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05/13 10:14 武装勢力が完全支配 おびえ、口閉ざす住民 斎藤さん襲撃のヒー
【ヒート（イラク西部）１３日共同】イスラム武装勢力におびえ
、口を閉ざす住民。写真撮影は禁じられ、カメラを取り出すことも
できない。英国系警備会社の斎藤昭彦（さいとう・あきひこ）さん
（４４）が襲撃された現場に近いイラク西部ヒート。共同通信のイ
ラク人助手が十二日、日本メディアとして事件後、初めて入った。
一帯は「ムジャヒディン」（イスラム戦士）と呼ばれるイスラム過
激派の武装勢力に完全に支配されていた。
「今すぐここを離れた方がいい」。日本メディアと名乗り、襲撃
事件について尋ねると、ある男性がこう言って声を潜めた。
ヒートとアンバル州の州都ラマディとを結ぶ高速道路沿いには鉄
工所や自動車修理工場が並ぶ。だが頻発する事件のため、ほとんど
人の姿がない。ヒートの東約一・五キロの道路脇で、黒焦げの車が
放置され、どす黒い血痕が残っているのを見た。
近くのガソリンスタンドの従業員は「昨日までイラク人らしい遺
体が三つあった。腐敗が進んだので住民がムジャヒディンの許可を
得て近くに埋めた」と明かした。
警備会社「ハート・セキュリティー」の発表に基づくと、襲撃事
件の現場はヒートから北西約三十キロ付近となる。しかしヒート東
方の沿道住民は、事件が起きたのと同じ八日夕、ここでも数台の車
に乗った外国人が襲撃される事件を目撃し、米軍が外国人の遺体を
回収していったと証言した。真相は不明だ。
ヒートはユーフラテス川のほとりの小都市。イスラム教スンニ派
が大半で、多数のモスク（イスラム教礼拝所）がある保守的な土地
柄だ。
目抜き通りの市場には買い物客があふれ、他の都市と変わらない
日常があるのに、奇妙な静けさが漂っていた。
警官の姿が消えていた。見かけたのは交通整理の二、三人で、そ
の一人アブフサイファさんは「去年秋に三つの警察署が爆破された
。ムジャヒディンから脅迫状が届くし、給料ももらえないので皆、
家にいる」。
ムジャヒディンがわが物顔で歩いているわけではない。姿は全く
見えない。だがイスラム教義の厳守を迫る過激派に住民がおびえて
いることは手に取るように分かった。
目抜き通りのモスクの壁にはムジャヒディンの声明が多数張られ
ていた。米軍に対する「戦果」を発表するビラに混じって「理髪店
はひげをそってはならない」「薬局や医師は不当に高い報酬を受け
取ってはならない」との張り紙があった。
市場のＣＤ店には宗教音楽やムジャヒディンをたたえる歌しかな
い。ヒートでは有力モスクの宗教指導者が影響力を持っているとい
う。
元教師の男性は自宅に招き入れた後、とたんに雄弁になった。「
住民のほとんどはムジャヒディンに反対し、嫌気がさしている。で
も怖くてそれを口にできないんだ」
20050513 1014
[2005-05-13-10:14]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。