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対日攻撃の対処策検討 朝鮮半島有事で政府
2005年06月08日06時23分
政府が朝鮮半島有事を想定し、北朝鮮によるテロや武力攻撃に備えた危機管理策を検討していることが明らかになった。日本に直接侵攻してくるとは見ていないものの、朝鮮半島有事で自衛隊が米軍支援に動けば日本が攻撃される可能性もあると判断。被害を最小限に食い止める措置を整備したい考えで、有事法制の一環として都道府県が今年度中に定める国民保護計画に反映するよう促す方針だ。
朝鮮半島有事を想定したシミュレーションは、米同時多発テロをきっかけに02年に始めた。内閣官房の安保、外交、危機管理、情報分野の担当者や関係省庁が参加し、国際情勢の変化などに応じて適宜、更新している。
政府は、米朝間で軍事衝突に至った場合、自衛隊が米軍への後方支援や補給・修理に動けば、北朝鮮が妨害に出ると分析。テロやミサイル攻撃、原発などへのゲリラ攻撃の可能性があると見ている。
生物兵器テロは天然痘や炭疽(たんそ)菌などによる攻撃を想定。02年当時は250万人分程度だった天然痘ワクチンを日本の人口分相当まで増やし、炭疽菌については「風上や屋内に移動する」「周囲を早期に封鎖する」などの措置を周知させておく必要があるとしている。化学兵器テロ対策では、自衛隊や警察を中心に検知や除染の能力向上を図る一方、解毒剤の所在地や担当者の確認、搬送体制の整備が急務とした。
ミサイル攻撃については、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」を想定し、核搭載の場合は1発で数十万人の死傷者が出ると予測している。日本への到達時間は7分程度とあって「有力な対抗手段はない」とし、ミサイル防衛の整備や発射兆候探知の能力向上、国民への通報制度の改善などが必要としている。
ミサイルに生物兵器が搭載された場合は、大気圏突入時の摩擦熱による死滅や風による飛散で脅威は減じるとし、化学兵器についても生物兵器より死傷率が高まるものの壊滅的な被害にはならないとした。
政府は、93年から94年にかけての朝鮮半島危機では米側と作戦計画を練った。その後、周辺事態法が成立し、03年には武力攻撃事態対処法など有事関連法が成立。
一方で政府は、有事の際の国民保護について今年3月に「国民の保護に関する基本指針」を発表。着上陸侵攻や弾道ミサイル攻撃など4類型の武力攻撃事態を示した。背景には朝鮮半島有事のシミュレーションがあり、こうした考え方は、秋に予定されている国民保護指針に基づく実働訓練に生かす。政府は今夏をめどに、都道府県が住民向けに作る国民保護計画の広報用資料として、それぞれの兵器の特徴や効果的な避難・防衛策なども紹介する方針だ。
http://www.asahi.com/politics/update/0608/001.html