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民主党について書こうと思ったのですが、昨日の表を見ているうちに、まだ指摘しておくべきいくつかの事実に気がつきました。昨日の叙述の補足として、以下に書かせていただきます。
第1に、圧勝した自民党は、比例区で500万票強、小選挙区で600万票強を増やしたにすぎないということです。これは、前回衆院選で民主党が増やした700万票よりも少ない数です。
増加分だけを見れば、今回の自民党は前回の民主党に及ばないということになります。それがどうしてこれほどの圧勝になったのかというと、何度も言いますが、小選挙区制のカラクリのためです。
第2に、自民党の増加は500〜600万票ですが、これ以外に、国民新党、新党日本、諸派・無所属が合計で300万票強を獲得しています。これをあわせると800〜900万票になります。
これが、保守勢力全体で増やした票数です。将来、国民新党、新党日本、諸派・無所属などが自民党に合流すれば、それは自民党のものとなり、今回での増分として加算されることになるでしょう。
第3に、民主党は比例区で106万票の減ですが、小選挙区では300万票近く増やしています。小選挙区でこれだけ増やしているのに議席が大きく減っているのは、増え方が自民党よりも少なかったからです。
そのために相対多数の座を自民党に奪われ、民主党の候補者に投じられた票の多くは「死票」になりました。ここにも、小選挙区制の「特性」が現れています。
第4に、公明党は比例区で26万票増、小選挙区で9万票増になりました。比例区で獲得した899万票は過去最高になり、議席を減らしたものの善戦・健闘と総括しています。
しかし、比例区での26万票の増は、共産党が増やした33万票よりも少ない数です。自民党の全面的なバックアップを受けても、この程度しか増えなかったということになります。
第5に、共産党は比例区で33万票増、小選挙区でも10万票増となりました。前述の通り、比例区での増分は公明党よりも多く、小選挙区では立候補者数を減らしたにもかかわらず、得票を増やしました。
第6に、社民党は比例区で69万票増となり、小選挙区では71万票減となりました。比例区での増分は、公明党の3倍弱、共産党の2倍強になります。
比例区で社民党が勢力を盛り返したことは明らかです。小選挙区での減少は、立候補者を大きく減らした影響です。
第7に、共産党と社民党は、比例区での合計で102万票も増やしています。これは民主党が比例区で減らした106万票とほぼ匹敵します。つまり、民主党が減らした分を共産党と社民党が吸収したという解釈が成り立つかもしれません。
「小泉マジック」とマスコミの結託など、総力を挙げた取り組みにもかかわらず、それによって新たに自民党が集めた得票は比例区で523万票、小選挙区で643万票にすぎませんでした。投票総数での割合にすると、比例区で7.7%、小選挙区で9.4%になります。つまり、投票した人々の1割に満たない数です。
たったこれだけの人々によって、3分の2以上という圧倒的な勝利が自民党にもたらされました。それは小選挙区制のカラクリによって助けられたからです。
「小泉マジック」によって作り出された変化が、「小選挙制マジック」によって増幅された結果が、今回の自民党の圧勝でした。つまり、巨大与党はこの「小泉マジック」と「小選挙区制マジック」の合体によって生み出されたことになります。
このように、各党の得票数を厳密に検討すれば、議席の変動によって示されているほどには、劇的な変化があったわけではないということが分かります。小選挙区制という「制度のカラクリ」に惑わされてはなりません。
自民党は議席で示されているほど多くの国民の支持を集めたわけではなく、民主党はじめ野党各党も国民から見放されたわけではありません。圧勝した自民党には自制が求められるゆえんであり、敗北した民主党もそれほど悲観するにはあたらないということになるでしょう。
ということで、民主党については、明日、書かせていただきます。
★マスコミは(絶対に)報道しないだろうが、民主党には、今こそこのような冷静な分析が求められている。民主党が結果的に大敗したのは(負けが増幅されてしまったのは)、岡田とその取り巻きの状況分析がまったくダメだったからだ。これは結果論ではない。しかし、現在の民主党は良くも悪くも(若手と称される議員を中心にした)岡田的性格を引きずっており、これを一新しない限り、民主党は(かつての社会党がそうであったように)小泉自民党の補完勢力でしかなく、根本的な再生はないと考えていいだろう。しかし、それにしても、ここで紹介されているように、民主党はそれほど負けなかったのであり、共産党と社民党は票を増やし(ほとんどが民主党から持ってきたものだ)、公明党の限界が明らかになったのである。民主党は自暴自棄になる必要はない。
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