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(回答先: 「公衆監視カメラの普及」が実現する社会とは (Hotwired Japan) 投稿者 外野 日時 2005 年 7 月 10 日 04:19:48)
琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/special/furyu/newpage18.htm
捏造と監視 2000/06/03掲載
警察官の不祥事が全国で相ついでいる。押収物を使った恐喝や覚醒剤の使用、身内の犯罪のもみ消しと、内容が悪質なものも多いうえに叩けばいくらでも埃が出てくる状況だ。大多数の警察官がどれだけ職務に忠実であったとしても、情報が市民に開示されず、チェック機能が十分に働かないまま権力を一方的に行使する現在の警察の仕組みが、歪みや腐敗を生み出しているのは否めない。
沖縄県警も例外ではない。警察官三人が口臭防止スプレーを使ってアルコール検知管の数値を操作し、飲酒運転の証拠を捏造(ねつぞう)した事件は衝撃的だった。しかもこの種の捏造が懲戒免職処分となった三名の警察官だけでなく、現在「警視や警部の幹部クラス」になっている者も過去に行なっていたことが内部暴露されているのを見るとき、この問題の根深さに注目せずにおれない。「幹部クラス」の職員もかつて行なっていたとすれば、かなりの数の職員が長期間にわたって行なっていたと考えるのが自然であろう。それによってどれだけの市民が違反をでっちあげられたのか。
五月十九日に県警は、監督責任を問題にして上司八人を処分しているが、事件を生み出した背景にはふれず、県警自体の体質についても反省はない。結局、懲戒免職となった三名をとかげの尻尾切りで切り捨てて、事態の収拾をはかっているとしか思えない。
朝日新聞は五月二十三日付け朝刊で、新潟県警のスピード違反もみ消し事件を社会面トップで取り上げている。新潟県警のもみ消しはまだ警察内部の問題といえるが、飲酒運転データの捏造は市民に直接関わり、意図的に冤罪を生み出すものだ。それだけにより悪質といえるものであり、このような事件を生み出す体質が、徹底的な反省や批判を免れて温存されてはならないはずである。現在、県警はサミットに向けて交通規制への協力を呼び掛けているが、自らの問題にはふたをして協力を呼び掛けても、県民の不信感や白けた気持ちをぬぐうことはできまい。
本来、警察の活動を監視、指導すべき公安委員会が、その機能をはたしえていない現在、警察の現状を改革していく上で、報道機関のはたす役割はきわめて大きなものがある。サミット警備に支障が出る、という政治的圧力が加えられることも予想されるが、それに屈することなく、飲酒運転データの捏造問題について追跡取材し、問題を掘り下げて検証してほしい。警察も自ら問題の徹底解明に努力すべきことは言うまでもない。
警察と市民生活との関わりでいえば、サミットを前にして主要幹線道路に増設されている監視カメラの問題も気になる。交差点や基地周辺など、テロ・ゲリラ対策を口実に監視カメラが次々と設置されている。カメラは人を選ばない。監視の対象となっているのはすべての市民であり、私たちの知らないところでプライバシーが侵されているのである。
最近は道路の上にやたらカメラやレーダーが設置されている。そのなかでNシステムとよばれる「自動車ナンバー自動読取りシステム」は、赤外線撮影装置を備え、夜間でも運転手の顔まで撮影できる。コンピュータの発達は、膨大な情報の保存と処理を可能にした。Nシステムはその下を通るすべての車の記録を通信回線で県警本部に送り中央装置に保存する。そして、必要な車のナンバーを打ち込めば、通過記録が検索できるようになっている。注意すべきは、それが交通違反の捜査だけに利用されているのではないことだ。
「ある関係者は、『九七年ごろからNシステムの新設場所などがガラッと変わった』とも指摘する。最近のNシステムは、本州の日本海側や沖縄、あるいは自衛隊の演習場近くなど、犯罪捜査の有益性よりも公安警察的発想による新設が急増しているというのだ」(青木理『日本の公安警察』講談社現代新書)。
移動手段が車中心の沖縄で、Nシステムは大きな威力を持つ。活用次第によっては、ある特定人物の移動状況をつかむこともできる。それが公安・警備部門によって治安強化のために利用される危険性は大きい。いや、すでにサミット警備で利用されていると考えたほうがいい。昨年、警察による盗聴を可能にする「組織犯罪対策法」が成立し、「住民基本台帳法」の「改正」も行なわれた。国や警察による市民監視・管理のシステムは急速かつ多様な形で進んでいる。サミットの裏で何が進んでいるかも私達は考える必要がある。