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政治部 斉藤徹弥(5月2日)
大野功統防衛庁長官が4月から「金曜会」と名付けて毎週金曜日に自衛隊制服組トップの統合幕僚会議議長や陸海空三幕僚長と昼食をともにしている。同席する背広組は事務次官だけ。カレーライスを食べながら、部隊の運用や陸海空それぞれの課題などをざっくばらんに意見交換する。
きっかけは「長官と直接話す機会が少ない」との不満が制服組にくすぶっていたことだ。防衛庁・自衛隊では、文民統制(シビリアンコントロール)の観点から、長官の補佐は背広組の防衛参事官らが中心にあたる。この「防衛参事官制度」にかねて反発していた制服組は昨年、庁内の「防衛力のあり方検討会議」で見直しを要求し、理解を示した石破茂前長官が昨年8月に見直しを内局に指示した。しかし、長官の交代と内局・背広組の巻き返しもあって、同制度は現行のまま存続する方向に。そこで制服組の不満を解消しようと、大野氏が定期会合を持つことにしたというわけだ。
大野氏は石破氏ほど制服組寄りというわけではないが、部隊視察で隊員に担がれてみこしに乗ったり、隊員との懇親会では100以上あるテーブルをすべて回って激励するなど、昔ながらの政治家の付き合い方で現場の隊員や制服組幹部からそれなりの信頼を得ているようだ。
実力組織をいかにコントロールするかは政治の要諦(ようてい)だ。ただそのあり方は国によって異なる。例えば、いったん潜ってしまえば単独行動が原則の潜水艦。米ロでは政治将校も乗っているが、任務は艦内の監視程度で、艦の運用や作戦に口を出すことはまれとされ、全責任を負う艦長が絶対の権限を持つ。
ところが中国は事情が違うということが最近わかってきた。潜水艦に乗り込む共産党政治局員は、乗員とほとんど変わらない訓練を受け、艦の運用や作戦にもかなり精通しているという。「運用では政治将校の意向がかなり反映される場面がある」と防衛庁幹部は分析する。
昨年11月に石垣島付近で日本の領海を侵犯した中国の原子力潜水艦は、狭い水路の海底を縫うように通り抜け、「ナビゲーション能力はかなり高い」と防衛庁を驚かせた。ただ尖閣諸島直前でUターンしたり、蛇行を繰り返すなど、不可解な行動も残した。防衛庁の分析では「乗艦していた政治将校が知らない間に艦長が領海を侵犯し、慌てた政治将校が運用に口を出した結果、変則的な行動を繰り返したのではないか」との見方が出ている。
海上自衛隊の場合、潜水艦に内局の背広組が乗ることはない。「乗艦している自衛官は法的事項も含め、あらゆる事態に対応できる能力を備えているという信頼が前提にある」と内局幹部は解説する。一方で、戦前の「軍部の独走」を抑えられなかった反省として、制度的には防衛参事官など文民統制を重んじた形をとっている。実際、内局の局長級より上の幹部には「自衛官を監視し、行き過ぎを抑えるのが自分たちの仕事」との意識が強い。
しかし、自衛隊の海外派遣が恒常化し、国際社会にいかに貢献するかが問われるようになって、職員の意識にも変化が出始めている。課長級以下の中堅・若手に話を聞くと「先輩には自衛隊の独走を抑えろと言われるが、今の時代は現場の部隊と一緒に何ができるか考えるのが自分たちの仕事ではないか」と自問自答することが多いという。
「軍人として戦争の本当の姿を知っているからこそ、自衛隊の海外派遣には慎重になる」。かつて自民党や社会党を問わずこう言い続けてきた戦前戦中派の世代が政界から姿を消し、自衛隊を軍隊と位置付ける憲法改正や自衛隊の海外派遣を一般化する恒久法の制定が進もうとしている。「背広」と「制服」の関係も改めて問い直す時期に来ているのかもしれない。
http://www.nikkei.co.jp/seiji/20050430e1e2900w30.html
【ワヤクチャ】
文民統制はいかにあるべきか?ですね。
しかし、よく考えてみたら文民が好戦的で軍人が非戦的である場合もあるでしょう。
パウエルなんかは軍人出身で慎重派ですもんね。まあ、ポーズですが。
文民統制って、軍縮会議の開催をすることじゃないか?って思いますね。