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(回答先: 戦争ができる国造り、グローバル企業のための国造りに反対しよう!/署名事務局 投稿者 NJ 日時 2005 年 6 月 12 日 16:45:19)
映画「宇宙戦争(War of the worlds)」がもう直公開されるが、原作者のハーバート・ジョージ・ウェルズが日本国憲法に関わっていたと言う事を、科学啓蒙作家、社会思想家、ジャーナリストとしてのウェルズを日本に紹介している浜野輝が唱えている。
ウェルズは「タイムマシン」「モロー博士の島」「透明人間」のようなSF作品が有名だが、1900年過ぎあたりから思想小説を扱うようになる。SFや理想郷小説を現実の社会批判と捉えるのは読む方の思い込みだと言われることがあるが、ウェルズの作品の場合は批判を読み取ることが正しい読み方かもしれない。ウェルズは第一次世界大戦直前1914年に、核戦争により既存の文明が破壊され、党派的な争いに執着する主権国家が打ち捨てられ人権に基づく『新世界秩序』の時代を迎えるという内容の「解放された世界(The world set free)」を書き上げた。ウェルズは科学の発展に適切に人間の制度が追いつかなければ全世界的破局を迎えるだろうと考えていた。彼は戦争と抑圧と貧困を憎み、それらを作り出す独占資本とその投機・金融活動、軍需産業、間接民主主義に寄生する政治家と官僚を嫌い、そして戦争を目的として成立している主権国家と言う人間の生存には非本源的な存在及びそれに囲い込まれる愛国主義を嫌った。搾取と戦う世界的運動の労働者のインターナショナリズムに理解を示したが、それが深刻な破壊を伴う点をどうにかして避けようとしていた。そして社会科学(歴史、経済)、自然科学(生物学、物理学、化学)を纏め上げその知識を普及させる運動を開始した。
「解放された世界」が出た直後に第一次世界大戦が起こり、ウェルズは「解放された世界」そのままの有様に驚き、小説通り最後の戦争になることを願って「戦争を根絶するための戦争」を著した。ウィルソンはそれをスローガンに用いたが、ウェルズが敗戦国と戦勝国が協力することを訴えたのとは違って、ドイツに過酷な賠償を科したベルサイユ条約のために結局第二次世界大戦が起こることとなってしまった。国際連盟は強国のアメリカが加盟せず戦争屋と政治ゴロがいがみ合うだけの場となり、ウェルズの期待した戦争を抑止する「強力な国際連盟」案とは程遠かった。第二次世界大戦後は強国を繋ぎ止めるために国際連合は拒否権を常任理事国に与えたが、冷戦で東西の党派的な対立が持ち込まれたのには変わりなかった。
ウェルズは「新世界秩序(New world order)」と言う書を1939年に著したが(1942年に「ホモサピエンス将来の展望」に収められる)、日本国憲法は「ウェルズの『新世界秩序』」の第一歩であろうと浜野氏は考えている。アインシュタインはルーズベルトに原爆を研究するように書簡を送っているが、ウェルズも1939年に人権宣言に関する手紙を送っており、その中で「ヒトラーに対する非難ではなく人権を戦争の理由とし、中立国と敵国にそれを押し通せ」と語っている(人権を理由とした戦争はウェルズの願ったような一回ぽっきりではなく、「人権」や「民主主義」「自由」は戦争を始めるための便利な口実となり、単なるスローガンに貶められてしまった)。ウェルズは敗戦国に戦力放棄を押し通させるつもりであり、次いで全国家の戦力放棄と全世界的な警察力を持つ組織が必要となると「新世界秩序」(1942年)の中で述べている。これらのこととウェルズらの纏めた人権宣言の「サンキー権利宣言」と日本国憲法の対比を考えると、戦争放棄は幣原や裕仁の発案ではなく(または、発案があったとしても)ウェルズから頻繁に手紙のやりとりをしていたルーズベルト、そしてマッカーサーへと引き継がれた原案から存在していたと考えられるのである。しかし、マッカーサー・ノートにはウェルズの人権思想とは関係ない天皇制度の囲い込みが当初から存在し、そして、原案にあったいくつかの権利に関する条項は削除され、自衛戦争の放棄もカーティスが削除してしまった。このために吉田はトルーマン、マッカーサーの戦力の回復要求をはねつけきれず警察予備隊が作られ、自衛隊が発足することになってしまった。この日本国憲法が発布される前にウェルズは他界した。
冷戦終結後にブッシュが新世界秩序と言う言葉を用いたが、これは浜野氏が直前にルーズベルト-ウェルズ書簡をゴルバチョフとブッシュに送っており、ウェルズの言葉を使った可能性がある。しかし、コネチカット生まれの元麻薬長官、テキサスの石油成金ブッシュの言う新世界秩序はほとんどの人が思ったように「パックス・アメリカーナ」だったし、ハックスリーの「素晴らしい新世界(Brave new world)」の全体主義世界を思い浮かべた人もいた。浜野氏は戦争屋に便利な言い訳を再発見させただけに終わってしまったのだった。
戦後のNWO運動は帝国主義列強の置き土産である民族主義(分断統治?)や独占資本が支配する強国のエゴを突き破れなかったのか、資本家が世界統制の道具に用いようとしたのを見抜かれたためか、反共主義者にボルシェビズムと同列視されたためか、広範な支持は得られていない(し、私も理解していません)。
> 300人委員会はその大部分が英王室、現在ならば女王エリザベス2世の支配下にある。メンバーには各国王室、サミュエル・ハンチントン教授、ジョン・メイナード・ケインズ、ジョージ・ブッシュ(現米大統領の父)、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ、エリー・ド・ロスチャイルド、サー・バートランド・ラッセル、H.G.ウエルズ、大来佐武郎 等の名が見える。
> 1991年には、テレビ伝道者で、大統領選候補者でもあったパット・ロバートソンが『新世界秩序』と題する本を出版した。ロバートソンは、イルミナティーにまで陰謀をさかのぼり、今日、ウォールストリートと世界銀行が共謀し、ジミー・カーターやジョージ・ブッシュら政治家と手を組んで、国連を操り、アメリカからキリスト教と自由を葬り去ろうとしている、と主張した。ロバートソンは、「全体主義的世界政府」を出現させるために、ソビエト崩壊や湾岸戦争が仕組まれたのだ、と論じている。