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日本共産党機関紙赤旗はここ1週間ほど新しい歴史教科書への徹底した批判の特集記事を行っている。
反日デモの主要な原因でありながら日本のメディアが触れようともしないその新しい歴史教科書とは一体どういう代物なのか実にわかりやすく説明してくれ非常に有意義な内容となっている。
今回はその中から笠原十九司・都留文化大教授による「新しい歴史教科書」批判の箇所を紹介したい。
笠原教授によると「新しい歴史教科書」の特徴は「都合のいい話を繋ぎ合わせてストーリーを作っている」ということにあるという。
例えば、日露戦争について扶桑社の教科書はこう記述しているという。
『植民地にされていた民族に独立への希望を与えた』
そして欄外にはインドの政治家ネルーの以下の言葉が紹介されているのである。
『もし日本が最も強大なヨーロッパの一国に対して勝利を博したとするならば、どうしてそれをインドがなしえないといえるだろう』
しかし実はネルーがこの言葉を書いた書籍には次の一節が後部に書かれているのである。
『日本のロシアに対する勝利がどれほどアジアの諸国民を喜ばせ小躍りさせたかをわれわれはみた。ところが、その直後の成果は少数の侵略的帝国主義諸国のグループに、もう一国をつけくわえたにすぎなかった。そのにがい結果を、まず最初になめたのは朝鮮であった』
『日本は帝国としての政策を遂行するにあたって、まったく恥を知らなかった。ヴェールでつつんでごまかすこともせずに、おおっぴらに漁りまくった』
つまり帝国主義同士の戦争であったというネルーの日露戦争への評価を、その都合のいい部分だけを切り貼りし、日露戦争は美談であると思わせているのである。
もちろん「歴史のつまみぐい」はこれだけではない。例えば扶桑社の教科書では「日本のシンドラー」こと杉原千畝のエピソードを載せ、さも日本政府が人種差別と戦ったかのような構成になっているが、実際は当時ナチの要請で上海にユダヤ人強制隔離地区を設け、監視下においていたのである。
まさに笠原教授の主張するように「新しい歴史教科書」は「学問としての歴史ではなく物語」でしかないのである。