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6月9日―メディアを創る
まだ騒いでいるのか靖国問題
中国から帰ってきた。日本の新聞はまだ靖国問題に関する相も変わらない記事ばかりだ。
中国を離れる直前の8日の北京飛行場に、橋本龍太郎が大勢のお付を従えて現れた。日本に帰って9日の新聞を見たら、橋本がトウカセン国務委員(元外相)と会談したという記事があった。
同じ9日の新聞に、加藤元自民党幹事長が野田聖子や園田博之ら派閥横断の議員を連れて日中関係改善に向けて訪中するという記事がのっていた。
そうかと思ったら、町村外務大臣が、訪中した野田毅議員を「中国に行ってゴマをする人がいるから日中関係がおかしくなる」と批判して野田議員と喧嘩している記事がのっていた。おまけに9日の朝日新聞は、この喧嘩について、「外交で政府がしくじっている時に、見かねて動いた議員外交を貶めるのはいかがなものか」などと野田毅を弁護するようなピントはずれの意見を述べている。
一体この国はどうなっているのか。今日本が国を挙げて行うべきは、国益を損ねた小泉首相を辞めさせることだ。それができなければ小泉首相に8月15日の参拝をさせたらどうか。元総理経験者や国会議長が参拝を止めろといい、小泉首相が一人信念を曲げないと言い張る、それをメディアが毎日のように報道する。テレビのコメンテイターは堂々巡りの評論を繰り返す、まるでこの国は極楽のような国だ。もっとすることはあるはずだ。論じる事はあるはずだ。
中国詣でをする議員たちは何をしに行っているのか。中国の言い分を御用聞きに行っているのか。それならば必要はない。中国の態度は一貫して明らかであるからだ。小泉首相の靖国参拝の正しさについて中国を説得する為に行っているのか。それならばむしろマイナスだ。小泉首相が説得できなかったことを下っ端がやって何になる。中国の意見を伝えて小泉首相に参拝を止めさせようとしているのか。それは無意味だ。小泉首相が聞く耳を持つはずは無い。
結局はパフォーマンスではないのか。中国とのパイプがあることを誇示するために政治家がぞろぞろ中国詣でをしているのだとすれば小泉首相以下のパフォーマンスだ。
日本のメディアも国民もよく考えるべきだ。日本国総理の参拝は不適切であり間違いなのだ。それでも小泉首相が強行するのであれば、8月15日に約束通り行ってみろと突き放せばいい。どっちに転んでも小泉首相はおしまいだ。
イラク戦争の評価は定まった
ブッシュ大統領がどのような強弁を繰り返そうとイラク戦争の評価は定まった。それはイラク情勢がいつまでたっても改善しないからではない。あれほどブッシュ大統領を支持した米国民の過半数がいまやあの戦争を支持しなくなったからだ。
9日の各紙は米紙ワシントンポストとABCテレビの合同世論調査の結果を報じている。それによるとブッシュ大統領の不支持率は52%と就任以来最低に落ち込んだのみならず、イラク戦争が「泥沼化している」と答えた人は65%に上り、「イラク戦争後も米国は安全になっていない」と考える人も52%となった。これらの数字はこれからも増え続けていくであろう。いくらブッシュ大統領が強がりを言ってもイラク戦争に対する米国民の評価は定まったのだ。世界の世論の評価はとっくに定まっているのであるから、これで文字通りイラク戦争は失敗だったということになる。
それににもかかわらずブッシュ大統領が米国の大統領にとどまっているところに世の中の矛盾がある。理由も無く命を奪われた無辜のイラク人の無念さが悲しい。
それにしても日本人の無神経さはどうだ。泥沼化したイラク情勢に誰も関心を示さなくなった。いまでも自衛隊が駐留し続ける不当さと税金の無駄遣いを誰もとがめない。それよりもなによりも、あの戦争をあっけらかんと支持し、ブッシュ大統領の言いなりになり続ける小泉首相を、許してしまう無神経さ。不正や不条理に対する日本人の感覚の鈍さに、私は時として耐えられない虚しさを感じるのである。
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