現在地 HOME > 戦争70 > 161.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
以下引用
<邦人拘束>斎藤さんの勤務会社 米軍の警備支援が業務
斎藤さんが勤務していたのは、英国の警備会社「ハート・セキュリティー」。同社は、米軍の警備支援に当たっていた。外務省はこうした日本人の活動実態などについて「分からない」としているが、イラクの情勢に詳しい専門家は「米軍はコスト削減などのため導入しており、報酬は高額だ」と指摘している。
「ハート・セキュリティー」社は、民間や政府に対して誘拐や海賊行為といったテロリズムへの危機管理を指導する私企業。99年に英国の軍事専門家がロンドンに設立、現在はキプロスに本店がある。実態的には「プライベート・ミリタリー・カンパニー(民間軍事企業=PMC)」の色彩が濃い。
イラクでは、米軍基地を拠点に活動し、イラク軍1500人の訓練にかかわっているほか、イラク軍兵士の採用業務を実施。イラク人とのコミュニケーション法なども指導している。また、民間の物資補給会社の危機管理や計画の作成を支援している。
イラク移行国民議会選挙の際には、駐留米軍と協力して、安全確保の作戦を一部受け持った。斎藤さんが所属するとされるキプロスの海事部門は、イラク移行政府へのコンサルタント業務を行っている。
一方、イラクやスーダンなどで英国放送協会(BBC)の記者に専属マネジャーを張り付け、安全を確保しているほか世界食糧計画(WFP)の活動も支援している。
同社の給与は、コンサルタント業務で日給約6万〜7万円。高給にひきつけられる関係者が後を絶たないようだ。ロンドンのほか、米、露、シンガポールなど8カ国に事務所を展開。過去5年間にアフリカ、南米など80カ国以上で業務を展開している。【ロンドン藤好陽太郎】
◇ ◇
「パスポートが本物であれば、秘匿性の少ないボディーガードなどセキュリティーコンサルタント的な仕事だったのだろう」。そう推測するのは、アフリカなどで雇い兵の経験があるセキュリティーコンサルタントのテレンス・リーさんだ。
リーさんによると、米国などは近年、兵士などを抱えるコストを削減するため、有事のみに利用する雇い兵やボディーガード的な仕事を民間会社に依存する割合が大きくなっている。紛争地の場合には危険手当がつくので報酬が高く、雇い兵の仕事に就く日本人も最近では珍しくないという。
軍事評論家の江畑謙介さんは「イラク国内には、雇い兵が少なくとも2万人いる」と言う。多くは、冷戦終結後の軍縮で職を失った元軍人などで、最新の武器を使いこなせる即戦力が重視されるという。「日本人はそう多くない」とみるが、精鋭が集まる陸上自衛隊第1空てい団にいたとされる斎藤さんの経歴が買われた可能性もある。
米軍が雇い兵を使う背景について、中東調査会上席研究員の大野元裕さんは「米国内で軍法会議で罰せられるのを覚悟したうえで軍務を拒否する人が増え、逆に志願する人が減っている事情がある」と説明。大野さんは「米軍は複数の警備会社と契約し、軍がやるべきことを担わせている。その意味で今回の事件は戦争の隠れた一面を浮き彫りにした」と言う。
ただ、こうした形で日本人が襲われたことに関係者らの思いは複雑だ。米軍が警備会社に警備を担わせている状況などから、軍事アナリストの小川和久さんは「日本人だから狙われたのではなく、敵の戦闘員とみなされたのではないか」とみる。
「拘束されたのが日本人だったことはショック」と話すのは、フリージャーナリスト集団「アジアプレス」の野中章弘代表だ。野中さんは「イラクには多くの国や世界中の会社がかかわっている。この事件で明らかになった治安状況が、イラクの現実そのものだ」と指摘する。
元外務省国際情報局長の孫崎享防衛大教授は「最近は米軍が現地の非戦闘員に治安をあずけていることもあり、米軍以外のグループが武装勢力に襲われることが増えてきた。今後も起こりうる事態だ」と警告する。
(毎日新聞) - 5月10日13時2分更新
引用ここまでURLhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050510-00000033-mai-int