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(回答先: CIAとモサドがイラクにおけるテロ行為に関与 [IRIBラジオ日本語ニュース] 投稿者 white 日時 2005 年 5 月 18 日 22:55:31)
以下の通りです。
イラク:シーア派×スンニ派、相次ぐ惨殺は憎悪の連鎖 宗派間戦争、強まる懸念
【カイロ高橋宗男】イラク各地で最近、惨殺された遺体が発見されるケースが相次いでいる。15、16の両日にはバグダッドなど5カ所で計54体が見つかり、このうち2カ所で発見された24体はスンニ派住民だったことがわかった。スンニ派武装勢力による攻撃への報復を控えてきたシーア派武装組織が反撃に転じたとの見方もあり、宗派間戦争の危険が高まっている。
現地からの報道によると、両日に発見されたのは(1)バグダッド北部16体(スンニ派)(2)バグダッド北東部8体(同)(3)バグダッド西方のラマディ10体(シーア派兵士)(4)バグダッド南部12体(同)(5)バグダッド南東のマダエン8体(同)。
いずれもごみ捨て場などに捨てられており、ほとんどは後ろ手に縛られたり、目隠しされたうえで射殺されたものとみられ、首を切られていた遺体もあった。バグダッド北部で発見されたスンニ派の16体のうち2体は、武装勢力への関与が疑われていた宗教指導者と判明し、シーア派武装組織が報復のために殺害した可能性がある。
イラクでは4月28日に新政権の閣僚名簿公表以降、500人もの市民らがテロの犠牲になるなど、治安が極度に悪化。犠牲者の大半をシーア派が占めたため、同派住民の間ではテロ攻撃を仕掛けるスンニ派武装勢力への怒りが頂点に達している。
一方で、1月の選挙をボイコットし政治プロセスから排除されたと受け止めるスンニ派組織にはシーア派に対する不満がうっ積。相次ぐ惨殺事件によって、両宗派間の憎悪が増幅される結果となっている。
旧陸軍将校だったというバグダッドのタクシー運転手、サハミ・オマルさん(42)=スンニ派=は、シーア派の最大政党「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)」内の民兵組織バドル軍がスンニ派惨殺にかかわっているとし、「イランが後ろで糸を引いている」と怒りをぶちまける。
これに対し、同市の獣医、ナイーン・ダラジさん(32)=シーア派=は「スンニ派の攻撃に対抗する組織を作る時が来た。勧誘されれば迷わずに参加する」と言い切る。
こうした事態を受け、移行政府のジャファリ首相は16日、シーア派の聖地ナジャフで同派最高権威のシスタニ師と協議し、「シスタニ師は両派が協調する必要性を呼びかけている」と語った。また、シーア派の対米強硬指導者ムクタダ・サドル師も同日、約9カ月ぶりに公に姿を見せ、「いかなる状況においても民間人を標的とする攻撃は許されない」と述べた。
相次ぐ惨殺は、宗派対立を増幅させることで政治プロセスを遅らせることを狙ったイスラム過激派の仕業とも考えられ、「本格的な宗派間紛争になれば、イラクはコントロール不能の状態に陥る」(クルド民主党系日刊紙ターキのバドラン政治部長)ため、政界や宗教界は宗派間戦争回避に躍起だ。
◇世界ではスンニ派多数、イラクは60%シーア派
イラクでは人口の約60%をシーア派、約20%をアラブ・スンニ派が占める。両派の違いは預言者マホメットの後継者をめぐる考え方にある。隣国イランでは、シーア派が人口の95%だが、イスラム世界全体ではむしろスンニ派が多数派だ。
イラクでは1月、移行国民議会選挙でシーア派の連合会派「統一イラク同盟」が半数に迫る得票を獲得し、クルド系組織「クルディスタン・リスト」と連合政権を組んだ。スンニ派には、選挙実施に反発する意見も多かった。憲法草案作りや国民投票を控えるジャファリ首相は、今回の閣僚人事でスンニ派からも人材を登用しようとし、人選に苦労した経緯がある。
旧フセイン政権下では、アラブ社会主義政党バース党による一党独裁体制が敷かれた。旧政権は党や政府、軍の幹部にスンニ派を優遇。シーア派やクルドを弾圧した歴史があり対立は根深い。
毎日新聞 2005年5月19日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20050519ddm007030050000c.html