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(回答先: 3・11にモロッコ諜報員が関与?(カサブランカ爆破事件の囚人とのインタビュー:エル・ムンド) 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 5 月 26 日 08:45:51)
上のインタビュー記事の分析と解説
インタビューの前半は主にムジャヒディン(イスラム聖戦戦士)の話とカサブラン爆破事件の逮捕者に関して、後半が3・11事変に関する内容になっています。
前半の重要ポイントは
(1)「イスラム戦士」が欧米とイスラム諸国にいかに利用されてきたのか。(Salahedin Benyaichはそれに気付いている)
(2)2003年のカサブランカ爆破事件を起こし、3・11事変にも関与したとされるモロッコ・イスラム戦士団(GICM)は「幽霊組織」であること。
(3)カサブランカ爆破事件を起こしたのは間違いなくモロッコ秘密諜報員であること。
(4)モロッコ政治警察の残忍さ(モロッコは警察の乱暴さと拷問の激しさで有名な国です。)
(5)カサブランカ爆破事件捜査の名目で反政府勢力狩りが一斉に行われ、8000人が短期間に逮捕されたこと。(政府批判の記事を書いたことのある多くの新聞記者が逮捕されています。)まともな裁判が行われていないこと。
次に後半の3・11関係では
(1)「犯行声明」のビデオでは、「コーランの祈りには間違いが多かった」「聖戦主義の演説は無かった」「«Madrid»の発音はモロッコ人のものではなかった」「犯行声明に複数の文法的なミスがあった」ことから、これはムジャヒディンのものではなく、「アラブ語を知っている欧米人」が作ったものであること。
(2)「エル・チノ」は麻薬の売人でイスラム戦士ではなく、字が読めないため犯行声明文を読み上げることは無理だったこと。
(3)Jamal Zougamもイスラム戦士ではなく犯人のはずがないこと。
(4)3・11事変で最も得をしたのはモロッコであったこと。
(5)モロッコ秘密諜報員は3・11事件が予想できるだけの情報を持っていたこと。(ただしこれはインタビューアーの記者の「誘導尋問」もあります。そしてモロッコの諜報員が3・11に関与したことを、カサブランカ爆破事件についての証言の延長で、強くイメージさせる効果を持っています。)
というようなことで、先ごろの「不発弾デッチアゲ」と並んで、3・11が今まで検事局と警察、社会労働者党が、あらゆる不合理と矛盾にめげずに強引に進めてきた「イスラム・テロ」説を、根底からひっくり返しかねないものになっています。
そしてこのようなエル・ムンドの記事を、だれが一番喜ぶか、というと明らかに国民党でしょう。モロッコ・フランスをバックにした社労党と警察・GC・CNIの一部が仕組んだ陰謀である、という説を元党首のアスナール初め、党幹部が延々と主張し続けていますので。
サパテロの社労党が推す「イスラム・テロ」よりもこちらの方がはるかに筋が通り一見矛盾の少ないものです。ただどっちにしても、そのさらに奥にある欧米支配勢力の意図には、当然のことですが、全く触れません。したがってMI6、CIA,モサドの関与など入る余地の無いものです。これがいかに浅はかな誤魔化しであるのか、は私が今まで申し上げてきたとおりです。
またこのような記事を今の時点でエル・ムンドが作成すること自体、さらにモロッコの刑務所でのインタビューであの厳格なモロッコ当局がこのような内容の記事を妨害もせずに発表させたこと自体が、何か奇妙な感じを与えます。
どうせまた何かの「目くらまし」の一種、と見たほうが無難でしょう。エル・ムンドがこの「目くらまし作戦第2弾(第1弾はイスラム・テロ、スペイン人のチンピラ爆弾製造のキャンペーンを張り続けてきたこと)」をどこまでやるのか、注目していきたいと思います。(田中宇さん、こんな目くらましに引っかからないでネ。)