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ブッシュ大統領が、ソ連によるバルト併合や東欧支配をもたらしたヤルタ合意を「史上最大の過ちの一つ」と言明
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/172.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 5 月 10 日 16:02:18: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu94.htm
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ブッシュ大統領が、ソ連によるバルト併合や東欧支配を
もたらしたヤルタ合意を「史上最大の過ちの一つ」と言明

2005年5月10日 火曜日

◆「ヤルタ合意」評価対立 米/欧州分断、最大の過ち 露/世界を破局から救った
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050509-00000001-san-int

【モスクワ=内藤泰朗】ブッシュ米大統領はロシアで九日に行われる対独戦勝六十周年記念式典を前に、第二次世界大戦戦勝国の米英ソ首脳が戦後の世界秩序を決めたヤルタ会談(一九四五年二月)を批判した。戦勝国大統領が先人の誤りを認めたのは異例中の異例。

 これに対し、ロシアのプーチン大統領は会談こそ世界を破局から救ったと言明、北方領土問題を生んだヤルタ会談をめぐる米露の歴史認識の違いが浮き彫りになった。

 ブッシュ大統領は七日、ラトビアの首都リガで演説、第二次大戦後、ソ連によるバルト併合や東欧支配をもたらしたヤルタ合意を「史上最大の過ちの一つ」とし、「安定のため小国の自由を犠牲にした試みは反対に欧州を分断し不安定化をもたらす結果を招いた」と言明。そのうえで合意を容認した米英ソの戦勝国側の責任にも言及した。

 だが、プーチン大統領は七日付仏紙、フィガロで、ヤルタ会談について「米英ソの三首脳がナチズム復活を阻止し、世界を破局から防ぐ国際体制を目指して合意した。その目的に沿って国連も結成された」と、合意を積極的に評価、米露首脳の認識が真っ向から対立していることを露呈した。

 ロシアのイワノフ国防相も七日、ロシアが大祖国戦争と呼ぶ第二次大戦で戦った退役軍人との会合で、バルトがソ連の「占領下」にあったとしたブッシュ発言に、「ばかげたこと、無意味なことだ」と反発を強めた。

 ヤルタ合意は北方領土問題発生の原因ともなっており、ロシアが今後も密約の正当性に固執すれば、領土返還を遠ざけることにもなりかねない。
 ブッシュ氏は八日、モスクワでプーチン大統領と会談。誤った歴史を自ら正す勇気を持ち、自由と民主主義の価値観を中心に据えた国家こそが「偉大な国」となり得るのだということを友人として訴える見通しだ。
     ◇
 【ヤルタ合意】1945年2月、ルーズベルト、チャーチル、スターリンという米英ソ3カ国の首脳が、現在のウクライナの黒海沿岸にある保養地、ヤルタのリバディア宮に集い、欧州を東西に分断して、戦後の勢力圏を分け合った。これがその後の東西冷戦の原点となった。ソ連の対日参戦と引き換えに南樺太など北方の領土を与えるとした密約もこのときなされている。
(産経新聞) - 5月9日4時59分更新

◆米国におけるヤルタ会談の評価 カワセミの世界情勢ブログ
http://kawa-kingfisher.cocolog-nifty.com/blog/

ヤルタ会談を否定的に評価するブッシュ大統領の発言が話題になっている。「東欧を共産主義の手に渡した」と過去の米国の政策を自己批判した。これは米国の外交姿勢としてかなり大きな変化ではある。ここで国内の対民主党への批判構図を持ち出すのはさすがに考えすぎだろう。ただ練られた発言であるとは思う。ライス国務長官の影響もあるかもしれない。ここでプーチン大統領が「ファシズム打倒のための結束である」と素早く反応しているのも感覚としては良く分かる。(中略)

 このヤルタ体制関連に関して、もはや蛇足もいいところだが一応背景も含めて述べる。第二次大戦開始前は、英仏あたりには「ヒトラーとスターリンどっちがマシか」という究極の問いが存在していた。ここでドイツに傾く人が多かったのは当時の基準としてはさしておかしくもない。フィンランドとの戦争でソ連がイメージを落としていたのも案外効いていたようだ。もちろん歴史はドイツを強く否定する事になったのは皆ご存知の通りだ。結局ドイツが欧州ローカルで圧倒的なのが二度の世界大戦の原因だということで戦後の厳しい仕打ちがあったわけだが、そういう背景の反動という側面もある。そのための東欧の犠牲は、米国はともかく英仏あたりはやむなしの構えだった。戦後のフランスの露仏同盟もどきの行動など私に言わせれば悪質だが、ただ陸軍国の戦争の悲惨さを思うと一刀両断にも出来ない。時間が経過し、ドイツが穏やかに復活する様子を見れば、ここまでの犠牲は必要なかったとの揺り戻しがあるのはおかしくもない。

