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週刊金曜日からhttp://www.kinyobi.co.jp/KTools/fusoku_pt?v=vol573より引用
かくて「満州事変」前夜へ(本多 勝一)
「ブッシュのペット」こと小泉純一郎氏の仕掛けた選挙の結果は見てのとおりである。元・自民党政調会長たる亀井静香氏が「こんなことをしていると日本は大変なことになりますよ。国民の皆さん、よく考えないと」とテレビで発言していた。
そう。だが、「よく考え」ることは、日本で“主流”を占める「国民の皆さん」はもうできまい。再びなんらかの「8月15日」的なものにぶつかるまで止まらぬだろう。その「大変なこと」(亀井氏)が、60年前以上の民族的危機に陥らぬことを祈るばかりである。
去年亡くなった石川真澄・元『朝日新聞』編集委員は、小選挙区制による無残な結末を当初から予言していた。第1次大戦後のドイツがヒトラーを登場させるに到った情況は、連合国側のやりすぎにも大きな原因があったが、今の矮小ヒトラーたる小泉を登場させた日本の情況には、そんな外的要因はほとんどない。
石川氏の死後1年にして今夏刊行された同氏著『戦争体験は無力なのか』(岩波書店)の中で、選挙制度に直接関連する一文「政権交替を妨害した小選挙区制」(2000年8月記)は、このときの総選挙(第2次森喜朗内閣発足)がすべて石川氏の指摘どおりになり、小選挙区選挙では「第一党」に対して不当に膨大なボーナス議席が与えられることを、論理的・数量的に証明している。1カ所だけ引用しよう。――
「果たして、今回の総選挙では、小選挙区で自民党の得票率が41%だったのに対して、民主党は28%にとどまった。そして議席数のほうでは自民党は177(議席率59%)を当選させ、『4割の得票率で6割の議席』という小選挙区制の教科書通りの結果を出した。」
1993年当時、石川氏が少数派として小選挙区制に猛反対したころ、小選挙区制推進側またはそれに近い立場で報道にかかわったマスメディア関連の諸氏よ、どんな気分ですか?
今は「満州事変の少し前」に相当すると原寿雄氏が述べたのは去年の夏だが(本誌去年8月20日号の拙文)、事態はもう「満州事変当時」になっているようだ。当時は弾圧機関があったが、今はなくてもそうなっている。これも「従順なヒツジ型遺伝子」のせいか。まさに「戦争体験は無力」(石川氏)なのだ。
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