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米軍再編中間報告とりまとめ 郵政で動きとれず9月にずれ込み?
地元説得難航で時間稼ぎも
米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)で、四日の日米防衛首脳会談で「七月とりまとめ方針」を確認した日米役割分担中間報告の「九月延期説」が早くも浮上している。小泉純一郎首相以下官邸は郵政民営化関連法案で手いっぱいとなり、動きが鈍くなっている。基地再編で地元の理解をどう得るかとの問題もからみ、基地再編の年内決着に暗雲が立ち込めている。(半沢尚久)
「夏の間には、と考えているが、九月になるかもしれない」。大野功統防衛庁長官が中間報告の九月ずれ込みを示唆したのは十日の閣議後会見だった。日米防衛首脳会談での方針確認から一週間も経過していない。
これは「郵政民営化関連法案が成立しないかぎり、首相は米軍再編に手をつけない」(官邸筋)との見方が強まっているためだ。
首相は八日に大野長官が防衛首脳会談の結果を報告した際、「うん、わかった」とうなずくだけで、具体的な指示はなかったという。首相補佐官として米軍再編に意欲的だった山崎拓元副総裁が、衆院郵政民営化特別委の与党筆頭理事就任に伴い補佐官を辞任。復帰は郵政法案の衆院通過後になるとの意向を示しているのは、こうした観測を裏付けている。
郵政関連法案の「お盆前成立」も取りざたされ、結局夏休み明けの九月まで足踏みを余儀なくされるというわけだ。
役割分担は、平成九年の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定後、積み残されていた日米の協力内容の具体化だ。
ガイドライン改定を受け、九年から約四年間、防衛庁・自衛隊と米軍は朝鮮半島有事を念頭にした米軍への後方支援を協議。有事で自治体の管理する空港・港湾を米軍が優先使用することなどが論点だったが、「当時は関係省庁や自治体は消極的」(防衛庁幹部)で、具体的な作戦計画策定には踏み込めなかった。
今回、中間報告では有事での共同対処計画の策定を盛り込む方針だ。自衛隊と米軍の基地の共同使用、遊休施設返還も中間報告で方向性を示す。範囲が広いだけに、「郵政かかりきり」で動きの鈍い官邸に関係者はいらだつばかりだ。
その一方で、日本政府としての別の思惑も垣間見える。役割分担協議を終えれば、次は具体的な基地再編。「再編案に目星がつくまで、役割分担協議にとどめておくのが得策」(政府筋)というのだ。実際、米側は役割分担の中間報告に個別の再編案の一部を盛り込むよう要求したが、日本側は拒否した経緯がある。
キャンプ座間(神奈川県)での米陸軍司令部新設をはじめ、再編案は大筋で合意に達しつつあるが、地元の反発がある。沖縄・普天間飛行場の移設計画見直しを含め沖縄の負担軽減は、「あらゆる案がテーブルに出たままの状態」(制服組幹部)だ。
こうした状況に米側の不満も募っている。防衛首脳会談で、負担軽減を求めた大野長官に、ラムズフェルド国防長官が「米国は国内総生産(GDP)の3・2%を国防予算に充てている。日本は0・98%じゃないか」とかみついたほどだ。
九月の国連特別首脳会合時に行われる可能性が高い日米首脳会談で、首相が「沖縄の負担軽減でサプライズ(驚き)を狙っている」(自民党国防関係議員)との観測もある。しかし、中国と北朝鮮の動きを踏まえ、抑止力維持にシフトする米側のフラストレーションが高まれば、「日本が負担軽減で『実』をあげるには分が悪くなりつつある」(同)のは確かだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12pol002.htm