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隣の核実験について 山田孝男
北朝鮮が核実験に踏み切るとすれば、6〜8キロのプルトニウムを使った長崎型原爆を試す可能性が高いそうだ。その場合、死の灰が偏西風に乗って日本列島に降り注ぐかという素朴な疑問がわくが、核実験に詳しい東工大・原子炉工学研究所の澤田哲生助手(原子核工学)は深刻な影響はないと見ている。
米ソが地上核実験を競ったのは1963年までの話。他の核保有国も80年の中国(タクラマカン砂漠)を最後に地下実験に転じており、まして国土の狭い北朝鮮は地下を選ぶだろう。地下なら日本への影響は皆無といっていい。万一密封に失敗したにせよ、1秒以下の反応である核実験で放出される死の灰の量はチェルノブイリ原発の数百分の一、万々一地上実験だとしても数十分の一にとどまるという。
とはいえ、北朝鮮の核実験が確認されれば、日本の世論は激しく反応するだろう。一直線に核武装で対抗する展開になるとは思わないが、深層で質的な変化が進む予感はある。毎日新聞の03年衆院選全候補者調査で大きな反響を呼んだ数字があった。「国際情勢によっては核武装も検討すべきだ」という回答が自民党の30%(全体では13%)に達したのだ。ここまで来たかという反応が多かったが、全体の87%が核武装を「検討する」ことにさえ慎重だという読み方もできる。
米国が世界初の核実験に成功し、広島・長崎に原爆を投下して60年。節目の年の核実験騒動は、日本がどの道を選ぶにせよ、他国の核に守られて核廃絶を唱える「戦後的偽善」から抜け出すべきだという問いかけのようでもある。(編集局)
毎日新聞 2005年5月23日 0時04分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050523k0000m070112000c.html