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刺客の反乱で政権失った自由党のロイド・ジョ―ジ
小泉クン、オメデトウ。よくもまあ世の中、うまく騙しおおせたものよのお。
通常、総選挙は政権の業績を問う。キミは郵政一本に絞って「○か×か」をせまった。
内政・外交のたび重なる失政を、郵政一本で目くらました。見事な戦術じゃのお。
これで「小泉ご一任」を取りつけた。ヒトラ―の授権法(総統一任)と同じだ。
茶坊主の執行部は総理の任期延長を言い出すだろう。
キミは自党の反対派を追い出し、刺客まで放った。
同じような選挙をやった男がいたんだよ。イギリス自由党のロイド=ジョ―ジさ。
勝ちはしたけど末路は哀れ。
4年後、刺客の大反乱で政権を失い、自由党も潰れてしまった。
あげくイギリスは未曾有の経済危機にみまわれ、餓死者まで出た。
小泉ガ―ルズに寝首をかかれないように気をつけな。
思えば4年前、予備選で圧勝したとき、キミはテレビカメラに顔を近ずけ、「なんてたって小泉イ―ッ」
ニ―ッと笑ってVサインをして見せた。普通なら重責の自覚から顔を引き締める。
こんな総理は初めて見た。今回もひとり鏡に向かって、ニ―ッと笑ってVサインかな。
でもね、いずれ歴史の鏡はキミの業績を厳しく映し出すだろうよ。
いったいキミはこの4年、何をやっていた?
特殊法人の全廃がキミの公約だった。
道路公団?看板を塗り替えただけじゃないか。
社会保険庁の粛清もままならない。
年金事業団も相変わらずの役人天国だ。
常任理事国入りも失敗なら、六か国協議もカヤの外。
拉致問題については一言もなかったよね。
内政・外政ともに空白の4年だ。
「改革を止めるな」だって?
今回の郵政改革だって、アメリカの言うがまま、郵貯・簡保340兆円=日本人の最後の貯金を売り渡すだけじゃないか。
ナニ、ブッシュから祝電が来た?そら、そうでしょうよ。
かつてキミは司馬遼太郎『国盗り物語』が「私の人生を変えた」と書いた。
そしていま『信長の棺』を愛読するそうな。
この本に次の言葉が出て来るのを覚えておいでかな。
「猿犬英雄を称することあるべし」
ニセ者が英雄を気取る、という意味です。
堤 堯 阿呆の遠吠え
東京スポ―ツ 05 9 13
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