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03年衆院選と04年参院選で、「変革願望」の「受け皿」として期待された民主党が、何故、今回の選挙でずっこけてしまったのでしょうか。上手くいけば、ホップ・ステップ・ジャンプと、政権に届いたかもしれなかったのに……。
恐らく、岡田さんもそう思っていたことでしょう。今度総選挙があれば、そのときこそ政権奪取のチャンスだ、と……。
実は、ここに落とし穴があったのではないでしょうか。次こそチャンスだ、という思いが、民主党に慢心と油断を生んだように思われます。
「もう野党と呼ばないで欲しい。これからは政権準備政党と呼んでもらいたい」などと言い出したときから、それは始まっていたのかもしれません。野党なのに気分だけは与党という民主党の持病が、またも出てしまったということです。
そのために、郵政民営化法案に対してきちんとした対応をしませんでした。民営化法案には反対しましたが、民営化そのものへの態度は選挙になるまで曖昧で、明確な政策や対案も出しませんでした。
いわば「敵失」を待ち、自民党内の攻防に対して「高見の見物」を決め込んだように見えます。その一方で、小泉首相は一発逆転に向けての準備を着々と進めていたのかもしれません。
こうして最終的には、「小泉マジック」にやられることになります。その原因は、郵政問題を巡る攻防において、選挙になるまで民主党は観客であって舞台に上がらなかったからでしょう。
こうして、郵政民営化を争点にした総選挙が始まりました。当初、民主党はこの争点から逃げたように見えました。途中からは、リストラ案で自民党と競い合うような誤りを犯します。
「改革を止めるな」という自民党のキャッチフレーズに対して、「日本をあきらめない」では、あまりにも迫力不足です。がっぷり四つに組むというのであれば、「ニセ『改革』を止めよう」とするべきだったでしょう。
郵政公社は独立採算で国庫からの支出はない、民営化されても財政的には増収にならないなど、郵政民営化の嘘を突いたのは共産党であって、民主党ではありませんでした。中途半端な政府案に対して民主党は明確な民営化案を出すべきだったという意見もありますが、私は逆にハッキリとした反対を表明し、民主党は自民党の造反派を含めて郵政民営化反対連合の先頭に立つべきだったと思います。
このような民主党の対応の曖昧さの背景には、「構造改革」に対するスタンスの問題があります。民主党は小泉首相と同じネオ・リベラリズムの立場に立つ議員が多く、小泉「構造改革」に対抗できないという弱点があるからです。
小泉さんは、旧来の保守(コンサーバティヴ)である自民党をぶっ壊し、新自由主義(ネオ・リベラリズム)の党に変えようとしています。これに対して対抗しようというのであれば、別の選択肢を提起しなければなりません。
アメリカ型のネオ・リベラリズム・モデルに対抗できるのは、ヨーロッパ型の社会民主主義(ソーシャル・デモクラシー)モデルしかありません。せめて「第3の道」の日本版を対抗モデルとして提起するべきだったでしょう。
このままの民主党では政権をまかすわけにはいかないというのが、今回の選挙で示された選挙民の意思です。そうであるなら、「このまま」小泉さんと新自由主義的な「改革」を競い合うなどという愚かなことは止めるべきです。
ネオ・リベラリズムではない党へと脱皮し、「官」の再評価と公共性の回復、政官関係の見直し、官庁改革と無駄使いの是正、庶民増税路線の撤回と余剰資金を82兆円も貯め込んでいる大企業・高額所得者への課税強化、自衛隊の海外派兵の停止、憲法の平和・民主主義理念の擁護、周辺諸国との関係改善、沖縄など在日米軍基地の整理と負担の軽減、民主主義と人権の保障などを打ち出すべきです。
もちろん、今回の選挙で掲げた比例代表区定数の80議席削減などはとんでもありません。すぐに撤回すべきです。もし比例区定数が120になっていたら、民主党はもっと手ひどい打撃を受け、選挙結果の歪みはさらに大きなものになっていたでしょう。
選挙関連では、昨日の最高裁の判決で違憲とされた在外法人の選挙権行使の制限を改めて衆院選の小選挙区と参院選の選挙区での投票を可能とすること、在外選挙制度の手続きの簡略化、衆院の選挙区割りや参院選挙区の定数配分の変更による一票の格差の是正、衆院選挙での重複立候補制度の見直し、電子投票の導入、18歳選挙権の実現などに力を入れるべきでしょう。
政権交代自体を自己目的化してはなりません。政権が交代すれば、何がどのように良くなるのかが、国民に理解される必要があります。
現状では、政権が交代しても自民党の政治と変わらないのではないか、もっと悪くなるのではないかという懸念があります。自民党政治の何をどのように変えてゆくかを明らかにしないまま、ただ政権交代を叫んでみても有権者には受け入れられないというのが、今回の敗北から民主党が学ぶべき最大の教訓でしょう。
岡田さんは「このままでは日本はだめになる」と叫んでいました。私もそう思います。そうであるなら、「このまま」ではないあるべき日本の姿を、是非、提示していただきたいものです。そのための準備期間として与えられたのが、今回の敗北であったと思います。勢いをつけて「ジャンプ」するために、後ろにさがったというところでしょうか。
次の総選挙こそ、民主党にとっては政権交代のチャンスになると思われます。今回の選挙で寄せられた「変革願望」の期待に、自民党は応えられるはずがないからです。
「そのつど支持」と言われるように、その時々の「風」によって有権者の支持は大きく変化するようになりました。「風」によって奪われた「受け皿」の地位は、「風向き」が変われば容易に取り戻すことができます。
問題は、どのようにして「風向き」を変えるかということでしょう。そのための技と政策を、次の選挙までに身につけられるかどうかが、民主党にとっての勝負になります。党首えらびをめぐるゴタゴタが始まっているようですが、党内抗争などに時間を費やしている余裕はないはずです。
★正論だと思う。民主党は、ヨーロッパ型の社会民主主義をめざすべきだが(それ以外に政権奪取の道はないという意味で)、はたしてそうすんなり方向転換ができるだろうか。管氏は可能だろうが、無理に動けば分裂するだろう。
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