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□なぜだ!? 勝ち馬に乗りたがる日本人 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1397954/detail
なぜだ!? 勝ち馬に乗りたがる日本人
小泉自民党の歴史的大勝に終わった狂乱選挙。メディアが「自民優勢」を伝えるたび、小泉旋風の勢いがドッと増す“勝ち馬現象”がみられた。一昔前なら判官びいきの心情が働き、反発票が野党に流れたもの。いつから、日本人は勝ち馬に乗りたがるようになったのか。
「日本人の気質は1965年以降に生まれた世代から一変しました」と主張するのは精神科医の和田秀樹氏だ。
「いま40歳以下の人たちは日本が経済的な豊かさを享受した1970年代に少年期を過ごしています。ちょうど、ピンク・レディー・ブームに沸いた世代。それまでは、『ご三家』『三人娘』に代表されるように、好みはバラバラでした。クラス全体が一組のアイドルに熱狂することはなかった。いじめが問題になり出したのも、この頃です。『みんなから浮くのはイヤ』と極端に仲間外れを恐れ、同質化を好み出した。みんなと同じテレビ番組を見ては、同じタレントを追いかけた。そうして周りの雰囲気に流されやすい“勝ち馬タイプ”が増えていったのです」
周囲との同調を好むがゆえに彼らは記録的なメガヒットの原動力となった。80年代には「少年ジャンプ」が600万部を売り上げ、「ファミコン」が1200万台も売れた。89年には1曲しかなかったCDのミリオンセラーは年々増え、90年代の10年間に349曲を数えたほど。投票当日に支持政党を決める“そのつど支持層”が増えたのも流行を追う感覚で政治をとらえている証しだろう。
「彼らと前世代との決定的な違いはアイデンティティーの希薄さです。経済発展が努力次第で豊かになれる社会を生み、戦後生まれは『運命を自分で切り開こうとする』タイプが多かった。受験、出世と常に競争に身を置き、心の世界の主役はいつも自分。ところが、生活水準が豊かになればなるほど、今度は『みんなと同じだったら十分食べていける』『目立たず、みんなと一緒が大事』というムードが広がっていった。いつも他人の意見を気にしてばかり、親兄弟よりテレビの影響を色濃く受けているのも65年生まれ以降の特徴です」(前出・和田氏)
小泉自民の大量得票は、「みんなと一緒でいいや」という圧倒的な大衆に支えられた結果。有権者はな〜んにも考えちゃいないのか……。
【2005年9月14日掲載】
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