 もっともこれは大戦直後にはっきり考えられていたともいえない。案外軽視されているが、米国は大戦直後には本気で五大国(現常任理事国)の世界統治を考えていたフシがある。常任理事国の軍事参謀委員会のようなものもあった。もちろんあっという間に役に立たなくなったが。この付近での対ソ認識の極めて甘い時期がソ連に貴重な時間を与えた。冷戦の成立はジョージ・F・ケナンのX論文以降といって良いだろう。この前後で対ソ戦のオプションもあったようだが手遅れで無理だった。そうこうするうちに朝鮮戦争と相成る。後はどうにもならない。(中略)

そしてこのブッシュ発言そのものは、客観的立場でも、実際に犠牲になった東欧諸国の立場でもヤルタ会談を否定する内容はその通りだとしか言いようが無く、ロシアの言い分は無理筋ではある。結局すべてに首尾一貫するしかない。ただそれが第二次大戦後の国際秩序の否定かというとそれほどの意味は無いだろう。ただ米国の思いとして、せいぜい第一次大戦後のイメージ(まぁアジアは抜くとしても)に近くなり、それでも微調整程度に考えているとしたら、実際の当事者はそれだけでも大事になって大変かなぁ、とは思う。


(私のコメント)
アメリカのブッシュ大統領がヤルタ合意を批判したというニュースはどういうことなのかわかりませんが、F・D・ルーズベルト大統領のした事を批判したという点ではわかるような気がする。ルーズベルトがアメリカの大統領のうちでは一番左翼的大統領であり、ソ連を救い、領土を拡大させたことに貢献した。それに対してブッシュ現大統領は一番右翼的な大統領であり、ソ連を崩壊させたライスが国務長官であることも象徴的だ。

以前の株式日記でもブッシュが靖国神社参拝を打診したことを書きましたが、これも東京裁判をしたルーズベルトやトルーマン大統領への批判の現われと言う意味では共通している。しかし外務省はこの意図を理解できず断っている。日本には外務省をはじめアメリカの専門家も沢山いると思うのですが、共和党のブッシュ大統領の右翼的性格を認識していない人が多い。

ブッシュ大統領の支持基盤はキリスト教右派ですが、共産主義による独裁政権をもっとも敵視しているから中国に対しては風当たりも強い。だから北朝鮮に対しても本気で潰しにかかるだろう。中国も六カ国協議で北朝鮮を説得するように頼んでいたのに逆に北朝鮮を支援して核開発に協力しているような格好になった。これではブッシュも怒り出して北朝鮮に対して先制攻撃も辞さないだろう。

ヤルタ合意の批判に対してプーチン大統領は世界の破局から救ったと弁明しているが、バルト三国からの謝罪要求に対しても突っぱねていますが、ソ連とロシアとは国も体制も変わったのにスターリンを称えるような姿勢は共産主義のソ連も現在のロシアもほとんど変わらず、ロシアの国力が回復すれば冷戦構造に逆戻りすることを暗示している。

共産主義という国家は崩壊しても地政学的な対立構造はそのまま残り、戦略物資の石油の獲得などにおいても資源を有する大陸国家のロシアと海洋国家のアメリカは対立せざるを得ない。だからブッシュのヤルタ合意批判は東欧やバルト三国に対するリップサービスだけではなく、これからの戦略を見据えたプロパガンダなのだ。

ヤルタ合意批判は日本の北方領土問題も絡んでくることでもあり、南カラフトや千島列島などもソ連に割譲されましたが、ルーズベルトは病死していなければ北海道と青森あたりをソ連に引き渡していたかもしれない。末期のルーズベルト政権はソ連のスパイに操られてヤルタ合意が結ばれてしまったが、このために鉄のカーテンが下ろされてソ連の周辺国は共産化してしまった。ルーズベルトはやがてはアメリカ本国をも共産主義国化することを考えていたと思われる。

しかし戦後のマッカーシー議員による「赤狩り」で共産主義者が追放されてアメリカの共産主義化は防がれましたが、ルーズベルトが病死しなければ危ないところだった。原子爆弾の製造法などがソ連へ引き渡されたのもそれだけアメリカの民主党内部に共産主義のスパイが入り込んでいたことの証明であり、当時野党であった共和党はその点などを突いて民主党を攻撃している。

確かに日独とアメリカとは共産主義に対する認識のズレがあり、日独を共産主義に対する防波堤とする考えはルーズベルトにはなかった。またそれが民主党の基本政策でもあり防波堤を逆に突き崩して共産主義を広めようとルーズベルトは考えたのだろう。その伝統はクリントンに引き継がれて日本弱体化政策に繋がり、さらに中国へ大陸間弾道弾ミサイルの技術も引き渡された。

アメリカというと反共産主義の総本山のよな認識がありますが、民主党の中には共産主義のシンパが大勢おり、ルーズベルトやクリントンのような民主党左派の大統領が選ばれると中国などの共産主義国家が活気付く。恐らく秘密の連帯組織があるのだろう。ブッシュのような右翼の反共産主義者が選ばれた背景にはクリントンのリベラルすぎる姿勢が批判されたためだ。つまりソ連が崩壊しても共産主義イデオロギーが崩壊したわけではないことがアメリカ国民にも認識されたからだ。


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