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2005.9.12(その1)
2005年森田実政治日誌[332]
総選挙結果についてあえて問う。「これでいいのか」、と。「日本国民は冷静な判断力をもって行動したか」、と――議席を失った能力ある憂国の政治家の友人のことを思いつつ。
「政を為すは人にあり」(孔子「中庸」)
[政治は、政治を行う人物のいかんによる。政治を行う人間が、政治を行うにふさわしいか否かが、政治の優劣を決める]
政治を行う人物に必要な資質は「政治への情熱、社会的責任感、洞察力」の三つである、と言ったのはマックス・ウェーバーだった。こうしたすぐれた資質をもち、いまの日本にとって必要とされている信念と力のある数十名の政治家が議席を失った。このなかには尊敬すべき私の親友が何人もいる。彼らは郵政民営化法案に反対したため、小泉総理・総裁と武部幹事長から党公認を外され、「刺客」を送られた。このため有為・有能な人材が議席を失った。慚愧に耐えない。
彼らは、公認候補に比べると手足を縛られたような「無所属」候補でなければ、議席を獲得する十分な力をもっていた。しかしながら、自民党執行部から自民党公認を奪われ、マスコミ、企業選挙を行った自公両党と経済団体からの執拗な中傷に耐えつつ、選挙をきれいに戦った。だが、残念なことに、一歩及ばなかった。
彼らは、小泉首相の郵政民営化法案の欠陥を指摘し、修正を求めた自民党内の良心的政治家である。まさに「国に諫むる臣あればその国必ず安し」(平家物語)の「臣」なのだ。
埼玉11区の小泉龍司さん、誠実で、有能で、政治家らしい大きな魂をもった、それでいて謙虚な政治家である。いまこそ働き盛り、国民のために働ける政治家なのだ。
小林興起さん(東京10区)はいかなる困難にも耐えられるほどの強い忍耐力をもった高い能力のある政治家である。有権者がマスコミに踊らされることなく冷静な判断力を行使したとしたら、小泉首相が放ったタレント型女性候補に敗れるなどということはあり得なかっただろう。
藤井孝男さん(岐阜4区)。高い見識をもつ立派な人物である。倫理的にも知的にも卓越した政治家である。「無所属」でなければ当選する力を十分にもっていた。藤井孝男さんの姿が国会で見られないほど淋しいことはない。
川上義博さん(鳥取2区)は行動力のあるたくましく真っ直ぐな政治家であり、国にも鳥取にも必要な人材である。川上さんも「無所属」でなければ誰にも後れをとることはなかっただろう。
森岡正宏さん(奈良1区)は強い信念の持ち主であり、勇敢で高潔な政治家である。森岡さんも「無所属」のハンディのため議席を得ることができなかった。森岡さんも私にとって30年来の尊敬すべき友人である。
松宮勲さん(福井1区)は人格、識見ともにすぐれた政治家である。福井県が誇るべき人物である。松宮さんも「無所属」のハンディを負って戦い、一歩及ばなかった。
テレビの開票速報で小泉首相、武部幹事長らの勝ち誇ったような薄ら笑いを見ながら、議席を失った有為・有能な政治家のことを考え、彼らの無念さに思いを馳せた。もしも彼らが今後も政治活動をつづけるなら、一ボランティアとして手伝いたいと考えている。彼らには、復活して日本国民のために働いてもらいたいと切に願う。
それ以上に、日本国民は「小泉改革」という「ブッシュのための改革」を喜んで受け入れていいのだろうか。「小泉改革」の踊りを踊っていていいのだろうか、と考えざるを得ない。
これらの友人たちは、日本国民を代表するにふさわしい大人物である。彼らが背負う苦難は、今の日本を象徴している。私も、これらの苦難のなかにいる友人たちが背負っている困難をともに背負いたいと考えている。
残念なことに、多くの日本国民は、欺瞞、偽善、独断の小泉政治を支持した。一刻も早く、悪い錯覚から醒めてもらわなければ日本の未来が危ない。
私はこれから新たな戦いを開始する。
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2005.9.12(その2)
2005年森田実政治日誌[333]
9.11総選挙の歴史的意味に関する若干のコメント――(1)現行憲法体制の否定、(2)平成版翼賛選挙、(3)従米独裁政権
「哲学的な眼で人間社会の諸事を考察する人びとにとって何よりも驚くべきことは、多数者が少数者に容易に支配されていることである」(デビット・ヒューム)
今回の総選挙の歴史的意味について、二、三のポイントを指摘しておきたい。
(1)小泉首相は、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」(憲法第41条)を否定して衆院解散・総選挙を実施した。結果として大勝したことにより、首相を国会を上回る最高権力者の地位に引き上げた。これは現行憲法体制の否定である。小泉首相は憲法に拘束されない大権力者になって、暴走するおそれがある。
(2)今回の総選挙を、各選挙区の現場から見ると、マスコミは完全に小泉政権の広報機関化してしまっている。マスコミは小泉批判情報を一切カットし、小泉賛美の情報のみを流しつづけてきた。
もう一つは、大規模に展開された企業選挙である。企業のパワーが今回の総選挙で爆発した。マスコミ界と経済界が、小泉首相と自公両党を勝利させた。
この政治権力とマスコミ界と経済界と宗教界その他の社会組織が総結集して選挙を行うという構図は、昭和17(1942)年4月30日に東條内閣によって行われた「翼賛選挙」と非常によく似ている。今回の選挙は「平成版大政翼賛選挙」である。小泉首相は東條英機以上の大権力を手にする可能性がある。
(3)1933年3月末のドイツにおける総選挙でナチスが大勝したときの選挙とも酷似している。ヒトラーはこの選挙で大権力をつかみ、暴走する。
小泉政権の場合は、ヒトラー・ドイツと同じではない。米国の従属下での限定された独裁政権となり、もっぱら米国政府に奉仕するとみられている。340兆円の郵貯・簡保資金を、民営化=市場開放することによって、米国政府へ巨額資金の供給を行う方向へ動くのではないか、と私は危惧している。
今回の総選挙で日本国民が選んだ道は、憲法違反、翼賛選挙、従米独裁国化である。過ちは正さなければならない。
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