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6月13日―メディアを創る
◇「非核」日本の名前が泣いている
先般のニューヨークでの核不拡散条約再検討会議における日本政府の対応を見ても明らかなように、唯一の被爆国が売り物の日本政府が掲げる核廃絶は、あまりにも偽善的である。米国が、実用化に向けて小型核兵器を開発しようとしているにもかかわらず、抗議の一言も無い。
そう思っていたら、もっと情けないことが起こっていた。核のない世界を願う国々から、日本が「被爆のリスク」をもたらす国として批判されていたのだ。
12日の朝日新聞、「水平線/地平線」はこう報告している。
・・・世界の4つの非核地帯条約に加盟する国が4月末にメキシコ市に集まった。地域内での核兵器製造や核実験を禁じ、足元から「核兵器のない世界」を広げていこうと取り組む国々の初の会合だ。地味だが大事な会議である。ひな壇には広島、長崎両市長の顔も見える。本来なら被爆国・日本が取り組むべき課題ではなかったのかーそう思いながら開会式を眺めていると、南太平洋の代表サモアの国連大使が挨拶に立った。出てきたのは、意外にも日本への批判を含む言葉だった。「放射性廃棄物船が私たちの海峡を通って日本と欧州間を往来している。そのリスクに我々は不安を抱いている」。同様の批判の声はフジーやカリブ諸国からも相次いだという。
日本の原発で出た使用済み核燃料が欧州で再処理され、その際に出る高レベル放射能廃棄物は日本に船で戻されて青森県六ヶ所村に陸揚げされる。その通り道にある国々は、美しい海が売り物の観光や豊かな漁場に依存して生きている。「万が一」の事故でも致命的な打撃になりかねないと恐れているのだ。しかも六ヶ所村に建設された再処理工場には、世界の反核団体や研究者から「核拡散につながる」として稼動に反対する声があがっている。
核のない世界を願う少なくとも一部の国々に、日本は「被爆のリスク」をもたらす国として映っている。「唯一の被爆国」という日本の自画像との間に、ズレが生まれている・・・
この記事は大きな問題提起をしていると思う。そういえば同じ12日の産経新聞に、日本政府は、「北朝鮮による平和利用目的の核開発も容認しない」方針を打ち出すことを決めたという記事が載っていた。日本政府の偽善ぶりもいよいよ米国並みになってきたということか。
◇米軍に支配される日本の空
11日の朝日新聞の小さな投書欄に目がとまった。それは「ニアミス米機、得られぬ記録」という見出しの、江戸川区在住渡邉力(60歳)さんの次のような投書である。
「私が機長を務めた日本航空ジャンボ機が03年11月に那覇空港に着陸する際、米軍のジェット戦闘機と異常に接近した。この問題で、私は『ニアミスでも検証には壁が』を投稿した(04年9月2日)。国土交通省は米軍から報告書の提出を受け(05年1月)、事故調査委員会がその内容を盛り込んだ報告書を5月に公表した。だが、報告書には極めて不満だ・・・米軍機については国土交通省航空局の航空路監視レーダーに基づく粗い記録しかなく、最接近時刻の前後50秒間は位置・高度データがない。米軍嘉手納基地の進入管制レーダーの記録があるはずなのに、利用されていない・・・(記録の提出を米側に求めたのかと国交省に質したが)調査官は「得られなかったということです」とだけ答えた。
航空安全のため米軍とも記録や情報を共有できる事故調査の実現を強く望む」
何故私がこの小さな投書に関心を持ったかというと、つい先日、大阪伊丹空港の航空関係者がつくる「憲法9条の会」で講演を行った時、その会を立ち上げた元機長の冒頭の言葉が強烈な印象として頭に残っていたからである。
すなわちその機長は「戦争になると真っ先に影響を受けるのが航空関係者である。だから平和憲法の大切さを訴えたい」と9条の会を立ち上げた理由を述べた後で、日本の空が米軍関係者に完全に支配されていること明らかにしたのである。その元機長によると、日本の空はすべて米軍の統制下に置かれており、米軍戦闘機の都合がすべてに優先されるため、日本の民間機は危険で困難な航行を余儀なくされているという。驚くべき実態ではないか。
沖縄国際大学への米軍ヘリの墜落事件の際、日本の捜査当局がまったく締め出されてしまった例を思い出すまでもなく、在日米軍の日本での行動は日本の法体系を超えてすべてに優先される。その裏で我々の行動や安全がどれほど犠牲になってきたか。おそらく報道されていない事実はものすごい数にのぼっているのであろう。
一握りの外務省や防衛庁の官僚が在日米軍のとの関係を一手に引き受けて、ひたすら国民に犠牲を求め続けている。そんな歪んだ状態が、是正されるどころか、あらたな日米軍事協力や有事立法によってますます推し進められようとしている。本当に我々はこれでよいのか。
◇遊び続ける小泉首相とメディア
さすがの私も頭に来た。13日の昼のテレビニュースで小泉首相がスピルバーグ監督を官邸に呼んで握手している画像が流された。スピルバーグ監督の受賞を祝う為だという。一体なんだ、これは。これが公務とどう関係があるのか。
小泉首相の官邸を使った自己宣伝はますますエスカレートし、とどまるところを知らない。戦前、戦後を通じてこれほど総理の座を利用し、官邸を自己宣伝の為の招客に使った総理を私は知らない。そんなことの為に巨額な国民の税金を使って建設、改修した官邸や公邸なのか。
このことだけでも十分に腹立たしいのであるが、若いアナウンサーが平然と読み上げる次のセリフに本当に腹が立った。
「・・・忙しい公務の合間に、好きな映画の話でつかの間の安らぎを楽しんだ小泉首相・・・」
小泉首相がどんな忙しい公務をしているというのか。国民生活に関わる焦眉の政策はすべて棚上げし、郵政民営化のドタバタを自作自演してみせる。その郵政民営化も与野党談合の中でいたずらに無駄な時間を費やし、挙句の果ては会期延長だ。小泉首相や政治家が真面目に仕事をしているとは到底思えない。その証拠に休み明けであるというのに、政府の仕事ぶりからはまったく緊張感が伝わってこない。
小泉首相もメディアもただ高給を貪り食って遊んでいるとしか思えない。
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