国に留学した体験があったので、占領下の日本の為に日米の橋渡しをして混乱と緊張を静める為に役立ちたいと考えての事でした。
彼の話によると、
進駐軍の米兵達は日本で大人しかった訳ではなく、放火とか色んな犯罪が多く起こされていたのだそうです。
しかし、それらの殆どを上手に日本国民に明らかにならないように隠していたそうなのです。彼は進駐軍の中に入っていたのですから話は確かでしょう。進駐軍はスマートに占領政策を展開していたのですね。
私の子供の頃の、米兵の起こした有名な事件に「ロームグリー三等兵事件」と言うものがありました。
これは、横浜または東京辺りで起きたものですが、走っている国電に向って歩哨に立っていた米兵が小銃を撃ったのです。弾は女学生に当たってしまい、彼女は死亡しました。
この事件は大きすぎて隠しようもなかったのでしょう。日本中で大きく報じられ大騒ぎとなりました。たしか米兵の母親も米国からやってきたと思います。
当時の日本国民は満州に侵攻して来たソ連軍の婦女暴行をはじめとする蛮行やシベリア抑留と言う「比較する対象」が一方に在った事が大きく作用したと思いますが、進駐軍に対し好感を持ってしまった人が多かったようです。
私の周りには、「米国は英国と並んで紳士の国だ。もしもソ連に占領されていたらとんでもない事になっていただろう。」と言っている人達がかなり居ました。
しかし、この感覚は果たして正しいものであったのでしょうか?
私は「シベリア抑留」についても米英のスターリンに対する黙認の存在も疑っているのです。ソ連の参戦で米軍は実は大いに助かっていた筈で、この参戦により日本全土を占領できた筈なのです。満州が無傷で残っていたなら、日本は満州と朝鮮半島で抵抗を続ける事になったでしょう。国府軍も中共軍も日本軍を駆逐する力はなかったのです。そうであれば、米軍が朝鮮半島とチャイナに上陸せざるを得ないのです。ソ連軍の侵攻は米軍にとっては大きな援軍だったのです。ソ連は当然のように対価としての戦利品を要求したのではないでしょうか。日本兵のシベリア抑留は戦利品だったのでしょう。この問題は日本とソ連の間だけの問題ではない筈です。
戦後の東西対立の中で、占領を経過した日本は共産圏の脅威から護ってくれるものとして在日米軍を捉え、この事からも在日米軍に対しての好意的感情が生まれたでしょう。ここからも米軍に対しては遠慮する姿勢が生まれたのだと思います。
「地位協定の見直し」の主張は日本国土は自衛隊だけで護りきるという姿勢と覚悟を持たなければ出来ないでしょう。日本の空も沖縄も自衛隊だけで護りきるから米軍は退いてくれと言えるだけの自信がなければなりません。
その為に平和憲法とその九条を変える必要は全くなく、変えたならば「自衛隊」ではなく「軍隊」になってしまいます。憲法と九条あっての海外派兵なき自衛隊なのです。憲法と九条があるから今でも「イラク派兵」とは政府は言えないのです。
日本は戦前の大陸への派兵という失敗を再度犯さない為に、九条を備えた現行憲法で歯止めをかけておかなければならないのです。
「日本を独立した主権国家、法治国家にしてみろ。」 その通りです。
殆どの右翼、保守主義者は実は「御用右翼」であり「御用保守主義者」に成り下がってしまっているのです。
これが戦前も今も変らない「視野の狭い、国際情勢の見えない、井の中の蛙」の姿なのです。
本土が戦場にならずにイラク・アフガニスタン・ベトナムのように徹底抗戦を経験せず「半熟卵の様な終戦」を経験したせいでしょうか、日本人には本当の事が見えにくいようです。しかし、国が荒れ果てるよりはこの方が幸福と見るべきでしょう。
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