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ビラ配布 弾圧の裏/元公安警察官が語った/“プライバシー暴き、尊厳もてあそぶ日常でした”(しんぶん赤旗)
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/604.html
投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 9 月 15 日 12:41:38: Lif1sDmyA6Ww.
 

しんぶん赤旗からhttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-09-15/2005091503_01_2.htmlより引用

2005年9月15日(木)「しんぶん赤旗」

ビラ配布 弾圧の裏
元公安警察官が語った
“プライバシー暴き、尊厳もてあそぶ日常でした”

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 正当な政治活動のビラを配る人を警察官が尾行して逮捕する。官舎にビラをまいただけで逮捕する――。警察のこんな捜査がいま大きな問題になっています。日本共産党、市民団体・民主団体へのビラ配布弾圧事件が相次いでいます。その中心部隊が公安警察です。元警視庁公安警察官の犀川博正氏に聞きました。


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 思想警察。公安警察を一言で定義すればこうです。自分たちの政治的思惑で、人の思想・信教に踏み込み、人をおとしめる。具体的には、自民党の違法行為は見逃すが、共産党のイメージダウンをことさらにねらい、何かできれば鬼の首をとったように喜ぶ。そういう組織です。これは、昔から変わっていないと思います。

■最初の交番勤務から

 一九六七年に警視庁三鷹署で警察官をはじめましたが、最初の交番勤務のときから公安の仕事をしていました。「どこそこで共産党員を見た」というような報告書を上げると、それも評価されました。共産党のビラを配る青年数人が、団地の焼却場に書類を持っていって燃やしているのを見つけました。書類というのはバラバラにしないとなかなか燃えません。交番からバケツに水をくんでいって消し、中身を警視庁公安部に届けたこともあります。

 その後公安係になりました。当時、活動党員の説得工作を一生懸命やりました。協力者工作、つまりスパイ工作です。

 対象者を決めて半年、一年と尾行します。尾行すると趣味、性格、人柄がわかります。そのうえでねらうのは借金、異性関係、性癖といった弱点です。あとは趣味です。

 党員の「面識率」を高めることも公安として重要なことでした。これはだれ、あれはだれ、と面割り台帳をつくります。

 当時、全国の県警でそんなことを競っていました。

■上部の言うことウソ

 今問題になっている、国家公務員法違反事件は選挙のときの話です。選挙になると、当時公安は二つの基本姿勢を持っていました。

 自民党を勝たせることと、共産党を摘発することです。公安は100%、共産党だけを尾行、張り込みし、それ以外は見向きもしません。共産党を調査し、そのうえ選挙違反の検挙ができれば“満塁ホームラン”です。

 共産党をなぜそこまでねらうのか。公安の上のほうは共産党は「国家転覆をねらっている」とか「暴力革命」などといいます。しかし、現場の人間でそんなことを信じている人はいません。

 工作で党員の人物を知っているからそれはウソだとよくわかるんです。そもそも共産党が悪いというのなら、日本は民主主義国家ですから、国民が選挙で審判すればいいことです。

 違法捜査という点でいえば、公安は平気で事実をわい曲し、法令をねじまげてでも人をひっぱります。公安の手法は送検で一丁あがり。終わりです。ねらいはつまり「大本営発表」なんです。実態がないのに「敵艦を撃沈した」と宣伝するのです。

■公権力の不当な介入やめよ

 いま振り返ると、公安の仕事は、人のプライバシーを暴き、人間の尊厳をふみにじり、もてあそぶ仕事でしたね。その一方で、自分たちは郵便物を抜いたり、ヤクザをけしかけたり、日常的に違法行為をしていました。

 公安警察は、情報をとって国の治安を守ると建前ではいっていますが、その実、各都道府県で何人の未解明党員を解明したか、何人のスパイを獲得したか、で点数競争に明け暮れていました。

 オウムの松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件が起き、上九一色村や熊本県でおかしなことが起きていても目もくれず、共産党をやっていたはずです。

 そのうえ税金を使いながら、予算がどうなっているのか、人員がどうなっているのかは、公安警察官だった私でもわかりません。

 ビラ配布で逮捕などの事件が続くのは、驚くことではありません。これはやはり、思想・信条に対する公権力の不当な介入で、反国民的なものです。そういうことに捜査という権力を武器として使ってはいけない。

 警察は、いままでやってきたことを清算しなければいけません。同じようなことを繰り返していけば、警察は国民の厳しい審判を受けるに違いありません。


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■言論弾圧 黙っていられない

■国民救援会がビデオつくる

 憲法をおびやかす警察の言論弾圧事件の真相を伝え、はねかえそうと、日本国民救援会はこのほど、ビデオ・DVD「黙っていられない―言論弾圧とのたたかい―」(36分)を制作しました。国公法弾圧、東京・葛飾ビラ弾圧、大分・選挙弾圧、立川反戦ビラ弾圧の4つの事件をとりあげています。不当逮捕された被告のインタビュー、地元住民の声、公安警察の違法な尾行捜査の再現などを通して真相をときほぐします。

 憲法学者の奥平康弘さん、亜細亜大学の石埼学助教授のコメントも紹介。言論・表現の自由の大切さをうきぼりにしていきます。

 ビデオ・DVDは定価2000円。問い合わせ先は日本国民救援会 電話03(5842)5842。

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