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天木直人・メディアを創る ( 6/10)  泣く子を拒む
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投稿者 天木ファン 日時 2005 年 6 月 10 日 10:13:06: 2nLReFHhGZ7P6
 

6月10日―メディアを創る

◇泣く子を拒む

 毎日新聞の夕刊に「戦後60年の原点」と題して、沖縄本土決戦の模様が連載されている。やがて単行本になって出版されるであろうこの連載は、日本中が戦争を知らない世代に覆いつくされていく後世に、必ず語り継がれていかなければならない貴重な記録の一つであると私は思う。
 その連載の6月9日夕刊に、つぎのような文章があった。
 ・・・南部の住民の視界に米兵や戦車が入り始めた・・・怖いのは敵だけではなかった・・・真壁の空き家に避難民たちと隠れた主婦のこんな証言が県史にある。
  親とはぐれたか、5,6歳の男の子が泣きながら家の周りを歩いていた。近寄ってくるたびに避難民たちはその子を追い返した。泣き声で敵に感づかれては困る。「あっち行かんか」としかりつけ、しまいに子は泣きながら去った・・・
  ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」(岩波書店)の中に、日本にやってきた米占領軍の一人が終戦直後の日本を見て、女や子供が苦しんでいるのを見て助けようとしない日本人の民度を嘆いたとことが書かれていた。
欧米はもとより世界の開発途上国のなかでも弱者に対する思いやりは当然視されている。我々日本人はその意味で本当に情けない国民であるのかもしれない。
そしてその民度の低さが今日まで続いているのではないか。これほどまでに弱者が切り捨てられている世の中で、誰もが行動を起こそうとしない。自分だけがよければいいという考えが社会を覆っている。
  この毎日新聞の沖縄の記事には、また、次のような文章が綴られている。
・・・内大臣・木戸幸一は天皇に拝謁し、つぎのような時局収拾試案を言上した。沖縄戦局は不幸な結果に終わり、現状では日本は秋以降戦争遂行能力を喪失する。全国は空襲で焼き払われ、衣食の欠乏は人心不安を起こす。この際天皇のご勇断を仰ぎ、親書をもってソ連に和平仲介を頼みたいー木戸は「皇室の安泰と国体の護持」がぎりぎりの講和条件と考えていた・・・
  当時の日本の為政者は、これほどまでに国民の生命を無視し続けていたのである。日本人はこの国の真の戦争責任者は誰であったのかを、歴史を振り返って今一度考えたほうが良い。国民の困窮を一切省みない日本の支配構造は、A級戦犯の孫や戦争で儲けた横須賀の政商の4代目が為政者となっている今日においても、全く変わっていないのである。このことに腹を立てないほうがおかしい。中国の反日感情に怒りの矛先を向けるのはピント外れも甚だしい。

◇小泉首相の本当の大罪

 小泉首相といえば郵政民営化、靖国参拝、対米従属外交などが話題になる。しかし小泉首相の真の大罪は、未曾有の経済負担を低所得者に押しつけて恥じないところにある。
 10日の朝日新聞に小泉首相の諮問機関である政府税制調査会が、各種税控除を軒並み縮小・廃止する抜本見直しを提言するという記事が出ていた。これは5千万人のサラリーマンの懐を直撃する増税である。
小泉首相はこの4年間、「改革」を叫ぶだけで財政再建になんら効果的政策を打ち出してこなかった。その結果が膨大な財政赤字の累積である。年金、各種保険などあらゆる手当てを減らしてもなお財政赤字は膨らみ続けている。もはや増税は不可避であるが、支持率を落としたくない小泉首相は任期中の増税はやらないと繰り返し発言してきた。財務省や政府税調は、来年秋の小泉退陣を待って消費税を引き上げようとしている。しかし消費税引き上げでも足らないので、所得税控除をなくす形でさらなる増税を目論んでいるのだ。
こんなふざけた話はない。しかし政治家もメディアも有識者も騒がない。それは彼らの暮らしが豊かだからだ。少しぐらいの増税では困らないからである。テレビのキャスターや常連の評論家などのふやけた態度や評論を想起するといい。まるで他人事のような愚につかないコメントをしながら高収入を得ているのである。こういう連中が、政府批判をするふりをしてガス抜き役を演じ、実際は小泉首相を支えているのである。
その小泉首相は何をしているのか。10日の各紙は、官邸の庭園が完成したといってその散策模様を報じている。昨日は女優と写真におさまっていた。サマービズというわけのわからないファッションを導入した一週間ほど前は、「お色直し」と称してシャツをとっかえ、ひっかえして、それが連日のテレビや雑誌で流される。
この国のリーダーがそんなことに現を抜かしている間にも、生活苦を理由に自殺者が続出し、社会の荒みを象徴する凶悪な犯罪が増え続けている。腹を立てないほうがおかしい。

◇石原都知事をここまで増長させた原因

 10日の毎日新聞、「記者の目」の日下部聡記者の指摘は的確だった。日下部記者は、石原慎太郎をここまで増長させたのは、周囲の「迎合」にあったのではないかという。浜渦副知事ら側近だけではない。都庁官僚、都議会、メディアなど石原周辺が石原慎太郎に迎合し続けてきたのだ。
都庁を去った元幹部の次の言葉がこれを物語っている、
「・・・器用な役人は、知事が喜びそうな事を先取りしてやってしまう。知事は対立が好きだから、わざと現場と衝突するやり方をしてアピールする・・・多くの都幹部は、最初は違和感があっても、次第に進んで適応するようになった。それができなければ都庁を去るしかなかった。『自分』を持たない人が多いということでしょう」
都教育委員会が全国で有数の厳しい「国旗・国歌」の強制を行っているのも、東京都立大学が強行に「首都大学東京」に統合されたのも、石原慎太郎が逐一指示しているというよりも、教育委員長、都官僚が先取りして行っているのだ。浜渦副知事に辞職を迫ったのも議会のチェック機能が働いたというより権力闘争の所産だ。今でこそ「週2,3日しか登庁しない」という批判が決まり文句になったが、これは最近始まったことではない、各メディアは石原知事を「ポスト小泉」、「ご意見番」と持ち上げるばかりで、地方自治体の長としての適格性を殆ど検証してこなかったのではないか。
そして日下部記者はつぎのように締めくくっている。
「・・・都知事は絶対権力者ではない。都民が税金を預けて仕事を委託しているのである。石原知事がそれに見合った仕事をしてきたのか、有権者が冷静に見極める時ではないか・・・」
この言葉はそっくり小泉首相にも当てはまる。
 

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