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2005.9.11総選挙の選挙結果の総評   【れんだいこ】
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/551.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 14 日 23:01:06: ogcGl0q1DMbpk
 

2005.9.11総選挙の選挙結果の総評

Re:れんだいこのカンテラ時評その98 れんだいこ 2005/09/12
 【2005.9.11選挙戦について】

 2005.9.11総選挙が終わった。れんだいこの事前予想は全く外れ、各新聞社の予想が正確ということになった。穴があったら入りたい、貝になりたいとはこのことだ。れんだいこ予想は、参院での郵政法案否決までは当たったが、小泉総辞職が外れ総選挙突入となり、以来狂いっぱなしになった。思えば、選挙となると選挙制度のリアリズム分析から始めなければならなかったのかも知れない。

 造反ブームに手踊りし、事態の推移を冷静に分析すべきところを情緒で見始めたようだ。造反派出現による政界地殻変動を期待し過ぎたのだろう。それと、無党派層に対するれんだいこの見立てが狂っているのだろう。選挙に行かないのは与党政治に対する間接的ノンの印しと理解していたので、あるいは若いときはとかく批判派になりがちという先入観を持っており、政権与党乗りの無党派層という新たな世代が出現していることに無自覚すぎた。そういう意味で、政治的リアリズムに立ち返らねばならないと自戒させられる結果となった。

 後付け分析によって見えてきたことを記しておく。れんだいこは、小選挙区制の怖さについて改めて教えられた。候補を一本化するという与党自公の戦略戦術こそが理に叶っており、野党が、一人しか当選しないにも拘わらず分立立候補する手法では到底勝てない。互いに足を引っ張り合うだけのことで、これでは永久に勝てないということをまざまざと教えられた。

 最大野党民主党の単独政権構想は有り得ない。社共、造反派を相手せずでは結局こたびのようになる。造反派が二党発生したけれども、互いが連携しないようでは結局こたびのようになる。これは普通に算数で分かる話であった。実際には相乗効果というものがあろうから、与党は一本化でより強化され、野党は乱立でより弱くなるという仕掛けになっている。誰かが高等数学で分析すれば、こういう闘い方では政権移動が有り得ない話だと云うことが証明されよう。道理で、政権与党が気前良く党首討論会に臨み、少数政党にも発言の機会を等しく与えるという鷹揚さの意図も分かった。政権与党に取って、野党各党が互いに分裂的に票を分け合うことほど望ましいことは無い訳だ。

 れんだいこは、小選挙区制が必ずしも悪いとは思わない。小選挙区制になっても、従来の中選挙区制時の頭で対応しようとしている野党各党の対応が悪いと思っている。いつもの定番では有るが、日共批判をしておきたい。同党・志位委員長の「国会共闘はすれども政権共闘、その為の選挙共闘はしない」という戦略戦術ほど政権与党を有利にさせる手法は無い。「本物の野党」なるコマーシャルで選挙区に分け入り、野党間をかき混ぜているが、悪質と断定すべきではなかろうか。自公のように「小選挙区共闘、比例区分かち合い」まで行かなくても、「小選挙区共闘、比例区競合」という戦術がありそうなところ、それに向わない同党指導部の意図はナヘンにありや。

 もっとも、民主党・岡田代表の対応も変調過ぎた。ポーズとしては懸命に闘っているように見受けたが、肝心なところでいつもズッコケていた。最初のズッコケは、参院で郵政民営化法案が否決された時、直ちに内閣不信任決議案をお膳立てしていたところに認められる。あの時点では、内閣総辞職の選択肢も十分に有った訳で、与党内のゴタゴタを引き出すべきだった。あの時、衆院解散をお膳立てする内閣不信任決議案を提出したそのシナリオは誰が作ったのか。

 そういう訳だから、小泉政権が衆院解散を宣言した時も、違憲の動議を出すことさえなかった。むしろ逆に、小泉首相が「自公過半数取れなければ総辞職する」という選挙戦突入の際の責任数値を明らかにしたのに対し、岡田代表も「政権交代できなければ辞任する」と応じ選挙戦ムードを高めていった。違憲的違法解散を問わねばならない時に、この対応は果たして是認し得ることだっただろうか。 

 第二のズッコケは、早々に単独政権論をぶち上げ、刺客騒動に揺れている造反派を見殺しにしたことだった。これは間接的に小泉政権の造反派テロルを追認していたことになろう。本来であれば、互いに提携し、自公戦略戦術の如く「小選挙区共闘、比例区分かち合い」の道があった筈である。そういう機敏な対応をすれば民主党の政権取りブームが生まれる可能性があったところ、その芽を潰した。

 第三のズッコケは、「本物の野党」を歌い文句に、立候補しただけ戦術に固執する日共の場合は止むを得ないとしても、社民党との場合には「小選挙区共闘、比例区分かち合い」の道があった筈である。現に選挙後半戦ではそういう動きが自然発生的に生まれていた。願うらくは、選挙前の協議を持つべきではなかったか。そういう機敏な対応により、民主党の政権取りブームが生まれる可能性があったところ、その芽を潰した。

 第四のズッコケは、これは民主党の党是に関わってくるが、同党が「自衛隊のサモアからの撤退」を力強く打ち出せなかったところに限界が認められるように思われる。小泉政権との際立つ違いは、この争点によってこそ浮き上がるところこれを争点にせず、何やら小難しい「改革本物論争」に引き込まれ、却って訳の分からない争点ボケ現象が生まれてしまった。

 第五のズッコケは、マニュフェストを掲げたものの、郵貯金限度額段階的引き下げ論、年金対策増税論などという、凡そ反発を買うような政策を矢継ぎ早に出すに至っては、何をしているのかといいたくなった。マニュフェスト論争により余計にちまちました論争の道に分け入り、為に小泉首相の郵政民営化一本槍路線、即ち改革を止めるな論への共感の下地を醸成した。

 以上、5つの要因で、民主党・岡田代表はわざとではないかとみなしたくもなるような下手な選挙闘争を繰り広げることになった。そして、結果は、ボーダーライン上の競り負けを相次がせることになった。早々と代表辞任を声明する破目となったが致し方ないと云うべきだろう。

 他にも考察せねばならないことが有る。最近のヤング世代の政治感覚が分からない。れんだいことはよほどずれている。マスメディアの言論大砲的役割ももっと注意されるべきだ。公正な大衆メディアを創出しない限り今後もヤラレ続けるだろう。天木氏の何の功もない小泉選挙区出馬も理解できない。社共系以外の左派系党派の沈黙と傍観も理解できない。

 れんだいこは、よしんば仮に新党を立ち上げるにしても、前途が容易でないことを痛いほど教えられることになった。もはや議会闘争に対する失望を育むべきだろうか。いろんな意味で貴重な示唆の多い選挙結果となった。

 2005.9.12日 れんだいこ拝


http://www.marino.ne.jp/%7Erendaico/senkyo_syugiin_result2005co.htm


れんだいこの為になる選挙分析
http://www.marino.ne.jp/%7Erendaico/senkyo.htm

衆議院
http://www.marino.ne.jp/%7Erendaico/senkyo_syugiin.htm

2005.9.11総選挙、自民内ゲバ考、民主政権取り王手考その1、選挙公示前の動き

http://www.marino.ne.jp/%7Erendaico/senkyo_syugiin_2005.htm

2003総選挙、自民対民主関が原決戦考

http://www.marino.ne.jp/%7Erendaico/2003seihendrama/2003sekigahara.htm



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