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小泉チルドレンの歴史的役割 No.75【2005年9月16日】
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/050916.htm
■「郵政民営化のためなら、殺されてもいい」という壮絶なセリフに国民は共感
今回の総選挙で与党は、総定数の3分の2を越す327議席を確保した。私の予想通り、博徒小泉純一郎の圧倒的な勝利である。以前のコラム509で書いたように、解散前の定数の過半数は241議席で、解散前の与党(自民党+公明党)の議席数は284議席もあったのである。造反組の37議席を除いても、過半数をはるかに超える247議席が残っている。よほどのことが起らない限り、241議席を与党が下回ることはないのである。
ようするに、そのことを知っていて、小泉純一郎は、解散総選挙に踏み切ったのである。
大手広告代理店を巻き込んだブッシュ政権の後押しや、メディアナイスされた小泉純一郎のパフォーマンスである「賛成か反対か」や「国民に聞きたい」や「すべての改革の入り口だ」等の歯切れのいい短い言葉がなかったとしても、あるいは反対派を押し切っての意表をつく「解散」、「抵抗勢力」の容赦ない切り捨て、「くノ一の刺客」の擁立等の強烈なメッセージが仮になかったとしても、与党が過半数割れする可能性はかなり低かったのである。
だからこそ、「郵政民営化のためなら、殺されてもいい」というセリフを国民に向かって吐けたのではないのか。とはいえ、小泉首相には、織田信長の「余はこの国の無能者の掃除人になることを決めた」という言葉通りの潔さが確かにあり、織田信長を尊敬し続けてきたゆえに、「戦国武将の生きざまに比べれば、いまの自民党の権力闘争なんていうのは、甘っちょろいもんですよ」と、街頭演説で言いきれた部分がある。
その潔さが、総裁任期延長論が与党内で浮上してきていることに対して、「政権政党の総裁規定は重いものだ。来年9月まで精一杯努める。その後は考えていないし、引き続き総裁なり首相なりを務めるつもりはない」という発言につながっていると思われる。確かに小泉首相には、今の日本の政治家に失われた何かがある。
いま、利権とエゴだけで動いているのがミエミエの古い体質の政治に、国民はウンザリしている。バブル崩壊後の十数年も続くデフレ不況下で、日本全体が閉塞感にすっぽりと覆われている。私たち国民は極度のフラストレーション状態にあり、へとへとに疲れ、何かが変わってほしいと願っている。
何でもいいから、この窒息してしまいそうな現状を変えてくれるなら、騙されたっていいと願っているのだ。どうにもならない疲れ果てた心を酔いしれさせてくれる何かが起るなら、騙されたってかまわないとさえ願っているのだ。
そんな「知的幼児化状態」の状況下で、小泉純一郎は「賛成か反対か国民に聞きたい」と連呼して、みごとに意表をつく解散を断行することで、「小泉劇場」という真夏の夜の夢の幕を揚げたのである。
国民の前で、小泉首相は幾つものマジックを披露し、私たち国民が首相を選べる大統領制のような雰囲気を、有権者に巧みに演出して見せた。私たち国民は、そのドラマティックな改革というショーに酔いしれた挙げ句、投票率を7%も押し上げてしまったのである。ようするに、この閉塞感に被われた日本の壁をぶち壊してほしかった。
■「小泉チルドレン」の誕生とその長所
この国民の切なる願いは、今後とも利用されることはあっても、満たされることは永遠にない。私たち国民は、さらに裏切られ見捨てられ、さらなる閉塞感の中に突き落とされる。そして最後には小泉マジックにだまされたことに気づく。そんな惨めな流れの中でも希望はある。小泉首相の変人ぶりにも長所はある。
ようするに、小泉純一郎は、他の政治家の誰よりも度胸があり、勝負師でもあるからだ。政治家としての能力なら、石原慎太郎よりも上であることが、今回の「小泉劇場」の演出で証明された。この才能は、いまの日本には貴重であり、同質のものがライブドアの堀江氏にもあるように思われる。
とはいえ、この感性の系列というか流れの中には、歴史と伝統を踏まえた民族主義とは幾分相容れないものがある。今回の落下傘マドンナ片山さつきや猪口邦子にも同じ匂いを感じるし、もちろん有名どころでは、田中真紀子や岡田克也や加藤紘一や古賀誠等にも、まったく同じ系列の匂いを感じてしまう。しかし今はこの話はおいておく。
それでは、今回の小泉純一郎の独裁体制維持のための親衛隊、「小泉チルドレン」の誕生は、果たして日本の国益にとってどうなのだろうか。何をしでかすかわからないファシズム的小泉チルドレン体制は、私が思うに、中国や北朝鮮や韓国に対して、まちがいなく「国威」が上がる流れに作用すると考える。憲法改正も、国会の3分の2議席を確保したのだから視野に入ってきたし、普通の国家になるための核武装も可能となる道筋ができた。このことはアメリカの「属国」、占領体制からの自立に向かうステップとなる。
これで、ようやく中国に恫喝されてODAを無理やり強制されたり、北朝鮮の金正日のテロ行為である拉致問題に対しても、強力な日本独自のカードを手にすることが可能となる。この流れは、まちがいなく日本の民族にとってプラスとなる。
2010年の北京万博以降には、まちがいなくアメリカも中共も国力が衰退する。私にはそれが直感としてわかる。だから日本は、小泉チルドレン体制の流れを利用して、早く普通の国家にならなければならない。それがアメリカの意志、いやブッシュ政権の意志でもある。
■シーパワー海洋アジア諸国の盟主日本
その流れにうまく乗って、ドタバタ劇の政治改革がなされれば、たとえそれが国民無視のいわば権力闘争であったにしても、まちがいなく「国権」が強くなる。小泉チルドレン体制は、中小企業と地方とサラリーマン等にとっては過酷な経済的低迷となり続けるが、一方では東シナ海のガス田やマラッカ海峡等のシーレーン防衛は、自立的に守ることができるようになる。
それが可能となれば、日本の経済も株価も、まちがいなく急回復し始める。そうなれば日本は、海洋アジア諸国であるオーストラリア、インドネシア、タイ、台湾、マレーシア等のシーパワー連合の盟主となることが可能となる。そして失った誇りを、今度こそ日本民族は回復する。その一方で、中国共産党は3つか4つに分裂弱体化し、もちろん台湾は独立を果たすのである。希望はあり、民族の責任は必ず果たされる。
《主な参考文献および記事》
(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)
★ わかりやすい政治の裏側に隠された狂気を知れ!509 2005 年 08 月 26 日
千葉邦雄のニュースの落とし穴
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/050916.htm
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