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ミサイル問題から見えてくる日本の未来
Weblog / 2005-05-14 12:13:26
「北朝鮮弾道ミサイル発射」「北朝鮮が核実験か」
世界を駆け巡るニュースに、相変わらず情勢・情報分析や状況判断が苦手な「危機管理欠落国ニッポン」が慌てふためいている。
北朝鮮が今月1日にミサイルを発射したことは事実であろう。それに、彼の国で核保有への態勢が整いつつあることも残念ながら確実のようだ。だが、情報の内容と背景をもう少し冷静に分析すれば、慌てふためく状況ではない事が分かる。
まず、ミサイル実験だが、これは「スィルクワーム(中国が開発したもの。一説には蚕に形が似ていることからアメリカがつけたニックネーム)」と言われる射程距離の短い(100キロ程度)もので、核兵器を搭載できる弾道ミサイルではない。昨年春にも同じ型のミサイルが発射された時、日本のマスコミが大騒ぎしたが、軍事的に見れば、あまり大きい意味を持つものではないのだ。だから、アメリカが「弾道ミサイルが日本に向けて発射された」と日本に通報してきた真意がどこにあるか、私はむしろその点に疑念を抱くのだ。
そして、冒頭で述べたように核実験の話にしても、確かにその恐れはこのところの北朝鮮の動きを見ているとないとは言えない。いや、核実験自体は可能性が高いかも知れない。だが、それすなわち、「核実験成功→核兵器大量生産→核弾頭ミサイルの保有」という段取りが整ったことを意味するわけではない。“最終シナリオ”までにはかなり時間がかかると見ていい。我々に残された時間はまだ十分にあると見ていい。
北朝鮮が日本にとって軍事的脅威であることに異論を唱えるつもりはない。だが、アメリカが言うように、北朝鮮が日本に向けてミサイルを放ち、攻め入ってくる可能性は今のところ考えられない。これは断言していい。北朝鮮は確かに独立国家であるが、中国とロシアとの関係抜きには存在し得ない状態にある。特に、中国からは、軍事面だけでなく経済面でも強力な支援を受け続けており、表面的な話は別にして、重要な政策転換は中国の“お許し”なしに行なえない状況である。私の目には、金正日の孤立を深める対日・対米政策も中国の承諾なしに行なっているようには見えないのだ。東アジアを強力な経済圏にして、「世界制覇」をも視野に入れて経済発展政策を取る中国が、本気でこの地域に戦火が広がるのを望んでいるはずはない。そのことからして、北朝鮮の動きが“最終局面” でないと私は判断する。
一方、アメリカは、それでは何故に日本に対して“極秘軍事情報”を流し、“警告”をし続けるのか。
アメリカが描く東アジアの将来で今一番恐れるシナリオは、中国と日本が手を組んでアメリカの影響力を排除して強力な経済圏を作ることだ。特に、日本や朝鮮半島をも含めた東アジア諸国を結集した「東アジア共同体」構想は、米国保守層にとっては最大の懸念材料だ。
それだけに、米国にとって東アジアは安定せずに、米軍がいつまでも日本や韓国に駐留し、それらの軍事プレゼンスを拠点に影響力を持ち続ける事が必要なのだ。対イラク戦争が始まる前にブッシュ政権の幹部が、「北朝鮮の核とミサイルの脅威」を日本に対して盛んに警告したことを思い出していただきたい。日本のマスコミは付和雷同の典型で、その情報を垂れ流し、国民に危機感を煽り、間接的にブッシュ政権を手助けした。その発言を日本への「自衛隊を出せ」との要求と翻訳した日本政府は、憲法論議も国内世論も無視して自衛隊をイラクに派遣したのだが、ブッシュ陣営はしてやったりとほくそえんでいたに違いない。
こうして見ると、米中の思惑が我々の頭を通り越して、又は頭上でぶつかり合い、せめぎあいをする中、それを見ておどおどする小泉さんの姿が浮かび上がってくる。
日本はもうアメリカの「ポチ」から卒業し、隣国に真っ直ぐに向き、隣人とこの地域の安定と発展を中心に考えるべき時に来ている。教科書問題や領土問題でもめているのではなく、歴史については共同委員会を作り、互いの認識と理解をきちんと深める一方、経済や文化の発展のためにこれまで以上の交流を深めていけば、日本の進むべき方向が見えてくるような気がするのだが皆さんはどう思われるだろうか。今回は、ミサイル問題から日本の将来のあり方を考えてみた。