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ギャラップ社の調査によれば、アメリカ人で聖書の「創世記論」を信じている人は48%で、ダーウィンの「進化論」を信じている人は28%。学校では「進化論」を教えるかどうかの議論も起こっています。
ニューヨーク・タイムズの一面に載った全国世論調査では、公立学校で人類の起源として聖書の『アダムとイブ』の天地創造説を教えるべきだという人が79%。しかし、「進化論」も教えるべきだも80%くらいいて、結局68%の人が「進化論も創世記論も信じられる。神の導きで人間に進化した」という立場をとっています。なお、30%の人が「天地創造も"科学理論"として教えるべき」とし、20%の人が「進化論だけ教えて天地創造には触れない」としています。
ギャラップ社の調査に戻れば、アメリカ人の7割は悪魔の存在を信じているとなっています。
共和党の強力な支持母体は宗教右派(宗教右派は共和党の最大勢力で、50州の共和党のうち30ほどの州をその宗教右派がコントロールしていると言われ、その宗教右派の支持をとりつけないと共和党では大統領候補になれないらしい)と全米ライフル協会ですが、その宗教右派の一派の「モラル・マジョリティー」という集団は、中絶反対運動とともに子供たちにダーウィンの「進化論」を教えるのをやめさせる運動もおこなっています。中絶の成否についてはアメリカでは常に大きな政治問題です。これも、上のあるような信仰という事情によります。中絶をおこなう医院が宗教右派の原理主義者によって爆破される事件なども起こっています。
アメリカでは保守的な福音派が人口の4割を占め、宗教右派は人口の2割近くになると言われています。ブッシュもこの中にはいります。
福音派というのは”教会の権威や儀礼よりも聖書、なかでも新約聖書を重んじ、そこに書かれていることを歴史的事実として、何の解釈も加えず信じている人々”とされています。
アメリカのキリスト教指導者の間でも、宗教右派を除くと、多くはイラク戦争に反対していました。世界規模のイラク反戦デモは、一説にはキリスト教内部の拮抗で生まれたものとも言われていたくらいです。
ブッシュの所属するプロテスタントのメソジスト教会の指導部が、3月20日のイラク攻撃の前に、イラクとの戦争に反対し、他の教派の指導者と一緒にブッシュに反戦のメッセージを伝えるため面会を求めました。けれどブッシュは拒否したままイラク戦争に突入しています。3月20日、アメリカのイラク攻撃が現実のものとなった時、メソジスト教会の指導部は「イラクへの先制攻撃を深く悲しみ憂う。この侵攻は米国の新しい軍事政策を意味する。世界の人々は、この戦争の正当性をめぐり意見が分裂したままだ」と批判しましたが、ブッシュは意に介さず、一週間後には「イラクが報いを受ける日は近づいている」と軍関係者を激励、「神よ、米国に祝福を」と演説をぶちました。”教会の権威や儀礼よりも聖書を重んじ、そこに書かれていることを歴史的事実として、何の解釈も加えず信じている”様がここにも表れているのかもしれません。
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media@francophonie
フランス語圏プレスの記事の紹介と翻訳
http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/archives/21055665.html
2005年05月06日
アメリカ:進化論裁判
Darwin devant ses juges au Kansas
ダーウィン、カンザスで陪審員の前に引きずり出される
5月4日付け ラ・リーブル・ベルジック PHILIPPE PAQUET
元記事はこちら http://www.lalibre.be/article.phtml?id=10&subid=83&art_id=218547
アメリカはカンザスの公立学校で、子どもたちにいかに「人類の起源」について教えるかという問題が裁判沙汰にまでなったというリーブル・ベルジックの記事をご紹介します。昨日(4日)、アメリカでは新種の恐竜の化石が発見されてニュースになったばかりですが、こういう「恐竜の時代」とキリスト教の「天地創造」説をどうやって両立させるんでしょうね。まことに不思議です。
(翻訳はじめ)
6日間の審問、およそ20名の「証人」、そして弁護士も欠かすことはできない。木曜日からカンザス州の州都トピカで、進化論はまたしても法廷に引きずり出される。このアメリカ中西部保守州の教育委員会は、こうして論争を再燃させようとしている。もっと詳しく言うと、若いアメリカ人に教えられるべき人類の起源は何かという口論である。
学者らを唖然とさせ、世界中を笑わせるようなこの手の議論は、しかし新しいものではない。1859年に「種の起源」が公刊されてから50年後、アメリカの急進的プロテスタント教会は「天地創造」説の原理を公刊し、聖書の教えを否定する進化論にすでに反対していた。1925年にはテネシーで、ジョン・スコープスという若い教師が、生徒たちに人間はサルの子孫だと教えたために罰金刑を課された。
この有名な裁判以来ずっと、双方の理論の支持者らは対立を続けてきた。アメリカ各州や各市町村の教育委員会では、選挙で多数派が代わるたびに、多数意見に有利なように方針が変更された。教育委員会という機関は一般に地元の名士によって構成されており、公立学校における教育課程決定の権限を持っている。公立学校は教育委員会の定めた大筋の教育方針を尊重しなければならない。
教科書で進化論を教えることを端的に禁じることができないので、進化論の科学的な妥当性に反論したり、進化論を数ある理論のうちの一つにすぎないと紹介するためのテクニックが問題になる。その後、表現の自由の名の下に進化論に代わる人類の起源の説明方法が模索される。こうして、2002年9月、アトランタ近郊のコッブ(ジョージア州で2番目に大きな地方)教育委員会は、「ある種の宗教的信念、宗教一般、あるいは無宗教に対して、賛成・反対の立場から闘うため」と自己弁護しつつ、天地創造説を学校で教えることを義務化した。
カンザスのケースが良くあらわしている現象の中心問題は、しかしながら宗教である。天地創造説十字軍の先鋒である同州の教育委員会は、保守派が多数派になって天地創造説が市民権を得るより前の1999年に、すでに進化論を否認していた。昨年11月の選挙でカンザスで返り咲いた保守派は、さっそく闘いを再開したというわけだ。
天地創造説から妊娠中絶や同性愛カップルの断罪まで、共和党は道徳的価値と宗教的な信仰心に則った戦略をうちたてることによって、カンザスのような州の支配を磐石にしようとし、これに見事に成功した。カンザスのような不景気が深刻な州では、選挙では当然民主党が有利になると見られていた。
さらに広い層に訴えるために、現在の天地創造説の焼き直しでは「神」はあまり強調されず、現存生物の出現とその多様性を生み出した「知的な構想」という面を押し出している。トピカで進化論擁護者に対抗して弁論を行うのは、この「知的な構想」説の推奨者である「インテリジェント・デザイン・ネットワーク」会長、ジョン・カルヴァートである。
(翻訳おわり)
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