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JNN
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20050518/20050518-00000033-jnn-int.html
米軍訓練プログラムがはらむ危険性
アメリカ軍は、イラクなどで軍事作戦の効率化を図るため、戦場を知らない兵士にも条件反射で戦闘を行えるよう訓練プログラムを導入しています。バーチャル感覚のこうした訓練が、「戦争のゲーム化」をさらに加速させるとの指摘も出ています。
イラクで相次ぐ襲撃事件。ブッシュ大統領が大規模な戦闘の終わりを宣言してから間もなく2年が経ちますが、武装勢力の抵抗は収まる気配を見せません。
一心不乱に銃を乱射する兵士。一見、ゲームを楽しんでいるだけのようにも見えますが、これはアメリカ軍が実際に行っている訓練です。イラクに送られる兵士たちが、武装勢力の襲撃に適応できるよう開発されました。
こうした訓練施設をつくっているのは、世界最大の軍需企業と言われるロッキードマーティン社です。戦闘機、ミサイル、ロケットなど、軍事に関係したあらゆるものを製造するこの会社が、ここ数年、特に力を入れている分野の一つがこうした戦闘シミュレーションなのです。 訓練機は、本物の兵器を製造する企業だけに部品はすべて本物と同じものを使っています。また、訓練の舞台は衛星写真をもとに実在の場所を忠実に再現したものです。
一方、こうした戦闘シミュレーションは、単に戦闘技術を身につけるだけでなく、実はもう1つの意味が隠されていると専門家は指摘します。
「ピストルやライフルといった戦闘における外面は、ここ数十年でそれほど変わっていません。しかし、内面は大きく変わりました。戦争を話す時、素人は目に見えるものばかりを問題にしますが、プロは兵士の内面を問題にします。訓練は人殺しを条件反射で行える内面をつくりあげるものなのです。平均的な人間は、初めて人を殺すと吐き気をもよおしたり、精神的な障害を患います。しかし、ほとんどの人はだんだんと慣れていきます。ですから、兵士たちが戦争に行く前から、訓練によって100回、1000回と殺しの経験を積めば、実際に人を撃った時にショックを受けずに済むのです。彼らは人殺しに対する罪悪感が完全になくなってしまっているのです」(戦争心理学を研究するデービッド・グロスマン氏)
グロスマン氏によれば、初めて戦争に参加した兵士が敵に向けて躊躇なく発砲できる割合は、第二次世界大戦当時わずか15%だったのがこうした訓練が導入された現在では95%以上に増加しました。 また、イラク戦争では戦争経験のない新人兵士たちが、4倍に当たる200名のイラク人兵に囲まれた際に、1人も命を失うことなく相手側兵士を全滅させたという記録もあると言うのです。こうした結果をもたらしたものこそがゲームによる訓練なのです。
ゲームを使ったこうした戦闘訓練は、軍の内部に限ったものではなく、実は、こうした形で子供たちの間に配られているのです。「アメリカズ・アーミー」。アメリカ陸軍が開発し、子供たちに無料で配布されているというゲームです。「陸軍公認」というだけあって入隊前にリアルな戦闘体験を味わえると言うのです。
ゲームを通じて人を殺すことを教える訓練。戦争に勝つためにアメリカが始めたこの試みは、圧倒的な強さとともに、戦争そのものをゲームにしてしまう危険性をはらんでいます。(18日 18:10)
[18日19時12分更新]
海外ニュース(JNN)