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選択は「超コイズミ」─「東京新聞」(核心)
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投稿者 天木ファン 日時 2005 年 9 月 18 日 10:08:19: 2nLReFHhGZ7P6
 

民主代表に前原氏 迷った末『超コイズミ』
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050918/mng_____kakushin000.shtml


 反コイズミより、超コイズミ−。衆院選で小泉純一郎首相に大敗北を喫した民主党が再生のかじ取り役に選んだのは、首相とは逆の路線を掲げた菅直人氏ではなく、首相の先を行くことを主張した前原誠司氏だった。前原氏の党改革には、抵抗勢力が待ち受けている。しかし、小泉自民党の圧勝を見せつけられた今、摩擦を恐れずに突っ走るしか道はない。 (政治部・渡辺隆治)

■対極の2人

 「全身全霊、政治生命をかけて、職責をまっとうすることを誓う」

 前原氏は当選直後、こう決意を述べた。

 前原氏は出馬記者会見で、党再生のために(1)労組依存体質の克服(2)派閥均衡型人事の打破(3)意思決定手続きの見直し−に取り組むと表明。しがらみにとらわれないトップダウン型の指導者を目指す姿勢を明確にした。

 この方針は、首相が自民党の支持団体だった全国特定郵便局長会を切り捨て、郵政民営化反対派を党外に追いやると同時に派閥を無力化して「小泉自民党」をつくり上げたやり方を想起させる。前原氏はそれをさらに徹底させて党の体質を変えようとしているのだ。

 政策的にも郵便貯金、簡易保険は民営化ではなく、将来的には廃止を主張。また、効率の良い政府を掲げ、小泉首相の小さな政府の上を行こうとしている。

 菅氏は「自民党は首相の下で、強者の自由主義に純化されつつある」と批判し、「最小不幸社会」の理念を掲げて小泉自民党と対抗する方針を示した。「小さな政府」の首相に対抗するために社会民主主義的な面を強調しようとしたが、軍配は「小泉的」な前原氏に上がった。

■3つの関門

 「前原代表」の第一関門は人事だ。党内にいくつものグループが割拠する民主党では、能力や代表の意向ではなく、グループの力関係が人事を左右してきた。

 しかし、前原氏は記者会見で「能力主義」を強調。代表選でも各グループの領袖に支持を求めず、議員一人一人に電話で投票を呼び掛けるスタイルを貫いた。これによって「人事のフリーハンドを得た」として、グループの枠にこだわらない人事に踏み切る構えだ。

 だが、大胆な人事はあつれきを生み、党運営の障害になる危険が高い。前原氏を支えたのが世代交代を掲げた中堅・若手だったこともベテランを疑心暗鬼にさせている。

 労組との関係見直しも難題だ。前原氏は「意見が違えば毅然(きぜん)として対峙(たいじ)する」となれあいを排除する考えを強調している。

 しかし、民主党の最大の支持団体は連合であることは厳然たる事実。連合との関係が悪化すれば「打倒前原」ののろしが上がらない保証はない。

 さらに難航が予想されるのは重要政策の取りまとめだ。前原氏は、郵政民営化法案に対案を出さなかった反省から「重要法案には必ず対案を提示する」と約束した。

 しかし、安全保障政策をはじめとして党内の意見の隔たりは大きい。前原氏は「自民党以上に右寄りだ」(若手)と見られており、旧社会党系を中心に警戒感が強い。改憲案などを強引に取りまとめれば、党内に亀裂が生じるのは間違いない。

■痛みは覚悟

 ただ、人事、労組、政策で大なたを振るおうという前原氏にとって、ただひとつ救いはある。それは、先の衆院選で、しがらみにとらわれない小泉首相が有権者に受け入れられ、都市部で民主党候補がばたばたと落選したということが教訓として残ったことだ。

 代表選で菅氏に勝てたのも「首相が国民に支持されている以上、前原氏の才能に賭けて自民党に追いつくしかない」(若手)という党内の空気があったためだ。

 壊滅的な打撃を受けた党を再生するには、ある程度の痛みは我慢して改革のメスを入れねばならない。この教訓が生々しい記憶として残る間に、走り抜けることが、前原氏にとって、早道のようだ。


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