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『亜空間通信』1012号(2005/05/15)
【杉花粉症患者には朗報か日経エコノ探偵団「国産木材の生産なぜ回復?中国需要で国際市場激変】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
本日(2005/05/15)、日曜日の日経朝刊、約半頁分の巨大特集記事、「エコノ探偵団」欄に、「国産木材の生産なぜ回復?」「中国需要で国際市場激変」「競合する輸入材が品薄に」の大見出しである。
このところ毎日、期待を籠めて、東京都の花粉予報を見ている。異常気象の寒さの影響か、まだ、花粉が「少ない」との予報が、毎日、先に延びるだけである。今日も、21日まで、変化無し。
うぬっと思って、新聞を見ると、エコノ探偵団」欄記事は、朗報か、「中国にスギ輸出を始めた」との情報もある。
私は、以下の特集で、従来から当然の間伐・枝打ち「保育」をしていれば、小枝が増えず、花粉は少なくなると論じてきた。
日本国内の政治屋どもは、まったく見向きもしなかったが、「待てば海路の日和かな」、わが幼年・少年期の第2の故郷、中国からのスギ材注文が増えたのである。
ただし、油断は禁物である。あのド馬鹿、小泉レイプ事件の犯人が、靖国詣でなどを自粛しないと、中国で、日本からの輸入反対などの動きが出ないとも限らない。
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/kahun-sakusen.html
ヒット数は4,705
杉花粉被害放置政策に猛然反撃の独立反乱!
“杉林焼き払い放火作戦”
開始宣言!
http://www.jca.apc.org/~altmedka/kahun-4.html
ヒット数は968
編集長の毒針:緊急課題!
杉花粉被害放置政策に猛然反撃の独立反乱!
“杉林焼き払い放火作戦”開始宣言!
(その4)間伐・枝打ち「保育」を嘲笑う「外材」圧力
さて、前回の終りに、「雄花は……小枝端に穂状に群がってつく」との『世界百科事典』記事を示した。間伐や枝打ちをしないと小枝が増える。雄花が増え、雄花がまき散らす花粉が増え、しかり、しこうして、杉花粉症患者が激増するのは、必然的な結果である。
ところが、東京都の場合、間伐とか枝打ちとかは、衛生局の環境保健課の仕事ではなくて、労働経済局農林水産部林務課の縄張りになっている。国の場合は林野庁である。そこで、またまた、電話料金の激増を気にしつつも、そちらに電話すると、受話器を取った職員は、移ったばかりで事情を知らないから、詳しい担当者から電話させると言う。これが、ちゃんと掛かってきた。ああ、電話料金が助かる!
東京の杉の保育は1巡に30年とは気が遠くなる
で、返事を要約すると、あくまでも標準で強制ではないが、間伐は、苗を植えて20年から35年の間に3回、枝打ちは普通の4-6米の長さの材木用の場合、11年から20年の間に1,2回としているそうだ。間伐、枝打ちが行き届いた杉の林は、整然としていて、天井に葉が繁り、下には木洩れ日しか射さないから、あまり小枝は生えてこないようである。ただし、放置して置けば、木が伸びて上の方に小枝が繁る。
ところが、民間の林業は杉材が売れずに廃業状態だから、林業農家は、ここ30年、業界では「保育」と呼ぶ「間伐、枝打ち」をしていない。杉林は、荒れ放題となっている。
本シリーズ(その1)で報告したように、民間の林業への「間伐ウンダラカンダラ」補助金の国家予算が、5か年に476億円となっている。これが全国の都道府県に配分されるのであるが、東京都には今年、何と、2千2百万円しか届いていない。「少ない」と驚くと、「杉林の面積が全国でビリかその上くらいで少ないから」と言う。
しかし、さらに都の予算からも、約2億円が追加されている。合計、約2億2千万円。この金額で「保育」できる杉林の面積は、毎年、6百から7百ヘクタ−ル。約5千ヘクタ−ルの保育が終了して、残りは、約2万ヘクタール。
ええと、ええと、で、この際、暗算はヤバイから、計算機を叩いた。何度も検算したから間違いないはずだ。残りを全部「保育」するのに、何と、30年は掛かる。終了分も含めた約2万5千ヘクタールを考えると、毎年、7百ヘクタ−ルづつ「保育」するとしても、35.7年で1巡の計算となる。つまり、「保育」の1年を引いて34.7年は、「保育」なしで放置される可能性がある。その場合に、どの程度、荒れるのか。これには、答えがない。「林業」の「標準」の範囲を、はるかに超える事態なのである。
以上の「保育」については、その後、永田町に本拠を置く林業の全国団体、全国木材組合連合会から得た情報もあるが、話が複雑になるので、そちらは後回しとする。
「貿易自由化」「アメリカ帝国主義」「海賊帝国」の黒い影!
さて、ではなぜ、日本の林業が破壊されたか。これも、単に世間常識の「輸入材木が安いから」で済ますと、迫力がなくなるので、具体的に数字を求めた。
なぜか、これは、最初に電話を掛けてみた通産省こと通商産業省の仕事ではなくて、林野庁国内貿易対策課の仕事だった。国内貿易対策課がファックスで送ってくれたグラフ、「木材(用材)自給率の推移」には、1990年から1998年までしか描かれていないのだが、それ以前の追及は後回しにする。
「自給率」の折れ線グラフは、ググッと右下がりで、1998年に上向くのであるが、実は、この年には、バブル経済崩壊のあおりを受けて、木材の消費量全体が大幅に低下していたのであった。
縦軸の「用材供給量」(単位:万立方米)の内、「国産材」の方は、以下のごとく、着実な右下がりの継続である。
1990年:2,937
1991年:2,800
1992年:2,717
1993年:2,560
1994年:2,448
1995年:2,292
1996年:2,248
1997年:2,156
1997年:1,933
「国産材、外材の供給状況(1998年)」の円グラフを見ると、「外材」の最大面積、1位は、ああ、かの「アメリカ」21.2%、2位に「カナダ」12.7%、3位に「オーストラリア」8.3%とくれば、ああ、かの「鬼畜米英」の系統だけで、わがニッポンの「害財」(これが「がいざい」一発変換)、いや、「外材」輸入オリンピックのメダル、金、銀、銅、すべて独占ではないか!
1-3位の小計、いや、大計か、42.2%、ついでに「チリ」と7位を分ける英系の「ニュージーランド」3.8%まで加えると、46%となる。この数字は、「国産材」21.0%を含む全体を100%とする「用材供給量」に対しての計算なので、「外材」のみ、つまりは100から21を引いた89を100とする計算に直すと、51.7%となる、要するに、「外材」の半分以上が、かの「7つの海を支配した」海賊帝国イギリスの元植民地発になっているのである。ウヌ!
しかも、上記の日本の林業団体、全国木材組合連合会によると、これまた当然のことながら、やっぱり、「日米貿易摩擦」の関係で、中央段階では、「国産品愛護」は「差別」であるとして拒否されるので、「地元自治体」への「地元生産物利用」などの便法の工夫を、お願いしているのだそうである。
ああ、花粉で痛め付けられ目から、ああ、涙が出る。
涙よ、出ろ! 出ろ! 花粉を流すまで!(少し古い演歌の替え歌なのだ!)
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以上。
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