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16日の小泉首相の靖国神社参拝を巡っての答弁は、内外の情勢を無視した異常なものであったが、私はここで彼の信条を論評するものではない。
彼の今回の答弁は、ここ最近の彼の発言とは異なった「調子」のものであった。
私は関心を持って、ラジオでもテレビでも見てみた。情勢無視の発言を確かめたかったからである。
ところが、彼の答弁を聞いて私は「今までとは違った異様な印象」を受けた。
そして思ったのである。
「この男、何かが吹っ切れたな。自分の考えを自分なりに整理したのではないのか?」
彼は、靖国参拝を巡って次のように答弁した箇所がある。
「日本は平和国家として、国際社会の平和構築に努力をしてきた。戦争にも巻き込まれずに、戦争にも行かずに、一人も戦争において死者を出していない。何ら問題があるとは思っていない。」
これは、彼が行なった自衛隊イラク派遣とその現在の有様の事を念頭においての発言であろう。実際には死者や怪我人が出ているかもしれないが、それはさておき、
問題は、これだけの発言が出来るのは「イラク派遣の先が見えていて」、「無事に終わりそうだ」との見通しを持っているからではないのか?
そして、靖国の英霊達に向って、
「何とか戦死者を出さずに済ませる事が出来ました。戦闘をせずに済みました。イラク人に発砲せずに済みました。戦争に参加せずに済みました。」と、
言って参拝できると考えているからではないのか?
実際には、輸送機で武装した米兵を運び、弾薬も運んだだろう。アフガニスタンに向って展開する米艦に燃料を供給した。これらは「戦争行為」である。
それはさておき、彼自身は「戦争に参加せずに済んだ」と思いたいのだろう。その上に立って靖国参拝を行ないたいのではないか。
日本政府は数ヶ月前には米国から内密に「米軍のイラク撤退の計画とスケジュール」を聞かされていたであろうと私は考えているのだ。
その上に立って、「自衛隊のイラク撤退の計画は立てられ、スケジュールも立てられて」いるのだろう。
イラク戦争は失敗で米国は敗戦を経験する事に傾きつつあるが、この事は出来る限り明らかにしたくは無い筈だ。シオニズムの米国内での地位が危うくなるからだ。
同様に、小泉政権は自衛隊の撤退を出来るだけ隠して、コソコソとやりたい筈なのだ。
しかし、どうしても失敗である事は明らかになるので、その失敗は小泉が全部を引っ被って責任をとった形にして、「軍国主義化路線」を誰かに引き継いでもらって自民党政権の安泰を図るのではないか。引き継ぐのは福田あたりか。安倍では難局なので難しいから今回は福田あたりか。政権交代は避けたい。しかし、民主が伸びれば連立してファッショ政権を造ろうとするだろう。
また郵政民営化問題もどうなるか判らない。
「責任をどう取るかは、その時に判断すればいい。」とも答弁している。
政策の失敗による行き詰まりを小泉は引っ被って、
「平和を守った」と自分では考えて、
年の終わりか、来年の初めには靖国神社参拝をその様に意味づけて行ないたいのではなかろうか。
今年の初めの頃から、小泉の表情には「落ち込み」が見られて、口調が重いものになった。
恐らく、米軍イラク撤兵の計画を聞かされたからではないのか。自分の採った政策の誤りをこの時に知った筈である。
その時からモヤモヤしていた気持ちが、最近になって整理できたのではないのか。
「俺は何とか戦争に参加せずに済ませることが出来た。どうなる事かと思ったものだったが。」
と考えているのではないのか。
実際に戦争に参加してしまったし、まだ派遣もどうなるかわからない。派遣隊員達の安全も確かではない。
小泉は派遣隊員を「被爆者」という「傷痍軍人」にしてしまった事を忘れてはならない。
君はとんでもない罪人である。罪を償うべきである。
ブッシュも影が薄くなっている。ライスだけがやたらと動き回っている。煽てに弱い奴である事が窺える。まあ、出世したつもりなのであろう。ブッシュは少し落ち込んでいるのではないか。
異様で奇妙に歯切れのよい小泉答弁であった。
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