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2005.9.19(その2)
2005年森田実政治日誌[349]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02171.HTML
民主党の前原代表の選出は、民主党が野党であることを放棄したことを意味する。第二小泉自民党の誕生である。民主党の不見識と狂乱に抗議する
「人生の道半ばで、正道を踏みはずした私が目を覚ましたときは暗い森の中にいた」(ダンテ『神曲』の最初の言葉)
民主党は暗い森の中に迷い込んだようである。元民主党幹部で、いまは政界を引退した友人の感想を聞いた。彼はこう言った――「これで民主党はオシマイだ」と。民主党は総選挙の敗北をきちんと総括することなく、致命的な過ちを犯してしまった。
民主党“アメリカ派”(ネオコン)の勝利
9月17日の代表選で民主党は、総選挙敗北ショックのなかでうろたえたまま、やけになって、菅ぎらいの低劣な感情を抑えることができないまま、最悪の選択をしてしまったのではないか――これが私の素直な感想である。
前原誠司衆議院議員は、党内では“アメリカ派”(ネオコン)、“憲法改正派の右翼”とみられてきた。いまもそうだ。前原氏が代表選出馬を表明した直後に、小泉首相ブレーンの話を聞く機会があった。その小泉ブレーンは「民主党代表に前原君がなれば、民主党はよくなる。われわれと一緒にやれる。菅や小沢ではダメだ。横路らの旧社会党系を切らねばダメだ」と言っていた。前原氏は小泉ブレーンに好かれている。ブレーン氏は、民主党内にブッシュ・コイズミ的な勢力がおり、「その代表的なリーダーが前原氏だ」と言った。前原氏を民主党の代表にしようとする“ブッシュ・コイズミ化”勢力の工作は相当進んでいたのかもしれない。民主党代表選で前原氏が選出されたことを小泉支持派は大喜びしている。
日本の政治の根本問題
日本の政治の根本問題は「日本をアメリカ化するか、それとも日本が独立国として生きるか」にある。コイズミ主義者のめざすのは「日本のアメリカ化」である。前原氏も同じ方向をめざしている。
民主党内には、このコイズミ主義(アメリカ化)を基本的に支持する勢力と支持しない勢力があった。9月17日の代表選において、コイズミ主義者が前原氏を支持し、反コイズミ主義者が菅氏を支持した。96票対94票というきわどい差だったとはいえ「コイズミ主義者」が勝った。前原民主党は今後、本質的には「日本のアメリカ化」に加担する方向に動くとみなければならない。民主党にとってこれほどひどい選択はない。民主党はこの過ちによって破滅への道を進み始めたのだ。愚劣すぎる。
「非アメリカ化」勢力の結集の必要性
政界全体が「アメリカ化」勢力一色になるのは、日本の未来を危うくすることだ。どうしても「非アメリカ化」勢力(日本独立派)の存在が必要である。
この役割を担える政治勢力は、いまのところ綿貫民輔、亀井静香氏らの国民新党しかない。国民新党を軸として政界再編を行い「非アメリカ化」勢力(日本独立派)の総結集を図る必要がある。これに民主党内の「非アメリカ化」勢力も加わるべきである。
小泉自民党と前原民主党の関係
前原氏らの民主党の新執行部は「純粋アメリカ化」政策=コイズミズムを推進することは明らかである。前原代表らの執行部がめざすのは「アメリカ化」における小泉自民党との競争である。小泉首相以上にアメリカ政府が喜ぶ道を進もうとする。
アメリカ政府からみれば、「アメリカ化」勢力が二つ(小泉自民党と前原民主党)存在し、これが「アメリカ化」を競い合うという理想的状況ができることになる。与党と野党がともにブッシュ政権へのゴマスリ競争に励むのである。
アメリカ政府にとってこれほど楽しいことはないのではないか。従米自民党と従米民主党が二大政党として政権をめぐって争うというのは、どちらに転んでも親米政権が存続することを意味する。政権交代しても親米政権がつづくことが保障されているのである。 この事態は、日本国民にとって大悲劇である。
民主党内での「非アメリカ化」勢力結集の必要性
いまや従米主義でないもう一つの民主党が必要になった。前原氏の「アメリカ化」民主党に対抗する「非アメリカ化」(従米主義反対の)民主党の結集である。当面は党内党でよい。一定の勢力の結集に成功したら、分党し新党結成に踏み切るべきである。
日本の政治において、二つのアメリカ化勢力がアメリカ政府へのゴマスリ競争をやるのはあまりにも愚かなことである。
日本の政治においては「アメリカ化」勢力(対米従属派)と「非アメリカ化」勢力(従米主義反対・日本独立派)の競合が必要である。
ブッシュ・コイズミ主義者の狙いは、日本そのものの「ぶっつぶし」にある。日本の道徳観、日本の文化、習慣、風土などあらゆる日本的なものの解体である。この第一歩が郵政民営化という郵政解体である。次が自治労(官公労)解体だ。これを第一歩として地方の伝統的日本のシステムを解体する。さらに労働組合など社会的諸組織を解体する。この破壊路線を阻止する新たな政治勢力の結集が必要である。もう一つの日本独立派政党が必要なのである。それだけではない。いまや、民族統一戦線の結成が必要になっている。小泉自民党・池田公明党・前原民主党の親米大連合(平成版大政翼賛体制)に対抗する民族統一戦線をつくるべきである。
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