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7月10日―メディアを創る
取材源秘匿を許さない米国
7月6日、ワシントンの連邦地裁は、米紙ニューヨークタイムズのジュディス・ミラー記者に対し、法廷を侮辱したとして収監した。これは、6月28日に米連邦最高裁が、取材源の開示を拒否した米記者二人を有罪と判定したことを受け、それでも開示を拒んだミラー記者を地裁として収監せざるを得なかったからである。
9・11事件をきっかけにブッシュ政権は愛国者法を成立させ、民主主義の基本を次々と崩してきた。そして内部告発を抑制すべく取材源の秘匿を否定する政策を導入するに及んだ。
ミラー記者は、「秘密を守る信頼がなければジャーナリズムたりえず、自由な報道はありえない」としてジャーナリズム魂を貫き、そして収監された。
見せしめのようなこの判決の効果が早速現れた。10日付の読売新聞は、米オハイオ州の有力紙プレーン・ディーラーが、8日、機密文書を入手して書いた特ダネ2本の掲載を見合わせたと報じている。もちろん、捜査当局に情報源の開示を迫られることを恐れたからである。それを拒んだら、ミラー記者と同様に、プレーン・ディーラー紙の記者も収監される。編集局長としては慎重にならざるをえないのだ。
困った事になった。米国のまねをする日本のことだから、日本にも同様の報道規制がなんらかの形で導入されることは時間の問題であろう。そう思っていたら、8日の毎日新聞に気になる記事を見つけた。7日東京高裁が、東京地裁の判決(04年12月)を取り消し、新潮社に300万円の損害賠償支払いを命じる逆転判決を言い渡したという記事が大きく掲載されていた。
この裁判は、平沢勝栄衆議院議員がパチンコ業者から違法献金を受けたという週刊新潮の記事に対し、名誉毀損で訴えた平沢氏の訴訟について、一審判決は「情報の具体性などから真実と信じる相当な理由があった」として平沢議員の訴えを退けたのに、東京高裁はそれを取り消し、一転して新潮社に損害賠償支払いを命じたという記事だ。
驚くべきは、その理由の一つとして、「取材源秘匿により、真実と信じたことの立証責任を免れることは、原告の反証の機会を奪う事になり、許されない」として、「情報源はパチンコ業者と認められ、業界の性質を考慮すると告発者が秘匿を望むのは合理性がある」とした一審の判断を否定した事である。
裁判長は明らかに米連邦最高裁の判決を念頭に置いていたのであろう。またしても一つ、報道者への締め付けが増えた。そして我々は真実を知る権利を奪われていく。
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