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米国が1976年のキューバ機爆破テロを事前に知っていた数々の証拠(レベリオン)
5月20日付のスペイン語電網誌レベリオンは、米国国家安全保障委員会の公開資料の中から、先日米国で「不法入国」の容疑で逮捕されたルイス・ポサダ・カリレスが1976年に行ったキューバ機爆破テロを、米国政府がFBIやCIAの報告によって、事前に知っていたにも関わらず、キューバに連絡しなかったことを明らかにしています。
この記事を全訳します。文中の(1)(2)等について、訳文の最後に証拠書類のUrl(PDFファイル)を挙げておきます。
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http://www.rebelion.org/noticia.php?id=15439
レベリオン 2005年5月20日
米国国家安全保障委員会の公開資料がこのように明らかにする
『新たな資料が、米国がキューバ機爆破を事前に知っていてキューバに警告しなかったことを、証明している』
ジョージワシントン大学にある米国国家安全保障委員会の追加公開資料が、CIAが、1976年6月以来、つまり事件の4ヶ月前からであるが、バルバドスで73名が死亡したキューバ機爆破をフロリダに住むキューバ人テロリストが計画していたという、諜報員からの事前の情報(1)を手にしていた、という事実を明白に示している。
この資料は同時に、カラカスにある米国大使館付FBI支部が(2)飛行機に爆弾を仕掛けた二人のベネズエラ人の一人と度重なる接触を保っていたこと、および、このルイス・ポサダ・カリレスに企まれた犯罪に関与していることが明らかであるにもかかわらず、犯行の5日前に米国への入国ビザを発行していたことを、明示している。
この二つの資料はABCテレビの国営番組Nightlineの中で、この火曜日にマイアミで国民安全保障部によって逮捕されたルイス・ポサダ・カリレスに関連して、提示されたものである。
この資料は同時に、キューバ航空455機への破壊活動に関して、ヘンリーキッシンジャー国務長官に送られた国務省情報捜査事務局の情報(3)に含まれていることを語っている。この情報には、CIAのある情報員がポサダが襲撃の前の1976年9月に「我々はキューバの飛行機を攻撃するつもりだ」と語ったことを偶然に聞いた、と書かれてある。この情報は明らかに、犯行の後になってCIAに送られたものではない。
これらの資料は、CIAがこのテロリストの脅迫をキューバ当局者に警告したという証拠を持たない。これらの書類は、手書きのメモばかりだが、そのCIAの情報員がポサダ自身であることは示していない。彼はその当時ベネズエラでCIAとFBIの機関員と定期的に接触していたのであった。
■CIA:1976年6月22日;「キューバ亡命過激派によるキューバ航空の飛行機に対する計画の可能性」について(4)
■FBI:1976年10月9日:「1976年10月6日の、バルバドスへ向かうキューバ航空機DC8への爆弾攻撃の知られざる主犯容疑者」(5)
■国務省情報捜査事務局の情報、国務長官宛、1976年10月18日『カストロの主張』に関するメモ(6)
詳しくは次を参照のこと。
http://www.gwu.edu/~nsarchiv/
(http://www.gwu.edu/%7Ensarchiv/NSAEBB/NSAEBB153/index.htm)
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【資料:PDFファイル】
(1) http://www.gwu.edu/%7Ensarchiv/NSAEBB/NSAEBB153/19760622.pdf
(2) http://www.gwu.edu/%7Ensarchiv/NSAEBB/NSAEBB153/19761009.pdf
(3) http://www.gwu.edu/%7Ensarchiv/NSAEBB/NSAEBB153/19761018.pdf
(4)、(5)、(6)は、それぞれ(1)、(2)、(3)と同一のもの
【訳出終り】
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ルイス・ポサダ・カリレスが60年代から70年代にかけて、CIAと一緒に行動していたことはよく知られています。米国のラテンアメリカ各国に対する謀略の一端が、また明白にされたわけです。
ところで、米国でのポサダ・カリレスの逮捕は先日お知らせしました。
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http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/473.html
ポサダ・カリレス(追放キューバ人テロリスト)、米当局に逮捕される(スペイン語各紙)
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この逮捕の容疑は、決してキューバ機爆破に関するものではなく、米国への不法入国容疑であるということです。
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/05/20/internacional/1116544060.html
(エル・ムンド:2005年5月20日)
『米国はポサダ・カリレスを違法入国で起訴』
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これは明らかに誤魔化しで、当然ですがカストロは精一杯米国を非難しています。
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http://iblnews.com/txt/noticia.php?id=128459
(IBLNEWS:2005年5月20日)
『フィデル・カストロは、米国がポサダ・カリレスを『保護している』と非難』
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しかし、米国当局自身が上記のような資料を公表しているわけで、ブッシュ政権としてはどうするつもりなのでしょうか。もしこのポサダ・カリレスを「テロ容疑」で裁く、あるいは、これはありえないでしょうが、身柄引き渡しを要求しているベネズエラに送検する、などということをやれば、亡命キューバ人の支持で成り立っているジェブ・ブッシュ・フロリダ州政権が崩壊するでしょう。
かといって「反テロ」を主導しなければならない立場で、この問題をいい加減に扱うと、キューバやベネズエラだけではなく中国あたりからも突っ込まれる可能性があり、さぞや頭の痛いところでしょう。
まあどうせ、日本のマスコミは何も言わないでしょうが。(朝日あたりが分析抜きの外電垂れ流しくらいはやるかな。)